心理学検定キーワード第4章【社会・感情・性格】4.11(集団のダイナミズム)★★
群れるという事について
社会的な行動を形成するには
一人だけでどうにかすることは非常に難しい事です。
一般的には、保育園から高校卒業までの約15年ほどは
集団生活をしてその中で関係性を自ら学んでいくという流れです。
勿論、集団の中に属していても、その中でどう過ごすかは人それぞれで
ある人はリーダーシップをとって集団をまとめようとしますし
またある人は極力人と関わらないように自分の世界で生きようとします。
どちらも何も問題無いと私自身は感じるのですが
どうも、世間というか社会の流れ的には
集団の中でイニシアティブをとり、リーダーシップを発揮して人を動かすことのできる人が評価されます。
正直これは私は、私はですよwどーなの?って思っています。
さて、本日の内容ですが、集団のダイナミズムという事で
まさに集団のお話です。
経営学でも出てくる非常に重要なテーマになりますのでしっかりキーワード抑えていていただけたらと思います。
それではまとめの方はじめていくぅー
→集団に関する様々なキーワード
集団というのは
人や物が集まった一つのまとまりの事で
様々な種類のものがあります。
・公式集団
・非公式集団(インフォーマル組織)
・準拠集団
・成員性集団
・永続的集団
・一時的集団
等です。まずは名前だけでもしっておきましょう。
人は複数の対人関係から集団を形成し、行動の基準を与えられます。
つまり、人の行動は集団によって決まるわけです。
一般に、個人と個人、個人と集団、集団と集団の関係から社会的行動が展開されます。
集団の中にいる成員の社会的な関係は
各成員の地位や役割に基づいて進められます。
会社であれば社長は社長としての地位と役割がありますし
社員もその部署ごとの役割が存在するわけです。
ここで、地位と役割の言葉の意味についてですが
・地位:社会的な序列
・役割:期待される行動様式
とされています。
集団が集団として機能するためには
成員がすぐに抜けたり勝手に入ってきたりなどされると困りますw
ですので、集団にとどまらせるようにしないといけません
それを集団凝集性といいます。
集団凝集性は
・集団活動の目標
・活動自体の魅力
・リーダーや成員の魅力
等があげられます。
また、集団内には共通の考え方や行動様式を設定する必要があり
それを集団規範といいます
→リーダーシップについて
リーダーシップというのは
集団の目標達成のために、ある成員が他の成員の行動に対して積極的な働きかけをする過程のことをいいます。
このようなリーダーシップの理論で有名なものがありますので是非おさえてください。
まずは三隅二不二(ミスミジュウジ)のPM理論です
PM理論はリーダーシップの機能を集団の基本的機能に対応させて
・集団の目標達成(performance;P)機能
・集団維持(maintenance;M)機能
から捉えてリーダーが各機能をどの程度もっているかで下記の4つの類型に分類します。P(成果〇)とp(成果▲)、M(人望〇)とm(人望▲)の組み合わせです。
この図から
PM型:目標を達成する力があると同時に、集団を維持する力もある
Pm型:目標を達成する力はあるが、集団を維持する力が弱い
pM型:集団を維持する力はあるが、目標を達成する力が弱い
pm型:目標を達成する力も、集団を維持する力も弱い
に分けることができます。
次に有名なのが、フィードラー(Fiedler,F.E.)の条件即応モデルです。
このモデルは
作業集団内で最も好ましくない成員への感情的な許容性を測定するLPC(Least Preferred Co-worker)得点を求めて、これを個人の基本的な目標あるいは欲求の階層を表す指標とするものです。
ポイントとしては
LPC尺度が高いリーダー(高LPC)、もしくは低いリーダー(低LPC)のスタイルが状況によってどう成果として現れるか
そして関係性を表すグラフがあるのでそれも抑えることができれば大丈夫でしょう。
下の図を見てください
まず、リーダシップのスタイルについて
高LPCリーダーは望ましくない人間に対しても寛容で、配慮もしますし良好な人間関係を維持しようとしますので
【関係動機型】【人間関係志向型】【人間中心型】と呼ばれます。
また、高LPCリーダーシップが成果を最も発揮する状況は
良くも悪くもない普通の時です。これが重要!
あまり波風が立たない状況なら高LPCリーダーの力を十分に発揮し成果を大きくすることができます。
一方、低LPCリーダーは望ましくない人間に対しての許容度が低く、支配的で統制的な特徴を持つ為
【課題動機型】【タスク志向型】【仕事中心型】と呼ばれます。
また、低LPCリーダーシップが成果を最も発揮する状況は
良い、悪いがハッキリしている時です。
極端に人間関係が良い時と悪い時、作業が単純な時と複雑な時などは低LPCのリーダーの力を十分に発揮し成果を大きくすることができます。
→集団決定と集団分極化
集団決定を行う際に、個人の決定よりも初期の態度で優勢であった傾向がより極端な方向(成功の可能性は低いけれども得られる利益が大きい)という結論に向かう事があります。
このことを集団分極化(集団極性化)といいます。
集団分極化はジェームズ・ストナー(James Stoner)が見出したといわれています。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・集団には地位や役割が存在する
・集団はさまざまな種類がある
・成員を集団にとどまらせる作用を集団凝集性という
・集団内の成員に共通する考え方や行動様式を集団規範という
・集団の目標達成のために、ある成員が他の成員の行動に対して積極的な働きかけをすることをリーダーシップという
・三隅二不二はPM理論を展開した
・Pはパフォーマンスで目標達成機能
・Mはメンテナンスで集団維持機能
・フィードラーは条件即応モデルを展開した
・高LPCリーダーは関係動機型、人間関係志向型、人間中心型
・低LPCリーダーは課題動機型、タスク志向型、仕事中心型
・高LPCは波風のたたない普通の状況で成果を発揮する
・低LPCは良い、悪いがハッキリした状況で成果を発揮する
・集団決定を行う際に集団分極化が起こる傾向にある
以上本日は集団のダイナミズムについてでした。
リーダーシップ理論の部分は頻出ですので是非しっかりとおさえていただきたいところです。
次回はマスコミの影響について
それではまた次回。
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