KRYラジオ「大人の音楽堂」:ブラックモアズ・ナイト(2022.9.17OA)
リッチー・ブラックモアってやはりいいですよね。「DEEP PURPLE」「RAINBOW」はもちろん、自身のルーツ的(好み)の音楽をこんな形で表現させてくれました。ブラックモアズ・ナイト…16世紀のルネッサンス音楽、といっても宮廷音楽ではなく庶民の間で受け継がれ奏でられていた音楽をリッチーなりに整えたわけです。マーシャルアンプとストラトキャスターのハードなサウンドから一転、穏やかで繊細なクラシカルなアコースティックなギターが全編に響きます。キャンディス・ナイトのヴォーカルも無理がなく独特の世界観を作ります。この方は歌以外に昔からある「笛」やパーカッションほか様々な楽器もこなしますね。服装も含め、ヨーロッパ中世のおとぎ話を感じます。可能ならば是非ライブ映像を観ていただきたい。
サウンドは全編でアコースティック・サウンド。しかし、多くのミュージシャンが奏でるブルースをベースにしたものでもなく、本来エレクトリックだったものをアコースティックに変えるだけのアンプラグド的な安易なものでは全くなく、非常に心地よいものです。そして、各楽曲の存在感…やはりそこは「楽聖」リッチー・ブラックモアロックの命でもある「リフ」のクオリティーが光ります。そしてすばらしいギター…クラッシックをベースにした多くのギターヒーローがいますが、こういうアプローチは他のギタリストはほとんどしてないのではないでしょうか?
自分は大学で音楽を講義したりしていますが、このブラックモアズナイトを聴かせたことがあります。日頃は日本や韓国のポップ・ミュージックやアニメソングを聴いている20歳前後の学生がとても興味を持ったことがありました。なんかうれしかったですね。リッチー・ブラックモアの古くからのファンは彼のハードなものを好むのでしょううが、このブラックモアズナイトを聴いてほしい。勿論多くの方に…一度でなく何度も繰り返して聞くと、その少し不思議な世界にリラックスできることでしょう。
次回は一家に一枚。歴史的名盤「デレク・アンド・ザ・ドミノス」唯一のスタジオレコーディングアルバム「いとしのレイラ」です。お楽しみに。
今回オンエア
SHADOW OF THE MOON
UNDER A VIOLET MOON
GREENSLEEVES
SELF PORTRAIT
GHOST OF A ROSE
THE CLOCK TICKS ON