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アドンコビターズを求めて〜草加市遠征記録〜
プロフィールに「クローン病」と入れている奴がこんな記事を書いて良いのか悩むところは、ある。
しかし、どうしてもやりたいのだから、やる。
それが自分の音楽活動の在り方だったから。
まぁこれ、サークル関係ない駄文置き場に載せる一発目の文章なんですけどね〜。
・出会いと始まり
そもそも「アドンコ」とは何か。酒だ。
アフリカはガーナの薬酒らしい。
薬酒、ということは養命酒なりハーブ系リキュールなりに近い物なのだろう。
まだこの記事を書いている時点で飲んでいない、
味についてはまだ触れられないので勘弁してほしい。
では酒を知るところから始まったのか?
違う。
自分には推しのVtuberが居る。
「今酒ハクノ」。
アラサーの酒クズを自称する女性の個人Vだ。
動画がとにかく面白い…配信も。
そしてゴリゴリの叩き上げである。
これ以上は気が向いたら別に書くとして…。
ある日の定期雑談配信で、同時視聴配信企画が告知された。
その配信で扱う作品は、「アフリカン・カンフー・ナチス」だった。
Amazonプライムを利用していない自分はコレをスルーしてしまっていたのである。
後日この配信を受けての話題が、別の配信で出た。
何やら面白かったらしい、ということは伝わったのだが、
その時既に同時視聴配信を見た登録者がこうコメントしていた。
アドンコ飲みたい
I♡ADONKO
よほどインパクトを残したらしいということはそこで覚えた。
そして、詳しい時系列は覚えていないが、
アフリカン・カンフー・ナチスの劇場公開が始まり、
自分の地元・仙台でも公開された。
「とてつもない時間を過ごしてしまった」
鑑賞後の感想としてはこんなものだったと思う。
今回はこの映画を受けての行動を書き記すので、詳しくは省く。
あらすじとしては、
「実は生き残っていたヒトラーと東條英機が潜水艦でアフリカへ。
現地人を洗脳して占領を目論む中、
主人公が修行しているカンフー道場がヒトラー達に襲撃され、
師匠は命を落とし、恋人も奪われてしまう」
…いやなんだこれ、我ながらよく観に行ったなこの映画。
そして最後に残った感情はこれだ。
アドンコ、飲んでみたい。
しかし、その時すでに先人達が高い壁にぶつかっていた。
そんな気持ちも薄れた頃、全てが動き出すのである。
・チャンスは気配を感じさせない
コロナ禍を無気力に過ごしていた2022年、あるニュースが届いた。
パンテラがザック・ワイルドとチャーリー・ベナンテを迎えてライブをする。
もちろん日本公演を期待した、パンテラ無しに今の自分を語れないから。
それが現実となる一方、難しい現実も突き付けられた。
ノットフェスジャパンの一週前にパンテラが来日公演をやる。
そう、当初開催予定だったノットフェスのチケットを払い戻さず持っていたのである。
しかし、チケットがあるということは、諸々の費用の内チケット代は浮くのである。
迷わず二週連続遠征を決めた。
ここで問題となるのが、帰りの高速バスまでの時間、何をするかである。
なにせ二週連続となると今までに無いスケジュール感なので、行きたい場所も食べたい物も別々にしないと折角の東京遠征が寂しくなる。
観光地は勿論として、例えチェーン店であっても、地元に無い店は特別だから行きたい。
そして、ある時またとんでもないニュースが飛び込んで来る。
草加市でアドンコの店頭販売が確認された。
何日使っただろうか、
行き先とスケジュールを決めるのに夜更かしが続いてしまった。
最終的に、パンテラを見るLOUD PARKの帰りをその日とした。
朝は二郎三田本店に開店前から並び、
そこから諸々経由して草加市へ向かい、
スカイツリーの下まで行き、
(自分は高所恐怖症であり、特に周りが騒がしいとダメになる)
上野で昼食の後、時間を潰してバスの為に新宿へ。
翌週はノットフェスツーデイズの為、ラウドパークの方に諸々詰め込む形となった。
・運命のLOUD PARK、そして…
そして迎えたラウドパーク当日。
前日のドバイワールドカップに夢中になり、
ついでに夜早く眠れる様にと行きの新幹線は仮眠せずゲームをし、
更に持病発症以来悩まされるアレ、
不定期に止まらなくなるゲップにもやられた。もう辛い。
勿論念願のパンテラは素晴らしかった。
しかしまだこの一日は終わらない。
宿を取った新橋ではメシを食い損ねつつホテルに向かい、
ホテルではなんとか早めに寝ようとしたものの失敗し、
更に翌日朝4時に誰かのいびきで叩き起こされた。
そんな状態で痛む足の裏に鞭打ちながら、まずは朝食へ向かう。
念願の二郎三田本店である。
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そして本番はここからだ。
地下鉄で押上へ、押上から東武伊勢崎線に乗り換える。
のんびりと電車に揺られて数分、遂にその時が来る、草加駅だ。
駅を降りてすぐに向かった…喫煙所へ。
そもそも不安しか無い状況での草加入りだった。
店は開いているのか?
