人口減少時代の再開発
先日図書館で借りた本
人口減少時代の再開発: 「沈む街」と「浮かぶ街」を 読みました。
今時の街の再開発ってタワマンばっかりでうんざり。もうタワマンはいいよ💢って思ってるんですが、タワマンが現状の最も簡単な解決策なのだということがこの本を読んでよく分かりました。
考えたら分かることかもしれませんが、要するに自分たちの手出し無しで街を再開発するにはタワマンがもってこいなのですね。
個人の店や家を潰して新しく大きなタワマンを建て、地権者は分け前として提供した土地に見合うタワマンの床がもらえます。行政の施設も入り、上にオフィスや住居も入れることによって国や市町村の補助金と、賃料、住宅販売等でペイするという算段。地権者は元々の家と土地を諦める代わりに、お金を払わずに新しくなった施設の床がもらえるってことです。さらにタワマンを1つ建てれば、限られた土地の中で高く住宅を積めますから、一気に人口が増えて、税収増も見込めるみたいです。
再開発するにあたって、今ある古い建物を個人個人で新しくできれば景観というか街並みを崩さずに、街を新しくできるんだけど各人にそんなお金がないからタワマンにしてしまうという解があらゆる場所で導き出されまくっているんですね。
湾岸エリアとか、タワマンばかりの街ならもうそれで全然いいと思うけど、これを全ての街でやるのはもったいないと思ってしまうよね。
例として本書では秋葉原が取り上げられていました。実際地権者の中で反対派の人もかなりいるみたいでそれでまだ決まってないとか書いてありました。秋葉原らしさが失われてしまう、と。わたしもそう思います。
個別で建て直すってそんなに無理な話なのでしょうか。この話ってほんとに駅前の区画のことだと思うから、秋葉原大好きな大金持ちに買い取ってもらって再構築とかしたらどうですか?(適当)
でもやっぱりみんな土地は売りたくないんだろうな。人類の歴史は土地の奪い合いの歴史ですもんね。
タワマン一辺倒の再開発の景観以外の問題点についても書いてありました。
特に自分が心に残ったのは、「住宅の供給数はタワマンを建てると爆発的に増えるが、値段が高すぎて庶民が住めるものではない」(もっとしっかりとした文章で書いてあります)というもの。
ほんとそれな、ですよね。
結局、都心のタワマンは2億とかザラにしてて、そこに住める人がこれからも現れ続けるはずがないのでは?と思っています。
本書の提案では中間層や若者が借りられるような価格での賃貸を一定数用意することなどが提案されていました。
そうなってくるとタワマン買う旨みが薄れそうだよな〜。安く借りられるならそうしたいよね。
いろいろ崩壊してしまうか。無理か?
その答え、ベストアンサーを街の住民たちで探っていくことが必要なのだと思います。
この本はなかなか面白かったので、こういう話に興味ある人は是非読んでみてください。