法律家業界の話8 弁護士の種類
こんにちは。まったん弁と申します。
このnoteでは,私の弁護士経験から,法律家の業界について業界外の人々に向けて,お役に立てる情報を発信しております。
これまで弁護士・裁判とかかわったことがないよ,という一般の方々,個人事業の方,中小企業の担当者などを想定しておりますので,法律のややこしい部分はあまり拘らず,ざっくばらんに,かつ,短い時間で気軽に読むことができるnoteにしております。
今回は,「弁護士の種類」というテーマです。
弁護士には種類がある
一口に弁護士と言ってもいろいろ種類がありますので,解説してみようと思います。
経営者弁護士
自分で法律事務所を経営しています。ほとんどの法律事務所は今でも一人弁護士です。弁護士1名事務員1~2名がスタンダードだと思います。
イソ弁
若手は自分で仕事を獲得できないため,まずは経営者弁護士に雇ってもらうことが多いです。当業界では昔から「イソ弁」と呼んでいます。語源は「居候」とか「イソギンチャク」(雇い主にくっついているから)とか言われています。
経営者弁はイソ弁を雇うようになると「ただの経営者弁護士」から「ボス弁」に進化します。
ノキ弁
昔はイソ弁として3年位働いて自分で事務所を構える人が多かったです。しかし,司法制度改革による弁護士大増員により,就職を受け入れる事務所が足りなくなりました。
そこで生み出されたのがノキ弁です。ノキ弁は事務所に席を置かせてもらいますが,給料はもらわないで,自分で仕事を獲得しなければなりません。事務所の「軒先」を借りている分,その使用料として経営者弁に「上納金」を支払います。ヤクザみたいな制度です。
派遣社員や契約社員のように,90年代後半以降の新自由主義経済が生み出した不安定な立場ですね。
パートナー弁護士
東京や大阪のような大都市圏では,一人事務所では対応できないような大規模・専門的事件があります。なので,多くの弁護士が集まって会社みたいな法律事務所を作っています。
その経営陣たちがパートナー弁護士です。各々が仕事を獲得して,事務所の経費を負担するものです。要するに経営者弁護士の連合体です。
アソシエイト弁護士
地方では若手の雇われ弁は「イソ弁」と呼ばれます。しかし,東京や大阪の大きな事務所にいくと,同じ雇われ弁護士でもどういうわけか「アソシエイト」とカッコイイ名前で呼ばれています。
ちなみに地方では依頼者の事は普通に「依頼者」といいますが,東京大阪の大事務所では「クライアント」と,これまたカッコイイ名前に変身します。
名前をカタカナにする理由は定かではありませんが,まったん弁としては,計画を「スキーム」と呼んだり,参加することを「ジョイン」と言ったりするのと同じく,何となくハッタリが効くからだと思っています。
日本人は,いつの時代も海外の「先進的っぽい」文化に弱いのです。
企業内弁護士
弁護士資格を持ちながらサラリーマンになる。これが企業内弁護士です。外部の弁護士を使うより使い勝手がよいらしく,最近増加中です。自分で事務所を構えることができない人が仕方なく行くところというイメージを持つ人もいますが,まったん弁としては,安定して給料をもらえるし,ワークライフバランスもとれていて良いと思います。
というわけで簡単ですが,当業界の弁護士の種類の話でした。
顧客から直接仕事を受注できるようになるまで雇われて給料をもらいながら顔を売って,そのうち自分で事務所を経営するということですね。
また新しいテーマで投稿をしますので,よろしくお願いいたします。
まったん弁