市民開発についてもやもやしていたので、ソシャゲの周回をしながら壁打ちしたものを残しておきます。
壁打ち相手はGoogleさんちのBardくんにお願いしました。
市民開発とはなんですか?
なるほどねー。従業員が自律してツールを使って課題解決を行う。そして輝くDX!
まぁそうなんでしょう。
3月に参加したGoogle Workspace Summit 2023でもそんな感じでした。
大企業も地方で平均年齢の高いITとは無縁と思われる業種の老舗企業もローコード・ノーコードツールでDX!業務効率!って流れでしたね。
そこで違和感を覚えたわけです。一定ITに詳しい実務経験者なら確実に懸念されることをわざとスルーしていないか?と。
運用管理についての話が殆どないんです。
紙媒体でやっていたことがデジタル化出来ました。フォームを作ってスプレッドシートにまとめることで担当者の作業量が減りました。それはそれで素晴らしいと思います。
でもそのツール、誰がメンテナンスするのでしょう。誰が品質を保証するのでしょう。誰が類似のツールがあるかどうか横串に見てくれるのでしょう。
データもそうです。類似のデータを部門単位でそれぞれ作っていたら意味がなくないですか?
ということでBardくんに聞いてみましょう。
運用管理は誰が行いますか?
あれ?管理は市民開発者自身が行うといいながら一部IT部門は見ないといけないようですね。
IT部門はプラットフォームやガイドラインを整備して、市民開発者はその範囲内で積極的に参画することが重要とのことです。
でもIT部門が不在だったりリソースが足りないから依存しない市民開発を推進しているのに、ちょっと本末転倒感といいますか、言ってしまえばBPO案件の匂いがしてきましたね。
結局IT部門の負担が増えていませんか?
なるほど単純に楽になるよ、というよりは別の作業が増えるので短期的には変わらないかむしろ負担増。中長期的に見れば負担減という感じのようです。
市民開発で重要なのは、自律的に自分ごととして業務改善に向き合う現場担当者と、改善したいという意志をちゃんと具現化出来る環境を整えるIT部門担当者のどちらも欠けてはいけないわけですね。
と、ここでIT部門側はベンダーに丸投げする企業が頭をかすめました。
まぁ確かにそういう経営者もいそうではあります。ベンダーじゃなくてもとりあえず環境ができればOKと思ってる経営者なら、適当にコンサル連れてきてハイ終わり、的なこと考えそうだなぁ。
なんせ短期的には変わらない可能性のほうが高いわけですから、その場しのぎの経営者なら上記の方向で説得しようとしてもピンとこないでしょう。
一旦IT部門に依存することのデメリットを確認してみましょう。
IT部門に依存することで発生する負担とは?
おお、具体的な負担とそれに合わせたメリット、注意点も教えてくれました。
確かにIT部門がボトルネックになって事業速度が低下するのは避けたいですね。コストに関しては状況によるのでなんとも言えませんが、少なくとも全員参加のメリットというのは打ち出せそうです。
さて、事業部門も巻き込んだ市民開発のメリットはある程度わかりました。
しかし情シス的にはバックエンド側、つまりデータについても着目しておきたいですね。
同じプラットフォームで開発することでどの部門も同じノウハウが使えるのは魅力的です。
更に同じDBを使って一元管理出来るとよりシナジー効果を得られるのは言うまでもないことです。
その辺の言及がまだないので聞いてみましょう。
データの横断的な利活用や全体最適化はどうなの?
やはりIT部門は全体最適化の要として、ノウハウは持ちつつも手を動かすのは最小限にし、業務部門の底上げに注力することで企業全体のアジリティを向上させるのが本命のようです。
一人情シスなどPCのキッティングや問い合わせ対応が定常業務の中心となっている場合は、この時点で人欲しいですねぇ…。
市民開発を行う時点で人員増加が必要?
おお、これで人員不足へのアプローチはできそうな気がしてきました。
市民開発(語弊があるのは飲み込んでいっそのことDXと言ってもいいかもしれない)とは家電のようにシステムを導入するだけでおしまいではなく、ちゃんと運用管理が必要で、そのための人員も専任で必要ということで積極的な採用を持ちかけることはできそうです。
しかし、説得するにはもうちょっと解像度が高くほしいところですね。
単純にコスト増業務量増と言っても具体的にどの程度なのかわからないことには経営者も意思決定しにくいでしょう。
市民開発によって移管される業務量とは?(経理を例に)
専門性の強い領域は引き続き業務部門に任せつつ、出来る所をヒアリングなどを経てシステムに落とし込む、まさに王道ですね。
業務分析、ヒアリング、PoCもこの順番で行うことで納得感は得られると思いますし、その過程で両部門のキーパーソンを巻き込むことで水面下での事前合意はできそうです。
こういう泥臭い部分こそが情シスの本懐なので、モチベーション上がる人は情シス向いてると思いますねー。是非報われる世の中になって欲しいです。