LPL通信 前半戦を終えて Part1
LPLは春節で2週間の休みに入りました。
2021 Spring Splitの前半戦が終わりました。LPLは17チームもあるので、毎試合欠かさずチェックしていてもチームの状態や力関係が把握しきれなかったりします。なので良いタイミングですし、ざっとまとめてみようという気持ちで書き始めました。まとめきれないかもしれません。
前半戦を終えての結果はこのような感じです。Week4まではWEとRNGも無敗を保っていたのですが、WE vs RNGという直接対決もあり、無敗のチームはEDGのみになりました。
さてそんな中で、じゃあ上位チームが強いのか・・・というと、大まかには正しいのですがちょっと突っ込んで指摘しておきたい点もあります。チーム数が多いため気になるチームのみ確認していきたいと思います。
前半戦を終えて唯一無敗を保っているEDG。その強さはどこにあるのかと問われれば、「Viper」という一言に集約されます。現在LPLで最も優れたADCです。もちろん彼がただ一人でチームをキャリーしているわけではありません。相方のMeikoも全盛期を取り戻しLaningから集団戦のEngageまですべてを完璧にこなしていますし、MidのScoutも変わらず安定したハイパフォーマンスを維持しています。さらに注目しなければならないのは7年間所属したSnake/LNGから離れEDGへと加入したFlandreでしょう。絶対に崩れないLaning、集団戦においてギリギリまで最前線を構築し続ける技量の高さ、さらには独自の考えをもとにした変化形のチャンピオンビルドも注目ポイントになります。ただやはり、これだけ優れた選手がいる中でもずば抜けた存在感を発揮し続けているViperを抜きに今のEDGを語ることはできません。まさかこんなに早くチームに馴染めると思いませんでしたし、Meikoとの連携ももう少し苦しむと思っていました。また近年のEDGの課題として、Laningは良いものの中盤の展開に苦しむというものがありました。ですが経験豊富なFlandreやViper加入の影響によりその課題は解決されています。優勝候補筆頭といって良いでしょう。
FPXへ言及するとなるとNuguriの加入は避けられない話題になります。昨シーズンはKhanを獲得したものの、結局活かしきれずにシーズンを終えてしまいました。そんな中でのNuguriの加入は楽しみではあるものの、個人的には不安な気持ちの方が強かったです。実際シーズンが始まってみると予想以上にチームにフィットしています。彼の個人技の高さやチャンピオンプールの多彩さといったところ、さらには"お通し"であったり死にまくっているのに後半に謎に活躍する不可思議さといったところも出るようになってきました。ただし好調の大きな要因としてはNuguriではなく急遽加入した新人JunglerのBoの影響が大きいです。Week3のSN戦から参加したのですが、まずはBoが戦いやすいようにBoを中心とした試合づくり、そこからDoinbお得意のRoam戦術へと丁寧にシフトしていくチーム作りが見事にはまっています。Lwxも昨シーズンの不調もなんのその、カイサやサミーラで暴れまくり、ザヤのパフォーマンスも良いです。EDGに次ぐ、もしくは並ぶ優勝候補といって良いでしょう。
RNGはUzi離脱後のチーム作りに苦しんでいました。昨シーズンは新たにBettyを加えたものの、どうにも力を発揮しきれずにいました。そういった時にMidのXiaohuが凄まじいパフォーマンスで試合を勝利に導いていたのですが、ただ彼は年間通してそのパフォーマンスを維持できず、彼が不調に陥ると何の強みもないチームになっていました。そんな中で夏の後半に獲得したGalaというADCが素晴らしい個人技を発揮し、チームがにわかに活気づいてきます。ただ途中加入だったこともあって完成度が低く、2020は不本意な成績に終わってしまいました。
今年はGalaを中心とした新生RNGが最初からみられるということで楽しみにしていたのですが、まさかのXiaohuのTop転向、さらには昨年一年かけて育てていたXLBをサブに回してWeiを獲得。なんだか大丈夫か?と不安な気持ちになりました。スタートしてみればXiaohuの多彩なプレースタイルとWeiの物おじしない大胆さが上手くチームに馴染んでいるように思います。Top LanerとしてのXiaohuはオリアナやルシアンでTheShyばりのアグレッシブなレーニングをしたかと思えば、チームのためにナーやグラガスを選択したりと、ふり幅の大きさではLPL随一でしょう。出戻りしたCryinもESで見せていたパフォーマンスをRNGでも発揮できるようになり、徐々にではありますがMidでの存在感を高めています。あとは安定感さえ・・・Galaを中心に戦いつづければ優勝も狙えると思うのですが、どこかでぶれそうな気もします。
WEは2017以来、国際的にも国内的にも低迷を続けていました。2019に立役者でもあったXiyeとMysticと別れ、2020からは新人のJiumengとbeishangを中心としたチーム作りに着手します。結果、WCS出場は逃したものの良い内容で1年を戦い切りましたし、Jiumengは夏の新人王にも選ばれました。そして2021ではMorganをHLEに放出し、新たにOMGからBreathe(旧SNはCurse)を獲得、さらには半年間温めたShanksをMidのスターターとして起用します。Breatheは攻撃的にも守備的にも戦える幅の広い選手ですが、所属していたOMGが近年弱体化したこともあり、あまり有名な選手ではありません。またShanksは下部リーグのLDLで最優秀選手に選ばれるほど才能に溢れた選手で期待されていたのですが、WEはすぐさまトップチームで起用することなく育てていました。
開幕戦から高い完成度をみせ、一躍注目を浴びます。beishangの攻撃的なJungle、JiumengとMissingの強力なBot Duoを中心とした試合づくりで相手を圧倒し続け、期待のShanksもiG戦ではRookieを相手に良い内容で戦えました。ただここ数試合はBreatheと他のメンバーとの連係ミスやトラブルもあり苦戦しています。はた目にはBot中心にチーム作りからもう一歩進めてどこからでも勝てるチームを目指しているように見えるのですが、どうにも結果がついてきていません。WEが躍進するには、この挑戦を成功させる必要があるでしょう。
JDG、SN、TESについては次の記事で書きます。