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薪割りのバトニングはフルタングのナイフを使わないとこうなる

バトニングでもナイフは折れる

2022 年暮れのキャンプにて。
軽やかにバトニングをして、薪割りをしていました。

確かに固めのアカナラの木だったのですが、いつも通りパコンパコンと薪割りをしていました。

パキッ」っと 乾いた音を立てて根本から折れました。

剣鉈は三木の刃物屋さんで購入したもので、2万ぐらい
根本から見事に折れています。
柄の方も
こんなにキレイに折れるとは

今回の反省と結論

ナイフで薪割りはするものではないな。と思いました。
ナイフでバトニングをするのは映えますし、色々な動画でもバトニングの仕方など紹介されていますが、やはり薪割りには薪割りに適した道具を使うべきです。
もちろんナイフでバトニングをしても良いのですが、薪を割るのは目的ではなく(それ自体が楽しいと言うのは否定しません)その先の焚き火の為の通過点なので極めるのであればそれなりの道具を使用することをおすすめします。

ナイフでバトニングするのであれば

必ずフルタングのナイフを使いましょう。折れた刃の方を見ると分かるのですが、このナイフはフルタングではありません。

フルタングとは

ナイフにおけるフルタングとは、簡単に言うとTang(中子)がfull にあるという意味です。
なに対して full なのかというと、handle (柄) に対してです。

Tang の形状は様々あり、フルタングのナイフはどちらかというと少数派です。

フルタングのメリット

フルタングにすることでのメリットは、ひとえに強度が増すことです。handle 内部がフルに刃と同じ材料になることに加えて、全体的な形状として「切り欠き」がなくなります。
これは応力集中の観点からも強度が増すことになります。(応力が集中しない)

フルタングのデメリット

フルタングにすることのデメリットは 重量の増加とハンドル形状の制約であると思います。

ハンドル形状の制約

まず、ハンドル形状については、フルタングである為にはハンドルはサンドイッチ状態になる必要があり必ずタング部が露出します。そういう意味でハンドル形状や装飾が限られます。
この難点と応力集中の難点を解決したのが narrow tang などの形状になります。

フルタングは重量が増える

重量が増える。という点については軽いナイフを求めていないのであれば欠点ではないかのように思えますが、ハンドル部の重量増加は重心の悪化に繋がります。ハンドル部が重ければ思いほど重心はハンドルに依りナイフを操りにくくなります。

但し、人間の手の大きさは様々あれど、最大はしれてますのでハンドルの大きさもある程度制約されます。
一方で普段使いをするナイフはせいぜい10-15cm程度の物が使いやすいためフルタングにするとどうしても重心が手元になりがちで使っていて手が疲れます。

フルタングにすると刃の長さにも依りますが重量が50 ~ 70%程度増加します。(刃はテーパーが付いてますが、タングはテーパーが付かないので刃長とハンドル長が同じ場合、ハンドルの方が重くなります。

包丁などで試しても分かりますが、重心が手元にあると物を切るときに手の力が結構必要になります。これは刃物の自重をモーメントとして効果的に使えないことに繋がり、余計な力を追加する事になるからです。

剣鉈のタング

剣鉈のタングは Partial Tang が多く、木の柄に覆われている物が多数です。(私のもそうです)
これは、重心を考慮した取り扱いのしやすさと、そもそもフルタングの強度を求められないからという利用目的に準じています。

一方で剣鉈はフルタングの物もあり、フルタングの剣鉈は柄に木を使わずパラコードを巻いたものが多数です。

剣鉈の本来の目的から言うと前者の方が機能性が良いです。

剣鉈の修理

今回はタングが根っこから折れてしまったので、残っている刃の部分からタング(中子)を作り出してもらいました。

刃を切り欠いて中子を作成

そのため、刃の長さが短くなりましたが、元々18cmの刃長は少し長過ぎると感じていたので、短くなって丁度良くなったとも言えます。
やはり使い方に応じた適切な長さ重さがあります。これは、一度使ってみないとなかなか分からない物でもあると思います。

修理後、刃が短くなった

キャンプで使うナイフ

キャンプで使うナイフは色々な人が様々なナイフをお勧めされているので、色々と情報を得るのが良いと思います。

フルタングナイフ

一本持っていて損はないナイフです。メリット・デメリットはありますが、安心感と所有感を満たしてくれるナイフです。是非、あれこれ悩んで良いものを選んで一生物の一本を購入してください。

JOKERのナイフが使いやすくておすすめです。

フォールディングナイフ

折り畳みナイフです。小さいものから大きいものまでありますが、おすすめは持ち運びしやすく、開きやすく、ロック機構がついたものを選ぶと良いと思います。
ちなみに、折り畳みナイフでバトニングをすると これまたナイフが壊れるので絶対にやめた方が良いです。また、怪我の元でもあります。

おすすめは SOGのナイフか肥後守です。

調理用ナイフ

ナイフ一本でなんでもするのがある意味キャンプの醍醐味でもあり、自分に酔いしれる瞬間でもあるのですが、一番キャンプでナイフを使用する機会が多いのが調理だとおもいます。
それだけに、調理用のナイフを使用することで効率も良くなり、ストレスなく楽しむことができると思います。

一番のおすすめは包丁です。
やはり、調理用に進化した刃物であり、一番調理に適しています。

ただ、やはりキャンプに包丁を持っていくと、それはそれで雰囲気が。というのもあると思いますので、そうなると Felica の 折り畳みナイフがおすすめです。

調理用のナイフは基本まな板などの上で食材を切ることがメインとなります。そうなった時に包丁は顎があるので板の上で切りやすくなっています。

ナイフは沼

なんでもそうですが、道具というものは沼です。
特にナイフは多種多様にあり、用途・目的で無限にあります。一本一本も高く、より良いものを探していくとかぎりがありません。

ただし 「沼にハマってみないと分からないこともある」のかなと思っています。
自分にピッタリの一本をこれからも探求していきたいと思います。

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