なぜ、日本式の舌で発音指導をしてはダメなのでしょう(前)
英語の発音を指導しているすべての方と、本気で英語の発音を身に付けようとしている方 必読。
日本語の発音の仕方と(アメリカ)英語の発音の仕方は、根本的に違っています。
どこが根本的に違っているのかと言いますと、舌です。
舌の状態が違っているのです。舌の位置や形状ではなく、舌の状態が大きく違っているのです。
それにもかかわらず、この重大な違いに、指導者も学習者も全く気付いていないのです。
そのため、英語学習の基本中の基本と言われている発音の習得は困難を極め、日本人の英語力(リスニングとスピーキング)は昭和以降、中国や韓国に大きく引き離され、両国は世界の中位辺りにいるというのに、私たちの日本は最下位グループから抜け出せない状態が続いているのです。
英語の発音を身に付けるには、まず英語ネイティブの人たちの発声時の舌がどのような状態になっているのか、そして それが私たちが日本語を話すときの舌の状態とどのように違っているのかを知る必要があります。
しかしながら、これまでの発音指導や発音教本では、舌の位置や形状の説明はあっても、舌の状態の違いについての説明は 一切なかったのです。
舌の状態とは、発声時の舌への力の込め具合ということです。
私たち日本人は日本語を話すとき、一切舌に力を込めません。(これは中国人も韓国人も同じです)
そして、殆どの日本人は、英語も日本語と同じように舌に力を込めることなく話します。(これも同じようなものですが、中国語や韓国語は子音が独立しています。また、彼らは大きな声で話します。そのため、彼らの英語は、ボソボソという感じで話す日本人の英語よりも よく通じます)
また、中国人や韓国人は当たり前にできるのに、殆どの日本人にはできない発音があります。
それは、ə:とɑ:の区別です。これは日本人の発音の致命的な欠点ではないでしょうか。
舌に力を込めないで発音する東洋系の言語と違い、英語は舌に力を込め、あるいは アゴの関節を下にずらして舌の後部を盛り上げ、舌と軟口蓋の間を狭くしておいて発声する言語です。
このことは、英語の発音を容易に、そして確実に身に付けるためには絶対に知っていなければならない最重要事項です。
このことを知っているのと知らないのとでは、その後の発音の習得に大きな差が出てきます。
舌の後部(奥部)を盛り上げ、舌と軟口蓋の間を狭くしておけば、英語の発音は学習者の誰もが簡単·確実に身に付けることができるのです。
なぜなら、それが英語ネイティブの人たちが英語を話すときの舌の状態と同じだからです。
さらに言えば、舌の状態を上記のようにすることで、日本語の個々の発音の調音位置が、自動的に英語の発音の調音位置に移動するのです。
例えば、英語の[ i ]の発音は、これまで日本語のイとエの中間の音だと言われていました。
ところが、舌の状態を上記のようににしておけば、日本語の感覚でイと発音しても自動的に英語の[ i ]の発音になるというわけです。
つまり、[ i ]の発音をイとエの中間の音だということを意識しなくても、正確に[ i ]の発音ができるということです。
現状の発音指導、発音学習では、いつまでたっても中韓に追い付くことなどできません。
ところが、舌の状態を英語ネイティブと同じようにしておいて発音することで、英語の発音は一気に(約3時間で)身に付くのです。
とても単純な話なので信じられないかも知れませんが、一度 試してみる価値はあるのではないでしょうか。
英語のア系母音(日本人にはアまたはアーと聞こえるə,ʌ,ɑ,ə:,ɑ:,ɚ)もここで付け加えておきます。
日本語のアは、発音も表記も一種類しかありません。
ところが、英語には二重母音や長母音、それにr音性母音を合わせると9種類のアやアーがあります。
しかしながら、この9種類のアやアーの発音には、英語の舌で発音してみると、思わず納得してしまうような抜け道があったのです。
詳しくは次回(後)で。
今日は、この辺りで終わります。
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