【美容医療と恋愛11】無臭じゃなきゃダメですか？女性アナウンサーSNS 炎上について考察
今回は、過去に40件以上の体臭に関する取材記事を監修してきた立場から、最近炎上した某女性アナウンサーの男性の体臭に関するSNS 発信について思うことを少々語ってみます。
取材では、「臭いが気になるからどう対策したらいいか」「自分が臭そうで心配」という声に対して、医学的論拠を交えつつ、意味のある対策法をお伝えしています。最近書いた2記事に詳しく書いてあるので、よろしければご一読くださいね。
ニオイ（体臭）のもとになる「皮膚ガス」とは
近年の研究で、体のニオイは人の皮膚表面から放出される揮発性物質の総称「皮膚ガス」がもとになっていて、現在分かっているだけでも300種類以上存在すると言われています。皮膚ガスが放出される経路は、主に表面反応由来、皮膚分泌腺（汗腺）由来、血液由来の３通りあり、この経路が解明されたことで、ニオイ対策は、シャワーを浴びる、汗を拭き取るなどの皮膚表面のケアだけでなく、生活習慣の見直しなど体の内側からのケアも重要であることが意識されるようになりました。
高齢者や中高年男性特有の臭いには理由がある
その知識を踏まえて、今回炎上した女性アナウンサーのコメントを読んでみましょう。
夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる。常に清潔な状態でいたいので１日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…
ふむふむ。
苦手だと感じるのは、個人の感情ですので全くもって自由ですし、実際、体調によっては不快な臭いに吐き気を催すということもありますし、それは正直な身体の反応です。さらに、自分自身の臭い対策として行っている行動も、特に間違ってはいません。不摂生が強い臭いの原因になる場合があるのも事実。つまり、「自分はエチケットとしてこういう事をしております」だけであれば問題なかったのです。
仲間内での会話で「ちょっと身体拭いてくれると助かるけど、言いにくいよね」「○○さん、いつも前日のお酒のニオイが残っているのはツライな」くらいなら罪もないでしょう。でも、臭いのキツイ男性陣が努力不足と考えるのは少々短絡的かもしれません。
まず、汗臭は、大量の汗をかけば必ず生じます。炎天下で働く仕事や代謝の良い男性や若年者は汗量が多くて当然です。また、職場環境によっては、シャワーを浴びたり、着替えたり出来ない方も多いでしょう。さらに、働き盛りの中高年男性（30～40代半ば）に多い「ミドル脂臭」は、少量でも空気中に拡散されやすい特徴があり、必ずしも、不摂生や不潔が原因とも言い切れないのです。
加えて、10代～30代前半の若年女子は、ラクトンという様々なニオイをマスクする成分が分泌され、若干不潔にしていたとしても臭くなりにくい事を知っておくべきでしょう。つまり、若い娘はニオイ強者であり、高齢者、中高年男性、中高年女性はニオイ弱者です。父さんの枕が臭いのも、多くの男性が汗くさいのも、高齢者から加齢臭が発せられるのも、医学的には事実だったとしても、家族のために働く大黒柱や頑張る若者、長く生きてきた先輩らを傷付ける言葉を発するのは優しくないですよね。
私自身も、そういう意味で、若い頃は愚かでした。
(パパ、、、ごめんなさい。)
残酷なのは若さの一面かもしれません。
今回のコメントで、女性アナウンサーは事務所を解雇されたとか。この程度のことでも重い責任を負うことになったのは、SNS での発信にはこれまで以上に慎重にせねばならないという社会的な方向転換かもしれませんね。
無臭じゃなきゃダメですか？
先日、頭を洗った直後、ニオイに敏感な次女に嗅いでもらったら
「ニンゲンノニオイがする」と言われました。
にんげんだものbyともを
乾燥肌用のシャンプーは脱脂力が弱いので、若干皮脂のニオイが残っていたのでしょう。
臭いにくい良い汗をかくためにも、健康のためにも、バランスの良い食事と良質な睡眠、運動習慣は欠かせません。その上で、ある程度の清潔を保つ努力はすべきでしょう。皮脂の多い男性は、デートの前にはシャワー&洗髪がオススメです。女性はヘアセットに時間かかるので、トイレで濡れタオルで全身を拭き、下着を着替えるだけで、めちゃめちゃスッキリします
ですが、ですがですよ。
過酷な日本の夏、１０分外にいたら汗だくです。外回りの仕事から戻って来たら汗臭くて当然！それくらいは許す社会であってほしいと思います。
汗のニオイを好ましいと思えたら相性が良い証
さらに朗報。汗のニオイを好ましいと思えたら、それは相性が良い証拠です。本能的に、もはや遺伝子レベルで好きという証。カレシさん、カノジョさんの首もとをクンクンしてみてください、、、浮かんでくるのはあの歌声
「あ～ま～い～にお～い～にぃ～よせられたワタシはカブトムシ♪」by aiko
aiko さんの名曲カブトムシの歌詞とメロディーには、恋のエッセンスが凝縮されていて、医学的論拠と相まって強烈に胸が切なくなります。
だからもう、最低限のエチケットをクリアしたら、開き直っちゃってください。
「完全無臭じゃ魅力半減」
カラメル無しのプリン、さび抜きの握り寿司、ブラックペッパーをかけないカルボナーラ、山椒かけない鰻みたいなもんですよ。
個性的な体臭と香水のマリアージュで魅力的なフェロモン全開の男子が好きな女子もいますし、ほのかにボディソープやシャンプーの香りが漂うのが最高という人も、汗臭＝神というフェティッシュな男子もいるでしょう。
接近戦なのか、オフィシャルシーンなのか、寿司屋や和食店なのか、TPO も考慮して、最適な香りも味方につけて、脳に響くニオイで意中の人を絡めとってくださいね。
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