子どもに「愛してる」と言葉で伝えることは必要?
日本人は愛情表現が苦手な人が多い、そういった気持ちをあまり口に出す文化ではない、と言われがちですが、それでも恋愛中なら、「愛してる」と言葉や手紙で相手に伝えることは、多くの人がしていると思います。
では、家族間ではどうでしょう。
皆さんは、親や子どもに「愛してる」と言えますか?
(あえて、夫・妻については聞きません(*´▽`*))
私は、親から面と向かって「愛してる」と言われた記憶がありません。
私も、日常の中で親のことを「愛してる」と改めて思うことがなかったので、親に言ったことがありません。
親に「愛してる」と言うことは、言い慣れていないので難しいです。
いや、おちゃらけてなら言えるかな。
面と向かって心を込めて伝えることは、やっぱりハードルが高いですね。
でも、言葉がなくても、親からの愛情は、それなりに感じていました。
だからか、「愛してる」という言葉を家族の中で言う必要性も感じていませんでしたね。
私が「愛してる」を言ったのも言われたのも、恋愛をしてからです。
初めて、彼氏から「愛してる」と言われた時には、ものすごくうれしくて、こんな幸せのことを「愛」っていうのかな、なんて漠然と思っていました。
でも、、、
子どもを産んでからの「愛」は、それとは全く別物になりました。
自分の命よりも大切な存在、愛おしさがなくならない存在、どんな人間であっても丸ごと受け止めたいと思う存在。
私の中の眠っていた感情がどんどん溢れ出して、「愛」の概念が変わったのです。
そのおかげで、恋愛ドラマや10代の恋愛リアリティーショーで「愛してる」と言っているのを見ると、「おいおい!「愛」がなんたるかを知らないくせに、簡単に「愛してる」なんて口にしないでよ。薄っぺらいよ~。「大好き」までなら言っても許してあげるけど。」なんてことを、テレビに向かって言うようになるわけです。
自分も10代や20代の時に言っていたくせに、完全に棚に上げています。
青年期という多感な今を生きているうちの子どもたちは呆れ顔です。
でも、ちゃんと分かっています。
自分も通ってきた道。愛にもいろいろな形がありますよね。
ここから、ようやく本題です。
子どもの頃、アメリカのアクション映画のあるシーンに、いつも少し違和感を感じていたのです。
そのシーンは、主人公の奥さんや子どもが出てくるところ。
もちろん、「愛してる」を家族でも気軽に言い合えるアメリカという文化を知っているけれど、主人公が命に関わるミッションを遂行する直前や、傷だらけになりながら悪者を退治した直後、自分のことで精一杯なのに、「愛してる」と家族に伝えていることが不思議だったのです。
でも、子どもを産んでからの私の溢れ出した感情「愛」を知ったとき、なるほどな、と自分なりに納得したのです。
どんな時でも、子どもたちに「愛してる」と伝えたい衝動に駆られたからです。
そして、アメリカ人の気持ちが分かった気でいる私は、子どもの時からずっと「愛してる」と言い続けていたら、アメリカ人のように大人になっても照れずに気軽に言えるのでは、という考えにも至り、1日1回は「愛してる」を伝えようと決めたのです。
(1日1回なんてルールを作る必要あった?と過去の私に言いたい(^^ゞ)
まぁ、そんな経緯があり、「愛してる」を伝えたいだけの気持ちから、ずっと照れずに言えるかという実験のようなことをスタートしたわけです。
それと、正直に言いますが、「愛してる」って言っておけば、とりあえず至らない母親のことを許してくれるだろうという浅はかな気持ちが少なからずあったことも否めません。
それでも、東日本大震災があってからは、日々、子どもたちと一緒に過ごせることは当たり前ではないということを改めて思い、朝、玄関で見送るときに、「いってらっしゃい」ではなく、「愛してるよ!」と心からの声かけをしていました。
そんな日々があっという間に過ぎて、どうなったのか。
ここで結果発表をしたいと思います。
<実験結果>
*子どもたちから「愛してる」と言われる習慣はつかなかった。
*私も子どもたちに「愛してる」と言う習慣がつかなかった。
*「愛してる」を言おうと思えば照れずに言えそう。
*これだけ言えば、私の「愛」は、とりあえず子どもたちに伝わっていると思う。
【こんな実験結果になった理由】
*子どもたちは、親を「愛してる」といちいち思わないから。
*反抗期で憎たらしくなり、私が「愛してる」を言いたくなくなったから。
*言い過ぎて、「はいはい、わかった。」というそっけない受け答えや表情をするようになったので、言うメリットが感じられなくなったから。
*どうしても「愛してる」と伝えたいときは、LINEという方法が見つかったから。
お菓子などを子どもにあげるとき、「”愛する”息子のために買ってきたよ!」という言い回しをしたこともありました。
「愛してる」を伝える方法は、一つじゃないですよね。
<私なりの考察>
親の愛は、「愛してる」と言わなくても子どもには伝わるとは思う。
でも、なんらかの理由で突然の別れが来たとき、自分の気持ちを言葉で伝えていたことで、子どもたちに届いていると確信が持てるから、後悔はないだろう。だから、親の自己満足だろうが、できるだけ「愛してる」は言った方が良い。
親のことをいちいち愛してると考えることのない子どもが大きくなった時、自分が親に愛されていたかを思い返す時がくるだろう。その時のために、「愛してる」と言語化して伝えておいた方が、愛された記憶が心に残りやすいというメリットが少なくともありそうだから、言った方が良い。
「愛してる」と言って、鬱陶しいと思われたことはあっても、嫌がられたことはないから言って損はない。
子どもから「愛してる」のお返しがくるわけではない。
だから、親は自分にも言って欲しいと子どもにせがんだり、言ってくれるだろうと期待しない方がいい(せがんで言ってくれた時ほど、気持ちが全く入っていないので寂しくなる)。
未来に受け継がれていく仕組みになっていると期待したい。
あとがき
「愛してる」だけが「愛」を伝える言葉ではないですよね。
また、言葉じゃなくても伝える方法はありますね。
でも、たまにはド直球で、子どもに「愛」を伝えてみませんか?
そんなわけで、サンプル数が少なく、統計に全く基づかない実験結果ですが、誰かの参考になれば幸いです💛