【掲載記事】広報みなみそうま 市民記者コラム (2020年1月号、3月号、4月号)
南相馬の自然ある風景
2019年、初めて南相馬でまるっと1年を過ごした。スマホの写真フォルダを見返していると、桜咲く小高神社や川沿いの花々、色づいた紅葉など、自然ばかりを記録していたことに気付く。
初めて南相馬に来た日の夜、星をみた。電灯のほとんどない場所で顔を上げた途端、夜空に散りばめられた星に恋するようにドキドキした。その星みたさに、もう一度南相馬に来たいとさえ思ったのだった。
南相馬に長く暮らす人にとっては当たり前の、自然ある風景が、ヨソモノにとっては移住をするきっかけにもなる。自分の体験も胸に留めて、2020年は一市民として、もっと南相馬の好きな景色を伝えられる人になりたい。
(広報みなみそうま 2020年1月号掲載)
卒業していく彼女たち
3月1日。小高産業技術高校では、第1期生が卒業を迎える。商品開発をしたり、学校の名前を背負って地域で活躍する高校生の姿に、26歳の私は感心した。
一方で、彼女たちは気の合う友達と遊ぶことが何よりも楽しいはずだ。まちづくりよりは恋がしたいし、電車ででかけた街で遊びたい。一緒に活動をする傍ら、友達(ときには恋人)同士で過ごす様子に、彼女たちの本音を垣間見た。
これからは自由に使える時間も増えるでしょう。自分にとって良い時間を大切に過ごしてくれたらいいなと思う。その時、地元のコトやヒトが頭に浮かんでくれたら、とても嬉しい。
いつでも、帰っておいでね。卒業おめでとう。
(広報みなみそうま 2020年3月号掲載)
春が待ち遠しい
2014年、初めて春の小高に訪れた。まだ避難指示解除前で少し緊張していた。車に乗せられて6号線に向かう。陸橋を越えると、駅裏の空き地いっぱいに広がる菜の花畑が目に飛び込んできた。まさに黄色い絨毯だった。以来、私は小高の春に虜だ。
南相馬で生活するようになって気付いた春もある。小高川に咲き誇る桜、水の張った水田、晴れた日の心地良い陽ざし。まち全体がまとう柔らかな空気に、ワクワクせずにはいられない。
温暖化で季節がずれこんだって、ウイルスのせいで沈むことがあったって、春はくる。春がくれば、きっと明るい気持ちになる。訪れた春を見過ごさないように、地に足をつけて今年も春を待っている。
(広報みなみそうま 2020年4月号掲載)
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