犬をドッグトレーナーに一か月預けてみた その2
犬の引き渡しは驚くほどあっさりで、書面を交わし代金を支払ったら
ハイさようなら。あまり別れを惜しむこともできず、いやむしろそれを避けるために先方が意図的にあっさり別れさせたのかもしれない。
帰りの車の中で早くも疑似的なペットロスが襲い掛かってきた。
東名を途中で降りて焼津のさかなセンターに寄って海鮮丼を食べたり
買い物などしてみたが、どうも心が晴れないのだ。
帰宅すると犬がいた形跡がリビングに残っている。
散乱したタオルやおもちゃや犬の毛が、今朝までいた犬の姿を
思い出させる。死んだわけでもないのに何なんだこの感情は。
「毎日ドッグランの様子をYouTubeにアップしてますのでご覧ください」
と言われて早速チャンネル登録して何度も何度もリロードする。
夕方近くになって動画が更新されて、目を皿のようにしながら自分の犬の姿を探す。すると、ほんの数秒だが自分よりも二回り以上小さい先輩犬につけ回されながらヒョコヒョコと歩くうちの犬の姿を見つけた。
多くの犬たち(それでもすべての犬を映す工夫がされていた)に混じってほんの数秒の登場を観るがために毎日夕方になるとYouTubeをチェックする日が続き、ついに最初のトレーニングレポートが届いた。
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