【掲載記事】広報みなみそうま 市民記者コラム (2019年7月号、8月号、10月号、12月号)
「 もうすぐ野馬追がやってくる」
この季節になると、南相馬に暮らす多くの人の頭によぎるのではないだろうか。昨年、私は野馬追に初めて参加した。馬に乗るのではなく、家族のサポート役としてだ。朝早く起きてお弁当をつくったり、着付場にいって馬の様子を見たり。まだ1度しか経験していないが、野馬追に出る人以上に大変なのは家族だなと痛感した。
雲雀が原でお祭りや行列を観て、神旗争奪戦や甲冑競馬の迫力よりも騎馬武者の独特な言葉使いに驚いた。まるで時代劇。家ごとの旗をみるのが面白くて、気に入った家旗をこっそり追いかけた。
今年はどう野馬追を楽しもうか考える。「もうすぐ野馬追がやってくる」
(広報みなみそうま 2019年7月号に掲載)
クリームソーダのある夏
今年の南相馬は特に暑いとニュース番組の人が言っていた。確かに、梅雨が明けたとたんの暑さに気が滅入ってしまいそうになった。冷たいものを心も身体も欲し続けている。
この夏、私を虜にしたのはクリームソーダだ。背の高いグラス、透き通った氷、人工的な色のサイダーにアイスクリームとサクランボ。クリームソーダを目の前にすると思わず口角が上がってしまう。小高にあるOdaka Micro Stand Barで飲むことができる。ストローでグラスの中をかき混ぜたなら、アイスクリームとソーダの境界線がシュワシュワと溶けて、今にも溢れそうになる。
私の他にも、子どもから大人まで多くの人から愛されているようだった。老夫婦が二人そろってクリームソーダを頼んでいく様子は、なんとも微笑ましい。これからも小高に暮らす人々の日常に溶けこむような存在であってほしい。
(広報みなみそうま 2019年8月号に掲載)
季節外れのひまわり畑
昨年の10月ごろ、ひまわりが咲いていると教えてもらった。最初は、道ばたに1、2本、季節を間違えた咲いてしまったのかと思った。だから、スマホの画面いっぱいにひまわりが咲き誇る写真を見て、とても驚いた。
場所は、飯崎の北原地区。本当に見られるのかドキドキしながら車を走らせた。教えてもらった場所に着くと、田んぼ10枚分くらいだろうか、確かにひまわり畑が広がっていた。夏のひまわりとは違い、少し淡い黄色で背が低い。一人で写真を撮り「わあ、すごい」と心の声を漏らしながら歩いた。小高のこういう、ちょっとした驚きをくれる風景がとても好きだ。
今年も見られるのだろうか。また、カメラを持ってでかけたいと思う。
(広報みなみそうま 2019年10月号に掲載)
ドライフラワーのある暮らし
原町にドライフラワーの専門店があることを知った私はとても興奮していた。南相馬にきてからは、手に入れるのが難しかったドライフラワーをついに近所で買えると思うと嬉しくてたまらなかった。
大木戸にあるそのお店は「アトリエ ロゼッタ」という名前で、赤い屋根がとても可愛らしい。少し緊張しながら扉をあけると、やわらかなユーカリの香りが鼻をすりぬけると同時に、様々な花やグリーンが目にとびこんできた。都会に負けない品揃えに、私は少し戸惑うほどだった。
アレンジメントもとても素敵だった。クリスマスに向けて、リースをオーダーしたいなと思っている。ドライフラワーのある暮らしが楽しみだ。
(広報みなみそうま 2019年12月号掲載)