進化の乏しい英語の発音指導
アメリカ英語の発音には、イギリス英語やオーストラリア英語には無いいろいろな特徴があります。
例えば、アメリカ英語の音声には独特の響きがあります。
ʃ や tʃ の呼気には勢いがあります。
また、音声変化も他国の英語には無い独自のものがあります。
そして、日本語とは、個々の発音の調音位置が違っています。
さらに、日本語には無い発音が多数あります。主な特徴だけでも以上のようなものがあるのです。
そのため、大学教授を始めとする、学習者に発音を指導する立場の人たちは、何とかしなければという思いで、工夫を凝らしながら指導しているようですが、一向に改められるわけでもなく、昭和の時代から引き継がれている旧態依然の発音指導を踏襲しているというのが、今現在 行われている発音指導の実態です。
何度も言いますが、アメリカ英語の発音を英語学習者の誰もが確実に身に付けるには、必ずしなければならないことがあるのです。
それにもかかわらず、誰一人そのような重要なことに気づくことなく、“腹式呼吸しなさい”、 “喉発音をしなさい”、 発声器官の“筋肉を鍛えなさい”などと発音の習得に長い日数が必要な方法を推奨し、学習者に大きな負荷を掛け続けているのです。
英語の発音で、最も重要な役目を担っている発声器官は何処だと思いますか?
実は、舌なんですよ。舌をアメリカ英語を話す人たちと同じ状態にしておいて発音することで、英語の発音は簡単に確実に、そして何よりも (完全に日本語にない f vやθ ðを除いた)すべての発音を、まとめて身に付けることができるのです。
これまで、舌と言えば、位置や形状だけが取り出たされて、状態は、ないがしろにされてきました。
“舌の状態”と言っても分かりにくいですが、舌に力を込め、舌の後部を盛り上げておくということです。
舌を上記のようにしておいて発音することで、音声の響きや呼気の勢いはアメリカ英語と同じようになります。
そして、日本語の調音位置が自動的にアメリカ英語の調音位置に移動します。そのため、アメリカ英語の発音をまとめて身に付けることができるのです。
さらに、アメリカ英語の音声変化も自然に発生します。
つまり、発音全体がアメリカ英語の発音になるというわけです。
舌の後部を盛り上げるには、
✦下の前歯を上の前歯よりも前に出す。
✦アゴの関節を下にさげる。
✦舌の付け根に力を込める。
✦舌の後部を喉の奥に引き込むようにする。
✦舌の後部に力を込める。
以上の内のどれか一つに、強い力を込めることで、舌の後部が盛り上がります。
なお、この発音に慣れてくるに従って、下の前歯の位置は上の前歯と同列に、あるいは上の前歯よりも内側になってきます。
日本語の“イ”の発音の構えをすれば、舌の後部は盛り上がりますが、この場合 舌に力が加えられていないため、アメリカ英語の舌の状態にはなっていません。
今日は この辺りで終わります。