在庫状況は?
道に迷わないか?
そもそもまともに寝ていない、無事に辿り着けるか?
眠気と満腹感と疲労に、脚の痛みとニコチンが喝を入れる。
事前に場所を登録していたマップアプリを見ながら歩き、
遂にそれが見えた。
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店は営業中…ドアは?あ、これ?この網戸?
そんな感じで開けて入ってみる。狭い…。
着用ルール緩和後だが基礎疾患持ち、
更に前日は大声解禁後のフェスに行っていた身。
マスクをしてキャップも被っていたので、
一応「こんにちは」と、レジの奥のお兄さんに声をかけ、奥へ入る。
…あった。
スクリーンで見たアレ、ツイッターで見たアレ、公式HPで見たアレ。
何はともあれあのアドンコが並んでいた。
本当は全種買いたかった、ツーフィンガーも、123も。
しかし、翌週の物販や食費もある。
何より、同志ガーナアーリア人一同が、この光景を見ようとしているはず。
…ついでに、一本4000円は普通に戸惑う。
なんだそれ、ウイスキーのいい奴だべ。
ビターズのみを一本手に取り、
ついでに買えそうな物はないか棚を見て、
結局アドンコ一本で会計を済ませて店を出た。
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店を出て記念撮影して、駅近くの喫煙所に戻った。
たばこを箱から一本取る瞬間、手の震えに気付いた。
まだ興奮が収まらない。火を着けて一口深く煙を吸い込む。
アドンコは存在した。
今、荷物の中にアドンコの実物がある。
さすがに前日のパンテラの方が興奮したのは間違いない。
しかしどうだろう?
スカイツリー、神谷バー、東京タワー、
浅草の孤独のグルメに出たあの甘味屋、浅草寺…。
数々の観光地よりも、
JBCスプリント現地観戦で当てた4090円に匹敵する様な高揚感だった。
その後はスカイツリーを眺め、
博物館かなんかで時間を潰そうと思っていたので上野へ向かい、
良きところで新宿のバスタへ向かい、バスに乗った。
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ちょっと上野で余裕が無くなったが、良い旅だった。
この数日後にはもっと早い時間の新幹線に乗り、
モンスターを啜りながらゲームをして、
入場口手前のオブジェに涙を流し、
一度だけと決めてサークルピットを走り、
またフェスを満喫しているのだが、
それはそれとして、ラウドパークからの草加遠征も良い体験だった。
・夢は終わらない
これを書き終えようという今、
アフリカン・カンフー・ナチスはクラウドファンディングを行っている。
続編制作に向けて、だ。
先人達はアドンコを求めて個人輸入の道を模索した。
その末に実際にアドンコを手に入れた人がいる。
今はそんな苦労はせずとも、
交通費その他諸々の費用を出せればアドンコは手に入る。
しかし、個人輸入に挑戦した末に手に入れたアドンコには、
自分が感じた以上の感動があったのだろうとも思う。
きっと続編の撮影中にも色々なことが起こるだろう。
そしてその先には完成した作品を通して手に入る感動が待っているはずだ。
素晴らしい「アフリカン・カンフー・ナチス2」の完成を祈りながら、
そして完成祝いの一杯を残すことを忘れない様にしながら、
アドンコビターズを味わう感動を、味わおうと思う。
…2本目を買うのはいつ頃かって?
アドンコが日本で全国展開されるくらいになったら。