金持ちから奪い、貧乏人にまわす
1990年代のユーゴスラヴィアは内戦で大荒れでした。
進んでいた国での内戦は珍しい。
例えば、1984年ユーゴスラヴィアではサラエボ冬季オリンピックが開催されてます。
ご存知、オリンピックを開催できる国は金持ちの部類です。
アイススケートのリンクに、スキーのジャンプ台に、観光客を収容できるホテルに、移送できる交通網に、とね。
ユーゴスラヴィアは様々な条件をclearできる国、、でした。
が、内戦の結果としてオリンピックのメインスタジアムは墓地となるのですね。
ユーゴスラヴィアはモザイク(多民族)国家と呼ばれてました。
5つの民族・4つの言語・3つの宗教・2つの文字。
すごいね。日本もこうなりゃええのに。
あっちゅう間にみんな大好き多様性になれるで(*´ε`*)
WW2以後、ユーゴスラヴィアをまとめたカリスマリーダーが<ティトー>です。
あのナチスを追い出し、
強力なリーダーシップでユーゴスラヴィアを社会主義の理想の元に束ねあげたのです。
これまた教訓なんですが、カリスマってのは聞こえはいいし、たしかに必要なんですけど。
自明な事ですが、カリスマは死んだ後が大変なんです( ;∀;)
1980年。そのカリスマのティトーが亡くなります。
これでぶっちゃけユーゴスラヴィアはまとまる力を大きく失います。
加えて、ソ連の敗北。
加えて、東欧革命。
そう。社会主義のレクイエムがあちこちで鳴り響く。
人類が異常脳から目を覚ましてた時期なのです。
平等とかいうワケワカメな夢から覚めた時です。
さて、そんな中。
カリスマ1人がただまとめてだけのユーゴスラヴィア。
カリスマが消えりゃ、
静かに、そして確実にナショナリズムに進みはじめるのです。
独立の先陣は「スロベニア」と「クロアチア」です。
1991年の事。
両地域がついに独立を宣言します。
当然認めないセルビアがいます。
で、内戦が開始されるのですな。
ってかこの内戦ってのもね、
「独立したい組 VS セルビア」と捉えて大丈夫です。
セルビアってのはユーゴスラヴィアの中央政府です。
ちなみに先陣を切った2国の特徴として、<裕福>ってのがあります。
そう、ユーゴスラヴィアは自明ですが社会主義国家ですよね。
なので<平等社会>なんてのを本気で目指してました。
その実、
儲けている人間から富を強制で奪い、貧乏な人間に再配分する。
これです。
今の日本でも導入はしてますね。
累進課税制度も所得税制度も。
儲けた人間は、貧乏な人間に配分するという強制ルールです。
つまり、
社会主義ってのは平等っていうか、
ちゃんと言えば
貧乏な人間には最高の世界戦であり、
裕福な人間には最低の世界戦でもあるのです。
で、ユーゴスラヴィアで儲けてたやつって誰?ってなると、
それがスロベニア+クロアチアです。
この2国から税金をとるだけとって、貧乏なセルビアに再配分してたのですよ。
でね。
こんなもん、持続するわけない。
歴史はそう言います。
スロベニア+クロアチアはこう考えます。
「独立したい。
なぜ貧乏な人間に我々の税金を払う必要がある?
ティトーがいたからついてきたが、
そもそもこの仕組みはおかしい」
とね。
ティトーの為に。という崇拝的な意識で富の再配分を受け入れてただけで、
そもそも貧乏な人間だけに注意を向けた思想に疑問を覚えたのです。
当たり前の事に気づく。
さて、
社会主義という狂気と戦う必要がある。
どうしようか。
そうや、プロパガンダや。
メディアを使いセルビアと喧嘩するようにもっていく。
クロアチアでは民主主義を煽るCMが開始される。
TVの番組も一変し、資本家に訴える。
「おい資本家達よ。貧乏人に搾取されているぞ」
とね。
これは成功します。
「そうか。我々はクロアチア人や・・
なんやユーゴスラビアって……」
とね。
さあこっからはドロドロの喧嘩。
社会主義という狂気の仕組みにずっとずっとずっと抑圧してた怒りは爆発。
彼らを容易に殺戮マシーンに変えます。
そうして、
結果的にユーゴスラヴィアは解体する運びとなりました。
日本の今日。
累進課税+所得税で稼いだ人程に税金を搾取しているわけです。
表面化してないだけで、
稼いでいる人達の怒りは当然溜まっている状況です。
海外に拠点を移す者がいます。
爆発するポイントがあれば、顕在化します。
ユーゴスラヴィアで言うティトーの死のように、
何かのターニングポイントがあれば、
裕福な者 VS 貧乏な者
の戦争は開始されます。