公社が一月に見たい演劇
梅田哲也『wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ』
12/1〜1/16(第1期)1/16〜1/28(第2期)(会場:ワタリウム美術館)
ツアー形式のパフォーマンスを行う芸術家。彼の新作個展は、私設美術館として始まったワタリウムの歴史にスポットライトを当て、美術館そのものをを主人公にしたツアー形式のパフォーマンス。1期2期で内容が変わるというが、異色の美術館を舞台にした作品気になる。
『見本市』
1/5〜9(会場:王子小劇場)
王子小劇場主催の若手ショーケース第二弾。演劇人である職員チョイスとあって、前回は全団体面白い高品質なショーケースであり、食む派、紙魚、南極ゴジラ、キルハトッテなど1年間で躍進を遂げた団体を輩出した。そして今回は
● 三転倒立 『なみだ(仮)』
● ふわふラプニカ
『出血大サービス‼︎天使の羽根もぎもぎ放題〜ただいまセール中〜』
● ちょっとはいしゃく
『ダイエッター (肉体改造クラブ-女子高生版-より)』
● タイダン 『引越し!』
● 企画山 『でかくまくべすのはなし』
● ヨルノサンポ団 『パれイドりあ』
● 山口綾子の居る砦 『ひととなりっ』
● 渋谷/もしくは/私/たち/は/何もしらない
『渋谷/もしくは/私/たち/は/何も知らないの外縁』
● あくびがうつる 『シアターで夕食を』Dinner at theater
今回も、劇団名やタイトルで多彩な雰囲気にワクワク。毎月の見たい演劇記事で取り上げたタイダン、主宰がハカランダの犬に参加しているあくびがうつる、関西で名を挙げているヨルノサンポ団、近現代の名作戯曲専門で古城十忍を上演するちょっとはいしゃく、過激な内容らしいふわふラプニカ、マクベスに怪獣を出すらしい企画山、素晴らしい劇団名の渋谷などの計9団体
複合創作ユニットwakka 最終公演
『wakkaのこゝろ』
1/11〜14(会場:サブテレニアン)
ポエトリーリーディング演劇を上演し佐藤佐吉演劇祭で賛否両論の渦を起こした劇団が解散。今回はエゴイズムの名作、夏目漱石『こゝろ』をモチーフにした作品、のはず。あらすじがアレン・ギンズバーグの舞台化に出演し最悪の体験をする女優、詩を書く高校生などの多元宇宙の話だそうで、本当に漱石であってる?クソが、というフレーズで描き出される物語とは。
多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科7期生
卒業制作演劇公演『音楽』
1/13〜14
私が面白いと思った人は大体多摩美出身。ということもあって毎年この卒業公演は注目している。今回は映画化され国内外で高い評価を得た、漫画家・大橋裕之の『音楽』を演劇化。作・演出を手がけるのは、佐藤佐吉演劇祭にも選出され注目を浴びている西﨑達磨(ザジ・ズー)。まだ大学生だったんだ。ドラムとベース二人という珍編成バンド古武術の衝動的な青春を、ロックバンド・カブトムシの生演奏で送るロック演劇。普通に、2.5次元演劇的にも注目でしょ。
老若男女未来学園『球(kyu)』
1/13〜14(会場:新宿眼科画廊 スペース地下)
2023年の神奈川短編演劇アワードに選出され、上演した『シーユーレーター』が高い注目を浴びた名古屋の若手。東京進出一発目は所属メンバー + 佐藤昼寝(昼寝企画、ex.中野坂上デーモンズ)、新山志保(盛夏火)という痺れる客演を招集。
仕事を辞め、地元に帰ってくるも友人の居場所がわからない。そんな彼と友人の回想を描いた話。ということであらすじはヒューマンドラマっぽいが本当に一筋縄で行くような内容なのか。
B子『さんぽハイ』
1/14(会場:イズモギャラリー
佐藤佐吉演劇祭を控える孤高のオルタナティブ演劇が、今年初の新作を上演。過去作と比べると陽気なタイトルだが。これは佐吉祭に向けての肩慣らしか、新年の挨拶か、演劇界の宣戦布告になるのか。
