世間を見ていると、別れ際でしょうか
なかなか「さようなら」を切り出せずに長いこと話をしているのを見ます。
電車改札の前で、下校中の信号前で、
お互いが、身体の方向が逆向きだったりして「非言語」で帰ろうを表出するも、なかなか解散は難しい。
どこかのタイミングで
よし!帰ろうか!(๑•̀ㅂ•́)و✧
を狙っているが、なかなかそれが言いにくい。
おそらく解散を言い出すのが苦手な人っているんじゃないですかね?
電話でも、なかなか切ることができない人もいるし
別れ際ってのが難しいという事象はありますね。
ま、観察している側からすると、別れを切り出せずにいるのは微笑ましい光景やったりするのですが('ω')
これは割と古くからある、人間の心理みたいですよ。
「切り口上」
芝居言葉ですが「無愛想で突き放したような口のきき方」を言います。
「切り」は終演のこと、「口上」は舞台上のあいさつという意味です。
昔は芝居の途中でも突然拍(ひょう)子木(しぎ)が鳴って終演の口上が述べられることがありました。これが切り口上というやつ。
「今日(こんにち)はこれ切(ぎ)り」
理由は日没やら、時間が押したためやらさまざま、
有無を言わせない打ち切りにしたのです。
これは、おとなしく退場させるため、スムーズに終わらすため、全員を想うために、わざと愛想のない型通りの文句を用いた考えられた手法やったんです。
相手の事を想うならば「突き放す」という選択もあるんやでって事ですね。大勢を相手にするような場面において、個人に「優しく、丁寧に」説明ばかりしてはいつまでも終われません。
つい相手を想って丁寧にしすぎたり、気を遣いすぎる事が逆に迷惑をかけてしまう事ってあるよねって話です。
映画館でも終了したよという視覚メッセージが下の方に表示され、幕が上っていき、電気がつく。帰ってねというメッセージになります。それでもずっと残る人には放送が鳴ったり、スタッフが来て帰るように促すという仕組み。
ライヴなどではプロが幕に引いていく。アンコールが終了したよというメッセージの為に電気が明るくなって、放送が入る。そしてスタッフが来て、帰るように促す。スムーズに帰らす為にあれだけのスタッフの人件費がかかっているんですよね。
別れ際ってのは、それだけコストがかかるし、実際難しい瞬間なのです
スーパーでも、雑貨やでも、商業施設では「蛍の光」や「別れのワルツ」を流す事によって「そろそろ帰るモードに入ってや」と促しますよね。
例えば僕は職業柄、「相談」をよく受けます。その際には、僕が必ず場所を指定させてもらっています。もちろん、色々な意味があってですが。その内の1つに「切り口上」もあります。
相談っていうのも、別れ際をしっかり意識していないとダラダラと長くなりますし、終わらないリスクも高い。なので、相談場所が僕のいる「ラボ(研究室)」であった場合は終わった時に相手に<出て行ってもらう>という必要がでてきます。
出て行ってもらうというような、<相手に行動を促す。>というのは、エネルギーや工程を要すのでこれは僕は選択しません。やから、場所を設定させてもらって相談が終わったら
「では。」
と、無機質に立ち上がってその場を去ります。相談者はお礼を言いたかったり、つい関係のない事まで聞きたくなったりと色々とあるでしょうが、それは結局、次の相談者にも問題がでるし。僕の時間も削られます。
なので、終わる時にはスパッと終われる「仕組み」を考えるのが良いのではないでしょうか。という話です(';')
世の中の事象では、どんな別れ際の仕組みをしているんやろう?
この人は別れ際、どのように別れているんやろ?
そんな風に、世の中の事象を改めて観察するのも面白いですよ♪
それでは、良い1日を(*^^*)