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心理学検定キーワード第1章【原理・研究法・歴史】1.20-(ゲシュタルト心理学)★★★

ハム園、ムロ心、、ゲシュタルト崩壊

読書が好きな私は、何時間も本を読む事がありますが

ある瞬間に、文字が固まりとして認識できなくなる時があります。

疲れてるのか、集中が切れてしまってるのかわかりませんが。

公園という字がハム園になったり

怠るという字がムロ心になったりと、感じとしてのまとまりが崩壊し

構成要素に分解され、よくわからない状態になるのです。

それ以外にも、まとまりは保っているものの、そもそもそんな漢字やったっけ?

って形の認識が危うくなることもあります。

いわゆるゲシュタルト崩壊というこの現象は

未だに謎が多い知覚に関する現象です。

本日は、このゲシュタルトに関する心理学

ゲシュタルト心理学についてまとめていきます。

他の心理学に影響を与え、今日ではビジネスやデザインでも取り入れられる事があるゲシュタルト心理学

知ればとても為になりますよ。

それでは、本日もまとめの方はじめていくぅー!!


→ゲシュタルト心理学の考え方と2つの学派について

まずはゲシュタルト心理学が発生した流れについて

心理学者ヴントが、心理学に科学的な手法を取り入れた実験心理学を確立したことによって

心理学が一つの学問として独立しました。ヴントは、実験によって心(意識)を構成する要素の抽出を試みた人です。

ヴントの考えを心理学者ティチナーが引き継ぎ、心を最小単位の要素に分解し、その要素から心を解明する構成主義心理学が生まれました。

このことから、心(全体)は構成要素の総和(まとまり)からなるとする立場を、還元主義または要素主義と呼ぶようになりました。

この流れをベースにして

まず、ゲシュタルトという用語をつかって論文を書いた人が出てきました。

「ゲシュタルト質について(1890)」を発表した

エーレンフェルス(Ehrenfels,C.)です。

彼は音楽を題材にしました。

音楽で曲のキーを変えても同じ曲だと知覚できる現象を取り上げました。

確かに、カラオケでキーを変えると一つ一つの音自体は変わってしまいますが曲自体は全く問題なく同じ物として認識してますもんね。

このことから

メロディー(曲)は1つ1つの音の集まりだけではなく、全体としてのまとまりで知覚していると考えて、そのまとまりの事を

ゲシュタルト質とよんだのです。

エーレンフェルスの考えは、オーストリアグラーツ大学を中心に起こったもので

グラーツ学派とよばれています。


一方でこの問題に対して、より実験的なアプローチを試みた人がいました。

ドイツ(出生はチェコ)ベルリン学派の心理学者である

ヴェルトハイマー(Wertheimer,M.)です。

今日の映画やアニメの原理、また踏切の赤色灯にみられる現象(仮現運動という)を発見した

すごい人です。

そしてこの人がゲシュタルト心理学の創始者と言われています。

仮現運動の例として、アニメを取り上げようと思うのですが

そもそも、アニメはどうやって作られるかというと

静止画像を何枚も短い時間間隔コマ写しにすることで滑らかに動いているというものですよね。

このこと自体はヴェルトハイマーの前から知られていた事ですが

より、細かく条件を区切ってより滑らかに動く最適な時間間隔をみつける事に成功しました。

最適な時間間隔の時のみ滑らかに見える、この現象の事を

ファイ現象と呼びます。


エーレンフェルスグラーツ学派

ヴェルトハイマーベルリン学派

それぞれの実験からの考え方の違いは何か?

グラーツ学派では、心は要素の総和にゲシュタルト質が加わったものと考えましたが、要素が集まってゲシュタルト質が発現するという要素主義的な考えはのこっていました。

ベルリン学派では、心は要素の総和とは異なり分解できないとする立場をとりました。この考えは、全体論またはホーリズムといいます。


→ものがどのようにまとまって見えるかの法則

ヴェルトハイマーのいたベルリン学派で提唱された

プレグナンツの原理(法則)が有名です。

きっかけはヴェルトハイマーが自分のイニシャルである

MとWを重ねて刺繍すると

文字が認識できなかった体験から始まりますw。

何でこんな事したのかは謎ですけど、実際にペンで書いてみたら

全く何か解らなくなりましたw

こういった現象を色々と調べていくと

私たちがまとめて知覚する時の隠れた要因がある

というのを見いだしました。

それが、ゲシュタルト要因(ゲシュタルトの法則ともいう)です。

プレグナンツの原理を具体的に示すものです。

どんなものがあるかというと

《近接の要因》近いものどうしの集まり。下の◯は2つずつのまとまりになります。

◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯  

《類同の要因》性質が同じものどうしの集まり。下の図では色でまとまる。

◯◯🔴🔴◯◯🔴🔴

《閉合の要因》線閉じるように認識される。かっこがひし形にまとまってみれる。

><><><><><><

《連続の要因》曲線連続して認識される。下のファイは円と線に見えて半円が2つあると認識はしない。

Φ

それ以外にも色々とありますが、上記が基本になるのでまずはこちらを抑えておいてください。


→恒常仮定の否定が中心的な考え方

ゲシュタルト心理学での中心的な考え方の中に

恒常仮定の否定

というものがあります。

恒常仮定とは何?って事ですが

ケーラー(kohker,W.)が使った用語で

特定の感覚器官に対して一定の刺激を与えれば,必ずそれに対応する一定の性質,強度の感覚が生じるとする仮定(コトバンクより)

の事をいいます。

この考えはゲシュタルト心理学以前の

要素主義の主張であり,一定刺激と一定感覚が1対1の恒常的な関係であるというこの考え方では

知覚における恒常性対比現象など説明できない現象があるとして否定しました。

因みに

恒常仮定恒常性では恒常の内容は全く違うので分けて考える必要があります。


→ケーラーとレヴィンに影響を与えたゲシュタルト心理学

といっても

ケーラー(kohker,W)ヴェルトハイマー仮現運動の実験にも参加していますし、影響もクソもヴェルトハイマーと並ぶくらいのレベルの人です。

「全体は部分の総和とは異なる」という主張をしたほか

心理物理同型説

「ものがまとまって知覚されるのは、知覚体験に対応するように脳内の仮定が生じているため」という考えを提唱しました。

また、ケーラーで有名なのが

チンパンジーを使った洞察学習です。

アフリカで類人猿研究所の所長をしていた時にチンパンジーの課題解決行動を観察しました。

高いところに吊るされたバナナを取る為に

箱に上ったり、箱を重ねて高さを出したり

棒を使ったり、棒をくっつけて長くしたりなど

道具をうまくつかい、また自分で工夫して道具をつくるなどの行動が観られました。

これは単にあれやこれや試行錯誤的に行動しているのではなく

その場での手段と目的が洞察されたとケーラーは考えたのです。


一方レヴィン(Lewin,K.)

集団力学(グループダイナミクス)という領域を発展させました。

これは物理の場理論を人に当てはめた集団力学

人々の環境における配置などが個人の行動に影響をあたえる

という考え方をベースにして

集団において、人の行動や思考は、集団から影響を受け、また、集団に対しても影響を与えるというような集団特性がある

と考えました。


本日はゲシュタルト心理学についてまとめました。

いかがでしたか?

明日も重要な★★★星3つの「社会心理学」!

沢山の用語、人物でてきますので要チェックです!

まだまだ、説明が浅い部分もあるかもしれませんが、少しでもイメージしやすいようにこれからも頑張って行きますので

是非、好きとフォローお願い致します。

それでは、次回のまとめで。








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