劇団さいおうば『十二人の手紙』
1/20〜21(会場:明治大学猿楽町第2校舎1階アートスタジオ)
昨年の東京学生演劇祭の王者による公演。シチュエーションコメディだが、学生離れした展開力、人物の捌き方、そして何よりも一切外さない笑いの連発。終わり方が洒落ているのもニクい。そんな次世代劇団が、井上ひさしの名作に挑む。その名の通り十二人の手紙によって構成されている作品だが、その高い構成力はいまだに読者に驚きを与える。新たな才能はどう上演するのか。
食む派『ファミリーレストランの肖像』※中止
1/24〜28(会場:こまばアゴラ劇場)
確かな技術力と新鮮な言語感覚で、次世代の現代口語劇団として注目を浴びている。今回は時の移ろいによって変わりゆく家族の姿をファミリーレストランを舞台にして描く。なるほどほのぼのしてそうじゃない、と思ったが、どうやら幻想譚らしい。上のあらすじのどこに幻想要素が?マジックリアリズム的な感じなのか?新鋭が描く家族とは。
コンプソンズ『岸辺のベストアルバム!!』
1/24〜28(会場:小劇場B1)
サブカル人間ドラマから気づいたら想像の斜め上をいく驚天動地の大スケールへ展開していく、破天荒な人気劇団。今回は名前に季節がつく三人の女性と、交わらなかったもしもの話、だそうだが。ゼッテー後半このあらすじから大気圏までぶっ飛ぶわ。
劇団あばば『paraiso』
1/24〜28(会場:中野あくとれ)
前回公演が好評で人気上昇中の若手劇団。今回は、楽園を巡る作品だそう。劇団員三人に加え12人の客演が参加。三森 麻美(ミモらランド)、澁川智代(右マパターン)小野カズマ(劇団「地蔵中毒」)などなど界隈で有名な実力派が多数参加。
劇団ド・パールシム『流れる羊』
1/31〜2/2(会場:駒場小空間)
奇妙な演劇をやるということで、見てみたいなぁと思っている若手劇団。今回はカンパ制ということで気軽に見れる。戦争疎開地を舞台にした作品だが、性的で馬鹿馬鹿しく切実な内容だそうで。
● これを書いてる公社流体力学の宣伝 ●
来年1〜3月毎月公演をします。
公社流体力学賞授賞式
1/27(会場:ときわ座)
公社流体力学が選んだ 2023年一番面白かった作品に賞金をあげちゃう。
一番面白い作品を公社流体力学でリーディングあなたが見逃した傑作をリバイバル上演。
●『大麻を吸おうよ』(令和座)
ジャンル分け不能!兄妹の愛憎と大麻の因果を描いた混沌演劇。ドラマでもナンセンスコメディでも無い、令和座というジャンルだ。
●『不安』(ダダルズ)
身体中におっさんの顔が広がるので占いへ行く。生きづらさをシュールな言語に包み毒舌の連射砲でぶっ放す。
新作公演 『上演したら死ぬ演劇』
2/17、
3/2、3/9(会場:ときわ座)
上演したら死ぬ演劇の話をオカルトライターの飯田さんから聞き、台本を入手したので上演します。でも、稽古を始めてから不自然な不幸が立て続けに起きて死に死にかけたんだけど、視界の端々に映るものがきっかけで違和感を抱く。
そもそもなぜこの作品が死ぬ演劇となったのか。
懸命の調査で明らかになった、呪いの真実とは。
三部立てでお送りする呪いの物語
第一部 上演したら死ぬ演劇
第二部 公社流体力学のマジで死にかけた話
第三部 実録、上演したら死ぬ演劇 は何故生まれたのか
売名行為なので、止める気はないですが死んだら上演しません。
ミッシェリーの魔法-1928年、ラジオジャック-』 の記録映像(配信)
これを書いている公社流体力学の最新公演に映像が配信開始されました。
東京にこにこちゃんの萩田頌豊与氏が書いた英国の劇作家ミッシェリー・K・ブラントンの伝記小説を基に、史実と誇張しすぎた歴史(フィクション)をミックス。
何故、時代の寵児となった彼女はラジオ局立てこもり事件を起こしたのか。
現実と虚構の間でミッシェリーが躍動する、レクチャーエンターテイメント。
出演者は公社だけ。どうぞよろしく。