京都サンガ 雑感 vs甲府・松本・琉球
連戦だったり苦しい試合が続いてたためレビューを書く気力が起きませんでした。
なんとか山形戦までにということで、駆け足ですが直近3試合分のなんちゃってレビューを書いていこうと思います。
1.vs甲府
2021年9月4日(土) 18:04 KickOff
JITリサイクルインクスタジアム
明治安田生命J2リーグ 第28節
ヴァンフォーレ甲府 3-0 京都サンガ
得点者:ウィリアンリラ(32分・甲府)、宮崎純真(68分・甲府)、三平和司(79分・甲府)
【スタメン】
【選手交代】
◆甲府
64分:長谷川元希→三平和司
70分:ウィリアンリラ→中村亮太朗
84分:野津田岳人→山本英臣、宮崎純真→野澤英之
◆京都
46分:武富孝介→イスマイラ
56分:三沢直人→荒木大吾63分:松田天馬→福岡慎平、武田将平→曽根田穣
71分:荻原拓也→本多勇喜
【戦評】
「やるべきことのイメージをチームとして共有出来たゲームだと思います。(伊藤彰監督)」(ヴァンフォーレ甲府公式HPより引用)
「ゲームをつくっていくプランや、勝つための選手の使い方が少し裏目に出て、甲府さんの対策にはまっていってしまった(曺貴裁監督)」(京都サンガF.C.公式HPより引用)
試合後の両監督のコメントが全てを物語ったゲームとなった。
京都が最後まで甲府の牙城を崩すことができなかった要因についても監督コメントの通りであった。
「真ん中にボールを入れるとそこに引っかかってしまうんですが、逆にチャンスでもあるのでそこを狙っていました。(曺貴裁監督)」(京都サンガF.C.公式HPより引用)
「前半は少し単調というか一本調子になってしまいました。後半は少しボールの動かし方を変えながらやったのですが、そのことで攻撃が遅くなって相手に帰陣されてしまうという現象があり、良いバランスで攻撃をするという意味では課題が残りました。(曺貴裁監督)」(同上)
サイドから中央にボールを送り少ないタッチでの中央突破を図っていたが、そこに至るまでの過程が甘く、甲府の対応(球際・チャレンジアンドカバー・細かいライン調整)に屈した形だ。
この試合に関しては多くを語る必要はないだろう。ゲームプランから守り方から崩し方から、何から何まで甲府の京都に対するリスペクトが見られた。
京都のビッグチャンスというと66分のコーナーキックにバイスが頭で合わせたシーンくらいで、たらればを言うまでもなく文字通りの完敗だった。
2.vs松本
2021年9月7日(火) 19:03 KickOff
サンプロアルウィン
明治安田生命J2リーグ 第25節
松本山雅FC 2-2 京都サンガ
得点者:河合秀人(11分・松本)、宮吉拓実(21分・京都)、伊藤翔(33分・松本)、宮吉拓実(51分・京都)
【スタメン】
【選手交代】
◆松本
46分:安東輝→平川怜
73分:河合秀人→山口一真
82分:伊藤翔→鈴木国友、宮部大己→下川陽太
90+3分:セルジーニョ→田中パウロ淳一
◆京都
55分:白井康介→飯田貴敬、本多勇喜→麻田将吾
73分:宮吉拓実→イスマイラ
83分:黒木恭平→荒木大吾、福岡慎平→中野克哉
【戦評】
端的に言えばセルジーニョがポイントとなるゲームだった。
松本も甲府と同様に343のフォーメーションだが、守備時はセルジーニョがやや前目に守りバイスにプレッシャーをかけれるようにしてきた。攻撃時にはカウンターの起点となり、左サイドでボールを受けてバイスを釣り出し大きく空いた中央のスペースを狙おうとしていた(松本1点目)。
京都はそのセルジーニョやカバーに入るボランチの裏のスペースをうまく使いながら攻撃を組み立てた。また川崎へのマークが甘かったことから、川崎を中心に左右の揺さぶりをかけることもできていた。
2-2になった後半途中から松本が532に布陣を変更。中央を厚くすることで縦パスを入れるスペースを消し京都の攻撃を外に追いやった。京都は切り札のイスマイラを入れてウタカをより自由にしたかったがそれまで起点にしていた中央のスペースがなくなり停滞。イスマイラ大作戦も空振りに終わった。
攻撃の狙いも良くプレスもはまっており、概ね京都ペースで試合が進んでるかに見えたが前半のうちに2失点。ボールウォッチャーになりがちな松本の弱点を突く形で宮吉がクロスに頭で合わせ、なんとか2度のビハインドを追いつく苦しいゲームに。
複数失点について甲府戦後に曺貴裁監督は以下のように語っている。
「自分たちの立ち位置や今までやってきたことが担保されて次の試合にも勝てる保証はないということが改めて理解できたと思います。」(京都サンガF.C.公式HPより引用)
さらにこの松本戦後には
「失点をリーグ最少失点にしようとはシーズン前に一言も言ってませんし、(中略)大きくは気にしていないです。ただ、失点してしまうまでの自分たちのプロセスに問題があるならば、反省しなければなりません。」(京都サンガF.C.公式HPより引用)
