禁止。という浅慮な策
何をもって「悪」と定義するのか
それは個人の感想による。ってのが僕の思想
ニヒリズムな僕には「正義も悪も」人が勝手に創造したフィクションの世界です
「悪書追放運動」を思い出す
1954年5月「大人が子供からとりあげた本を燃やす」という事件が発生
会員は3000人ほどの「赤坂少年母の会」である
未成年に悪影響を及ぼすとされた「エロ」や「グロ」の雑誌を片っ端から没収し、校庭で500冊を焼却処分とした恐ろしい事象です
母親軍団の主張は
「売ればまた子供の手にわたる。燃やさないといけない」
と
そんな彼女達の暴走は全国の母親へと伝播する事になります。
「母の会連合会」「日本子供を守る会」となり団結する
そしてついに「三まい運動」が開始されます
①見まい ②読むまい ③買うまい
の事です
児童達に見る・読む・買う 事を「禁止」しました
彼女達の掲げた大義名分は
「不良出版物から児童を守る」
です
う~ん、これぞ浅慮な思想・・(゜.゜)
そしてこれが暴走し「悪書追放運動」が開始されます
暴走と表現されるのは「エロ」や「グロ」にとどまらず、その矛先は「マンガ作品」まで不良出版と主張しだしたからです
岡山県のPTAがマンガ本も大量に焼却を開始します
悪書か良書か
その判断基準は少年少女の母親達の独断と偏見で決めていく世界線
その後も
「マンガは精神的にも不安定な子供に悪影響がある」
という流れに便乗しかできない自称識者の連載が新聞に掲載されます。
今でいうコメンテーターのような位置です
1959年8/4 母親達による町ぐるみの俗悪マンガ締め出し運動が発足します
彼女達の暴走は続きました。
禁止。禁止。禁止。と
が、みなさんも既知のように「マンガ」は世から全く消滅していません
結局このような浅はかな禁止行動は何を生んだかというと、
〇対抗勢力
と
〇さらなるマンガの発展
です
同じ1959年
「週刊少年サンデー」や「週刊少年マガジン」が創刊される事になります
そう、
悪書追放運動によって
マンガの世界は隆盛を極める事になったのです
そして、対抗勢力として
うしおそうじ・手塚治虫達によるマンガ作家連盟「東京児童マンガ会」
は、
講談社・秋田書店などの10社の代表者達の出席を求めていき
この悪書追放運動に対抗する会を開いていきました
もう1度言います
この「禁止する」という行動が生んだのは
①マンガ界の隆盛
②禁止に対抗する勢力
です。
人間は決して他者(世界)を変える事はできません
それでも変えようとすると、どうなるのか
その先はカルマが待っている事でしょう
「禁止」するなんて戦略は誰でもできます
知を要しません
よって結果はだせないでしょう
その戦略が誰かにとって価値のある策になる事もない
勉強にもならぬ
しかも
禁止させた世界を悪化させるor成長させてしまう
浅はかな戦略の施行が、すべてを狂わせる
確かに「行動」は大事です
が、そこに「知」がなければ
むやみに他者を傷つけて終わるのが、世の常でしょう