週末やらかし飯をなんだと思ってる?~好きなもんの話しようぜ~
前に「好きな漫画のジャンル」としてグルメ系の話題を出したけど、
最近では「昔の体験から共感しか無い」と書いたり、
ついでに「これ再現できるな?」と思って漫画飯に挑戦したりした、
隔月誌掲載作品ながらウェブでも月一連載中のあの話題作、
「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」
今も読んでいるけども、さすがに6話は恐かった…。
「赤子の枕」とか色々言われるあのどでかいカツサンドとか、
食ったことは無いけど別でパンは食ったことあるとか、
それでなんとなくサイズ感のわかるコメダの諸々。
アレをあの量一気食いできてしまうのはさすがに恐かった…。
で、さすがに震えてしまったその後、
周りの感想から新しいモノが見えてくることもあるので、
「もちづきさん」でツイート検索してたわけだ。
そんな中、
見つけてしまった
(追記:何故かツイートの埋め込みができなかったので、タップ・クリックして確認してください)
キレてしまった…。
ふざけんなよ?
お前に「週末やらかし飯」の何がわかるんだよ!!
ってなわけで両方読んでる身として、
比較しながら「どっちも面白いからどっちも長く続いてくれ」と書きたい。
・そもそも「週末やらかし飯」という漫画とは
「もちづきさん」連載開始当初、比較も割と見た「やらかし飯」。
ざっくり言うと…
社長秘書の久留米空子が仕事のストレスを金曜夜のメシにぶつける話。
自炊できる人なのでドカ食いの基本は自炊だけど、
この記事を書き始めた24/9/13時点での最新話、
13話では「一度店で好き放題したかった」とサイゼに行っている。この付き添いのお隣さんがシコいイケメンなんだわ。
と、言うのも、空子さんのドカ食いともちづきさんのドカ食い、
決定的な違いがあり、「美味しく好きなだけ食べて途中で止める」のだ。
過去すべての回で「残ったメシの保存とアレンジ」が1ページあって、
作中でも残り物でお弁当を作って持って行っている描写がある。
もちづきさんは食べ残したのは「オムさん」くらいだったはず。
あとはバカみたいな量作ったり買ったりして食い切ってしまっていたはず。
そして空子さんはドカ食いに対して非常にポジティブである。
冷凍庫を買い足して母と姉とコストコ行ってドカ食いするくらいには。
「美味しい物でお腹いっぱいになって日々の活力にする」
そこをドカ食いに求めているので、健康に良いかは別としてかなり健全。
つまり、だ。
「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」「週末やらかし飯」、
この2作品は「まったく違うタイプの作品」であり、
「同時期に産まれたグルメ漫画サブジャンルの開拓者」でもある。
ちなみにこの2作品だが、「やらかし飯」が先発であり、
「やらかし飯」連載開始翌週に「もちづきさん」が始まっている。
なので先述のドヤ顔批判マンは何もかも間違えている。
・新サブジャンル「ドカ食い系グルメ漫画」
何もかもをチェックしてるわけではないので間違ってたらごめんだけど、
自分の記憶では、「ドカ食い」を主軸にしたグルメ漫画は無かったはず。
たまにはあったけどね、
「ついつい食べ過ぎてしまう井之頭五郎」とか。
「美味そうに食うのがメインだけどめちゃくちゃ食うリーマン」とか。
でも上記どちらも主軸は違う、ドカ食いがメインではない。
「もちづきさん」と「やらかし飯」は「ドカ食いが主軸」。
一応ここで共通点と違いをハッキリさせておく。
「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」
20代女性がドカ食いをする
基本的に食ったら寝てしまいたい
味覚より量が重要(1分カップ焼きそば、早炊きケチャップライス等)
食べる物と量以上に食後の「至り」が重要
ドカ食いは日常的に行っているフシがある
「週末やらかし飯」
20代女性がドカ食いをする
基本的に食ったら寝てしまいたい
味覚の満足感が大前提にある(量は用意するが食べ切れなくて良い)
ドカ食いにより心を満たすことが重要
ドカ食いは金曜夜まで我慢(翌日の予定等により調整もする)
以前は「自炊」「外食」「宣伝」と分類したと思うが、
「もちづきさん」も「やらかし飯」も「ドカ食い系」であり、
「ドカ食いに何を求める人間が主人公か」というところで分岐して、
「もちづきさん」は「グルメホラー漫画」に、
「やらかし飯」は「正統派グルメ漫画」になっていると思う。
もしかしたら自分が知らないだけで、
「チャレンジメニューをひたすら食べるグルメ漫画」もあったかもだけど、
そういうのと「ドカ食い系」は違うと思う。
前者はお金だったりタイムだったりと「食事以外の何かに目的がある」が、
後者は「たくさん食べること自体が目的」である、
なのでフードファイトみたいなのは別ジャンルと考えたい。
つまり令和6年は「ドカ食いグルメ漫画元年」の可能性がある。
・量より質
「ドカ食い漫画についての記事で何言ってんだ」という見出しだが、
実はひとつ体験談が書けるんだなこれが。
とある夏のこと、自分で三食用意することになったある日。
以前から思っていた願望を実行した。
「一度そうめんを一袋全部まとめて茹でて飽きるほど啜りたい」
で、これを2回やっている。
というのも、1回目は「まとめて茹でてしまえ」と一袋全部鍋に入れて、
ちゃんと茹でられずに不味い物を食ってしまったんだな…。
2回目は少しずつ茹でてはシメてを繰り返した。
ハッキリ言って最高の体験だった。後悔は無い。
我が家は「大きな器にそうめんと氷水」という盛り付けだったので、
あの時はデカくて深いフライパンにそうめんと氷水を入れた。
スタミナ源たれやら味ぽんやらに薬味を用意して、
めんつゆの器も味変用に3つくらい用意して、
気が済むまでそうめんをつゆにくぐらせては啜った。
単純な腹の容量の問題から3食にわけても結構な満腹感だったけど、
「山盛りのそうめんに独りで箸を突っ込んでひたすら啜る」
この食べても無くならない環境で満腹まで食べ続ける食事というのは、
何より心が満たされたのをよく覚えている。
「もちづきさん」は食後の危険な状態に喜びを見出していて危ないし、
「やらかし飯」も気が済むまで食ったら寝てしまうのでやはり危ない。
でも、依存する不健全な関係であれ、適度な楽しみという健全な形であれ、
ドカ食いの本質は「美味しい物を気が済むまで食べたい」だと思う。
今みたいに異世界ネタが溢れる前は、グルメ系をたくさん見た覚えがある。
あの頃見た漫画がどのくらい生き残ってるかは知らないが、
今後もしかしたら増えるかもしれない「ドカ食い系」、
これが命に危険が及ばないちょうどいい内容で、
何より「漫画としてちゃんと面白い」内容であることを願うばかりである。