心理学検定キーワード第4章【社会・感情・性格】4.8(共同と競争)★★
徒競走はいつも1位
足が速かった私は
小学校の6年間、そして中学高校とすべての徒競走において1位を譲りませんでしたw
高校ではサッカー部でしたが、陸上部のジュニアオリンピックに出た短距離の選手とも互角(相手は多分8割くらいの力でしょうw)でした。
なので、走るという競争においては私は優れていた訳ですが
それ以外の、サッカー自体、勉強自体は競争に見事に敗れておりますw
今となっては全く走れないおじさんですが、また気持ちよく走ることができたらいいなと思う次第ですね。
さて、本日の内容は
協同と競争について
有名な囚人のジレンマというワードもでてきます。
それでは、まとめの方始めていきましょう。
→共同と競争とは
協同というのは
複数の個人が力を合わせて一つの目標を達成するものです。
この時生じるのは促進的(協力的)な相互依存関係となります。
一方、競争というのは
複数の個人が一つの目標を達成するために競い合い
誰かが目標を達成してしまえば、他の人は目標を達成できないものです。
この時生じるのは妨害的な相互依存関係となります。
オリンピックの金メダルは一人だけのものです。
3人頑張ったから今回は全員金!とかないわけですw
→上位目標とジグソー学習法
集団内や集団間で共同状況を設定する事によって
好意的な人間関係が形成される事があります。
例として
ムザファ・シェリフ(Sherif,M.)とキャロリン・シェリフ(Sherif,C.W.)夫妻による
ロバーズ・ケイブ実験というものがあります。
野外キャンプに参加させた子供たちを2グループに分け
まず、グループに対立が生じるよう競争的なスポーツやゲームを行ってもらいました。
すると、相手集団に対する攻撃的な言動や、喧嘩等の行為が見られました。
次いで協力せざるを得ないような状況におき、上位目標が設定されると
協力的な行動が発生し、相手集団への敵対的感情が無くなっていきました。
ここで上位目標というのは
複数の集団の目標を超えた高いレベルの目標の事で、その達成には集団同士の協力が必要なものをいいます。
もう一例としては
アロンソン(Aronson,E.et al.)らが開発した
ジグソー学習法です。
①最初のグループ学習でそれぞれのグループで各パートを勉強し知識、スキルを習得します
②次にグループを組み替えて、各パートを勉強した者同士を一人の専門家として構成します。
こういう状況ですので
・①で学んだ事を②で専門家として伝える必要がある為、しっかり学ばないと迷惑をかける→ちゃんと気合入れてやる。
という事になります。
※ジグソーパズルのように各パートが組み合わさった時に効果を発揮するもので、実際にジグソーパズルを使ってやる学習法ではないですw
→囚人のジレンマと社会的ジレンマ
協力する(共同する)か競争するかの選択が可能な場合はどうなるのでしょうか?
いわゆる混合動機型という状況においては
双方が協力→双方が高い利益を得る
自分だけが得をしようとする→結局双方が損をする
という状況になります。
こういった場合、集団の利益を優先させるか、個人の利益を優先させるかの選択を迫られます。
代表的なものが囚人のジレンマというものです。
同じ事件の2人の容疑者の立場について
上記の条件で刑が確定する場合
どれを選択するのが葛藤するという事です。
どちらも黙っていれば刑は1年で済みますが
自分が正直に自白して、相手が黙っていれば刑は免れますw
一方、自分が黙っていて相手が自白してしまうと10年間の懲役刑です
※二人申し合わせて黙秘しようなとかは無しですw
多数の人が自分の利益を優先してしまうことで
社会全般として好ましくない状況が生じます。
もちろん、社会的に各々が利益を求めること自体は許されてはいますが
一斉に多数が利益を求めてしまうと社会全体として好ましくない事態が発生してしまうのです。
このような葛藤状況を社会的ジレンマといいます。
社会的ジレンマの定義としては
「個人の合理的な選択」が、その「集団全体の最適な選択」とはならず、乖離が生じるジレンマの事です。
例としては先ほどの囚人のジレンマの他にも
通勤するのに家から自転車で行くととても便利でラクチンだけど、みんなが同じように自転車を使ってしまうと、駅周辺に放置自転車があふれてしまい混乱を招く
といったことや
社会問題となっているいじめについて
目の前で起きているいじめを止めることで、今度は自分が標的になるかもしれないという自己の利益の追求から、傍観者になり
よりクラスのいじめを助長する結果になる
といったことがあります。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・共同は個人が一つの目標に向かって行動すること
・競争は競い合い目標達成者以外は達成できない状況のこと
・シェリフ夫妻のロバーズケイブ実験によって上位目標による協力的な行動がみられた
・アロンソンによるジグソー学習法
・社会的ジレンマの例として囚人のジレンマがある
・その他の社会的ジレンマの例ではいじめなど
以上、本日は協同と競争についてでした
次回は攻撃についてです
それではまた次回