日本人がアメリカ英語の発音ができないたった一つの理由
アメリカ英語の発音ができる日本人はたくさんいます。
そして、アメリカ英語の発音を指導する人は、日本人だけでなくアメリカ人やカナダ人を含めると、かなりの人数になります。
ところが、アメリカ英語の発音を指導する人たちは、発音の核心の部分の指導を避け、学習者を発音の核心部分から遠ざけるように、遠ざけるようにしながら発音を指導しているのです。
これは、意識して遠ざけているということではなく、ネイティブを含む発音指導者全体が、アメリカ英語の発音には、発音の核心部分というものがあることに気づいていないのです。
そのため、日本の英語学習者に対する発音指導では、この部分がスッポリと抜け落ちてしまっているのです。
これが、このことこそが日本の英語学習者がアメリカ英語の発音を難しく捉えざるを得ない根本的な原因になっているのです。
それにもかかわらず、発音指導のプロの人たちは、このことに気づいていないのです。
アメリカ英語の発音の核心の部分とは、どの部分のことなのでしょうか。
核心の部分については 一昨日の投稿で述べた通りですが、アメリカ英語の発音を習得するためには大切なことなので改めて詳しく記述します。
アメリカ英語の発音の核心の部分、核心の部位とは、舌のことです。
私たち日本人は日本語を話すとき、一切 舌に力を込めません。
英語を話すときも、日本語のときと同じように話します。(実は、発音を指導している人たちは、このことにも気づいていないのです)
これに対し、アメリカ英語を話す人たちは、舌に力を込めて
舌の後部(奥部)を盛り上げ、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)が垂れ下がった状態で話します。
舌のどの辺りに力を込めているかと言いますと、彼(彼女)らは舌の付け根辺りに力を込め、あるいは両耳の前の頬の部分の内側にあるアゴの関節を下げておいて発音しているのです。(アゴの関節を下げても舌に力が加わるのです)
このようにすることにより、舌の後部(奥部)が盛り上がります。
すると、上顎の奥の軟口蓋の先端に付いている口蓋垂(いわゆるノドチンコ)にも力が加わり、口蓋垂が固定した状態になります。
この、舌や口蓋垂の状態が、アメリカ英語を発音するときの舌のhome positionだということです。
この、舌のhome positionこそ
が、アメリカ英語の個々の発音の中で、最も多く発音されている曖昧母音(ə)の調音位置だということです。
口蓋垂に力が加わり、口蓋垂の動きが固定、あるいは制限されるということがどういうことかと言いますと、通常 口蓋垂は鼻音のm,n,ŋを発音するときだけ垂れ下がった状態を維持し、m,n,ŋ以外の発音のときにはピョコンと跳ね上がって咽頭壁にくっ付き、鼻腔への音声の侵入を阻止する役目をしています。
ところが、アメリカ英語では、常に口蓋垂は垂れ下がった状態になっているのです。
アメリカ英語を話す人たちの
音声が鼻音化しているのは、上記のようなプロセスを経ているからです。
私たち日本人がアメリカ英語の発音を正確に、確実に、そして まとめて身に付けるには、舌の状態、舌の位置や形状ではなく、舌の状態を上記のようにすることです。
私たちの舌の状態を、アメリカ英語を話す人たちと同じ状態にしておいて発音すれば、私たちの発音も、呼気が強くなり 音声が鼻音化し よく響くようになります。
さらに、私たちにとって とても嬉しい次のような現象が自然に起きます。
その現象とは、私たちの母語の日本語の発音の調音位置が、自動的にアメリカ英語の発音の調音位置に移動するということです。
今日は、これで終わります。
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