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吉田東通の定食屋

吉田東通には学生向けの定食屋がいくつもある。といっても吉田東通とはなんなのかというのをまずは説明すべきだろう。

吉田東通というのは京都大学の南キャンパス側にある、東大路通から一本はずれた細い路地のことで、昭和の昔ながらの雰囲気を今なお残している。

自分のいた研究室が百万遍の方のメインキャンパスではなく、南キャンパスだったので百万遍よりも吉田東通の方が私にとっては思い出深い。

通りには昔ながらの銭湯やらラーメン屋やらがポツポツと点在しているのだが、個人的には吉田東通といえば定食屋だ。

よく通っていたのは平安食堂とキャラバンという店で、どちらも定食が昼夜問わず600円くらいで食べれたと思う。キャラバンは本当に学生向けのボリュームある料理、平安食堂は若干健康を意識したバランスのとれた料理で、その日の気分に合わせて使い分けていた。

思い出せば、私が京都に来て初めて行った定食屋も吉田東通だった。たしか第三食堂という名前の店で、じゃあ第一と第二はどこなんだという話だが、それは結局分からずじまいだった。

吉田東通をまっすぐ降ると、平安神宮に行き着く。
何も用事がない日はのんびりと何もない通りをただ歩いているだけで楽しかった。

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