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B子『さんぽハイ』  の感想

作・演出・出演/B子 (会場:イズモギャラリー)
温泉で乳繰り合う男女を覗き見。女の体を触る男に女は趣味の散歩の話をするが、どこかおかしい。彼女の語る場所は住んでる街には存在しない場所で

今回で見るのは3作目だが、一番強烈。
覗き見男と男女の話を主軸に様々なエピソードが入り乱れる。濁流のように奇想天外が訪れ、B子の脳みその中。無秩序に非現実的な光景が入り乱れてくる。しかし、これは女が散歩する世界の話なのか。
高いビルへ登ると女は言うが、そんなビル街には存在しないと男はいう。散歩の話をする女に男は叫ぶ 全て女の中にある街の話か。
彼女の中には街があって、その街の住人には海を部屋で飼う男がいるのか でも豆腐屋のような平和(でもちょっと不思議)な光景。そもそも、この光景を見ている覗き魔の空想ということだって考えられるし、この覗き魔も彼女の空想上の人物で本当は彼女たちは誰にも覗かれていないのかもしれない。
彼女の脳内にある幻が肉体の外へ這い出ているのかもしれないし、乳繰り合う彼女自身を客観的に見るために生み出されたのかもしれない。
個人の中にある都市、まるでジェットシティみたい。

関係ないのだが、中学生の頃通学路に見知らぬ建物が立っていていつ立ったのと驚いた。しかし、聞いてみると私が生まれる前より立っていたと云う。知らぬ間に私の中でその建物が存在しない街を作り過ごしていたのかもしれない。気づいてないだけで、皆の中に自分だけの都市があるのかもしれない。

B子『さんぽハイ』は散歩という視点から観る、個人の中の都市論かもしれない

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