と強気な姿勢を見せつつも反省。深読みにはなるが、裏を返せばやられたぶんプラスアルファ殴り返せばよいと、そういうエンタメ性はこれからも追及すると。
ただ「自分たちに集中力があれば防げる失点だった。」と集中力の部分については課題を口にした。
3.vs琉球
2021年9月11日(土) 18:34 KickOff
サンガスタジアムbyKYOCERA
明治安田生命J2リーグ 第29節
京都サンガ 2-1 FC琉球
得点者:阿部拓馬(16分・琉球)、ピーターウタカ(41分/PK・京都)、イスマイラ(90+3分・京都)
【スタメン】
【選手交代】
◆京都
60分:荒木大吾→三沢直人
69分:宮吉拓実→イスマイラ
84分:福岡慎平→白井康介
◆琉球
58分:武田英寿→清水慎太郎
63分:李栄直→福井諒司
77分:風間宏矢→上原慎也、上里一将→風間宏希
【戦評】
連戦の最後の試合は最もパワフルなゲームだった。「イングランド・プレミアリーグの強豪リバプールが大敗した後どう持ち直したのか」という映像を見せたそうで、どういう内容かはわからないが選手たちは(おそらく)それの通りにリバウンドメンタリティを見せてくれた。
琉球は自陣で442ブロックを作ってスペースを消し、DF-MFのライン間に入ってくるボールを奪ってカウンターを狙ってくる。その分バイスや麻田に対するマークは甘くなっていた。
京都は左右それぞれのサイドで異なるビルドアップを見せた。右サイドでは福岡が低い位置をとって琉球のSHやCHを誘い出し、バイスがその裏のスペースに縦パスを差し込むことで前進。左サイドでは荻原・松田・荒木の3人が連動してパスを繋げながらアタッキングサードまで侵入した。
良いポジションをとって相手の陣形を崩しながら攻めたことで、ボールを失ってもすぐに奪い返し前後半通じて多くの時間で押し込むことに成功。しかし琉球の守備は強固で、ゴール前では最終ライン4枚と2ボランチが中に絞ってスペースを消し、入ってくるボールや選手に厳しく当たって跳ね返し続けた。
先制したのは琉球で、スローインの流れから右サイド→左サイドへ素早くサイドチェンジし、得意のアーリークロスに阿部拓馬が飛び込んでゴール。失点後浮き足立って攻め急いだ京都に対して、セカンドボール回収からスペースを使いながら丁寧にパスを繋いで琉球がPKを獲得。
このPKを若原が止めたことがターニングポイントになったのは言うまでもない。
その後はリズムを取り戻した京都が一方的に攻め、川崎の攻撃参加からPKをゲットしウタカが沈めて同点に。後半も全く強度を落とさず、イスマイラと白井を投入してイスマイラ大作戦を見事完遂して勝ち点3を掴んだ。
白井投入後は特に、片方のサイドで崩すことにこだわらず逆サイドに展開してフリーの状態でクロスを上げることを徹底していた。残り時間が少なくなってもやり切ったことで生まれたゴール。
笛が鳴るまで一切強度を落とさなかった選手と試合終了と同時にみんなで歓喜の輪を作っていたベンチから、大事な一戦に懸けた思いが画面の越しのこちらまで伝わってきた。本当に大きな勝利だった。
4.最後に
上り調子の中で川崎の活躍がめざましい。アンカーの川崎と2CBやIHとのバランスのとり方が改善されたことで、ビルドアップだけでなくサイドやゴール前に顔を出すシーンが増えた。チームとして上手くいっている証拠であり、彼自身攻撃参加のタイミングやポジショニングが向上したように思う。攻撃に厚みをもたらす一手に今後も期待したい。
それ以上に気になることが2点ある。
1つがイエローカードの多さである。激しいプレスと最終ラインのカバー範囲の広さを鑑みると仕方ないものの出場停止が続出している。
有給休暇と思えば幾分か気が楽だが、J2残留に向けて死に物狂いで勝ち点を取りにくるクラブとの試合や優勝争いをする磐田との直接対決を残している。主力選手に怪我の離脱がほとんどないだけに、大事な試合でキーマン不在という状況だけは避けなければならない。
2つ目が4試合連続で先制点を与えていることだ。うち1試合はドローに持ち込み、2試合は逆転勝利しているが、いずれの試合も苦しいゲームとなっている。
追いつく力・勝ち越す力がついたと言えば聞こえはよいが甲府戦のような難敵相手には一方的に主導権を握られて負ける可能性もある。失点を減らすために集中力とゴール前のタイトさは課題だ。
徐々に涼しくなる季節なので運動量を必要とするハイプレスは夏場に比べて行いやすくなってくるはず。ただ疲労の蓄積が影響しやすいシーズン終盤でもあり、残りのゲームでどこまでもつかわからない。そういったときにモノをいう跳ね返す力は持っておきたい。
具体的にどうという話もないが、得失点差のこともあるので再びクリーンシートを増やしていきたいところだ。
以上、駆け足での3試合まとめてレビューでした。言葉足らず、説明不足な点はご了承ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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