![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67646644/rectangle_large_type_2_2da5cd4e66435d09363aacc07a400630.png?width=1200)
心理学検定キーワード第4章【社会・感情・性格】4.5(帰属過程)★★
要は何のせいにするのか?
原因帰属については4.1で軽く触れた部分がありますが
結果の原因を推測して判断することをいいます。
さて、以下の原因帰属に対して、どのようなイメージを持たれますか?
①あらゆる原因は全て自己責任。
②成功は自分の能力と努力、失敗は環境と他人のせい
③成功はすべて支えてくれた人のおかげ、失敗は全て自分のせい
④すべて神が決めたこと
⑤すべて自分以外のせい
⑥誰の責任でもない。無。
これ以外にもあるかもしれませんが、さて、あなたの考え方はどれが一番近いでしょうか。
一般的には③あたりが、一番見栄えはよさそうですねw
一方、⑤とかは非常に印象悪そうです。
①はちょっと厳しすぎな気がしますし
④と⑥はちょっと怖いですねw
こんな感じで原因の帰属については人それぞれありますし
必ずしもこうじゃないとダメ!ってこともないと思っています。
さて、本日は帰属過程ということで、上記の原因の帰属についての理論をまとめていきたいと思います。
それではまとめの方はじめていくぅー
→そもそも帰属とは?ハイダーの素朴心理学
帰属といってますが、そもそも帰属って何なんって話です。
帰属というのは
自分や他人の行動の原因を推測して、その推論から自分や他人の中にある特性や属性を推論する過程
の事をいいます。
この考えは
オーストリアの心理学者ハイダー(Heider,F)が最初に提唱したもので
素朴心理学という立場をとりました。
素朴心理学とは
人々が日常に起こったことをどのように認知したり解釈したりするかという視点でその過程を明らかにする学問分野です。
帰属理論の発展に大きく貢献した基礎となる学問となりました。
→内的帰属と外的帰属、ケリーのANOVAモデル
原因については様々な要因に求めることができますが大きく
・内的帰属:内部要因(性格や能力などの内部)に求める
・外的帰属:外部要因(他人の行動や環境などの外部)に求める
に分けることができます。
ケリー(Kelley,H.H.)のANOVAモデルでは共変原理を基礎とした原因帰属の一般的モデルで
以下3つの情報とを収集し、対象、人、時のいずれと結果が共変するかに基づいて帰属が行われます。
・合意性情報:その行動がどれだけ一般的か
・一貫性情報:いつもその行動が生じるか
・弁別性情報:他の刺激と区別してその行動が生じるか
の3つです。
共変という言葉は物理(ベクトル)で出てくる用語で非常にわかりづらい説明しかありませんが
ここでいう共変の意味は
「行動とともに存在する」と考えてもらったらいいと思います。
ケリーは共変原理の他にも
割引原理、割増原理という原因帰属の原理を示しました。
紹介だけしておきます。
→自己帰属とベムの自己知覚理論
自己帰属とは
自己の行動やその結果について原因を推測する過程の事をいいます。
帰属のうち、自己に限定したものです。
自己帰属を説明した理論で有名なのが
ベム(Bem,D.J.)の自己知覚理論です。
この理論は
「自分の行動とその際の状況を手がかりにして自己の内的状態を知るのであって、帰納的には他者の内的状態を知る際の過程と同様である」というものです。
人は通常、他人の行動からその人の態度や性格を推論しますが
自己ついても同様に、行動やその状況といった外部的な手がかりから自己の内的状態を推論することがあります。
街で道に迷って困っている人を助けた自分について
改めて「私は人に親切なところがある」と思うなどがこれにあたります。
自己帰属理論で説明できる現象として
過剰な正当化:過大な外的報酬によって好きな活動の魅力が低下してしまう事。内発的動機づけが低下するものです。
情動の錯誤帰属等:吊り橋効果などの情動の帰属で間違ったラベリングをしてしまう事。
があります。
→基本的な帰属の誤り
帰属を行う過程で
一般的に他人の行動の原因を推測する場合、個人の内部にある要因を重視して、状況的要因をあまり見ない傾向があります。
これを基本的な帰属の誤りといいます。
そのほかにも。
行為者‐観察者の帰属の相違
→同一の行動に対して、行為者として自分の行動の原因を考えるときには、状況の影響力も考慮する一方で、観察者として他者の行動の原因を考えるときには、行為者の性格や能力のような内的特性を重視しやすい傾向をいいます。
自己奉仕的帰属(セルフサービングバイアス)
→自分の成功は内的要因に帰す一方で失敗の原因は外的要因に帰する傾向
等があげられます。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・帰属という考え方を最初に提唱したのはハイダー
・ハイダーは素朴心理学の立場をとっている
・ケリーはANOVAモデルの提唱者
・ケリーは共変原理、割引原理、割増原理という原因帰属の原理を示している
・ベムは自己知覚理論の提唱者
・自己知覚理論で、過剰な正当化や情動の錯誤帰属を説明することができる
・他者の行動を内部要因に求め、状況的要因をあまりみない傾向を基本的な帰属の誤りという
以上、本日は帰属過程についてのまとめでした
次回はステレオタイプについて
それではまた次回。