状況によって、
「情報をとらない」事が功を奏す事もある。
何事にも「正解」なんてものは存在しないのです。
情報を取得する。それは時にリスクを生じさせます。
元寇が分かりやすい。
13世紀のモンゴルによる、鎌倉幕府への2度にわたる遠征の事です。
1度目の兵力:4万(7万とも記述がある)
2度目の兵力:14万
1と2では2倍~3倍の兵力差があります。
この理由ってやつですね。
1度目の遠征の理由。
「強行偵察」が目的です。
つまり、
軽く攻撃して、敵の反撃度合から兵力を推測するってのが主たる目的でした。
まあ、値踏みってやつです。
戦いとは、敵のレベルを知る事。
格闘技で言う<ジャブ>で攻撃してみて、かわし方・身のこなし・瞬発・距離感等のレベルを推測するのと似ています。
という事でモンゴルは1度目の遠征によって兵力を決定しました。
それが14万という兵力なのです。
が、2度目の遠征には大きな問題が発生します。
博多に上陸できなかった問題です。
この中核にあったのは、鎌倉幕府が1度目の遠征により「危機感」を覚えたからです。
そしてその危機感は、
徹底した防御を固めた事につながりました。
この話をまとめると
1度目の遠征の目的は情報を取得する事。でした。
が、情報を取得したその時点で、
その情報が無意味・無価値に変換されたっていう事になります。
モンゴルの計画で抜け落ちていたのは、
相手の立場にたって類推する事です。
自分達が攻め込み、博多に上陸する。
という事実が相手にとってどのような影響を及ぼすのか、という仮説能力の低さです。
モンゴルとしても、
1度目で14万の兵力をもって攻め込んでいれば、戦局も変わったかもですね。
大事な事は、
自分達が情報を取得したとき
相手も情報を取得しているという事実。
まさに、元寇。
鎌倉幕府にとっても、
他国がどこからどこへ
どのくらいの兵力で攻めてくるのかという情報を与える事になったのです。
人間にとって大事な機能は
相手の立場を類推する事です。
もちろん分かる事もないし、
理解もできないでしょう。
が、仮説をたてる事ができます。
自分達が攻めると、相手はどう考えて、どのような行動にでるのだろうか
とね。
簡単なようで、これはなかなかできません。
われわれも普段の会話で
自分の言ったほんの何気ない一言が相手の心を壊す時があります。
相手はしかもその事を言わない事も多いでしょう。
自分の何気ない行動が、
他者にとって非常にストレスである事もあるでしょう。
自分は大丈夫。と思っていても
他者にとっては最低最悪の可能性は常にあります。
まさに元寇です。
相手の立場は抜け落ちて
自分達の事しか頭にないまま計画してしまい
結局は相手の心が読めない事が失敗に至る。
我々の発言や行動は、
決して取り返しがつきません。
一度言葉を使用して、
相手の耳に入ったら
自分で消すことは不可能です。
なので、
この元寇の教訓として僕は
自分の発言や行動には最大限の警戒をしており
そして、常に他者の気持ちを類推して
発言と行動は決める
という事を意識しています。
みなさんも、発言1つにほんとお気をつけを。
あなたに悪気が皆無でも、
他者にとっては最悪の言葉である可能性は、常に考えてください。
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