岩井主宰の訃報から学ぶ〜タバコが命を奪う理由と認知的不協和〜
先日、令和の虎で知られる岩井主宰が65歳で肺がんにより逝去されました。彼の突然の訃報は多くの人々に衝撃を与え、同時に深い悲しみをもたらしました。
実は、岩井主宰の父親も同じく喫煙者であり、肺がんで亡くなられています。この現実に直面しても、岩井主宰はタバコをやめることができず、最終的には父親と同じ病気で命を落とされました。
この出来事は非常に悲しいことですが、同時に喫煙の依存性の恐ろしさを私たちに教えてくれるものでもあります。
今回は、岩井主宰の訃報を受けて、喫煙がもたらす危険性や、喫煙者がなかなかタバコをやめられない背景にある心理的なメカニズムについて考えてみたいと思います。
喫煙によるリスクを軽視するのはなぜ?
多くの喫煙者の方は、タバコが健康に悪いこと、そして肺がんや心臓病、脳卒中といった重大な疾患のリスクを高めることを頭では理解しています。
しかし、実際にタバコをやめることができず、
「自分は大丈夫」
「まだ病気にはならない」
と思い続けてしまうことがよくあります。
この矛盾こそ、喫煙者が直面する大きな問題です。
タバコのリスクを知っていながらも吸い続けている自分。
頭では「やめたほうがいい」と理解しているのに、行動がそれに追いついていない。
これが、認知的不協和と呼ばれる心理現象によって引き起こされているのです。
認知的不協和とは?
認知的不協和とは、自分の行動と信じている現実が食い違っているときに感じる不快感やモヤモヤを解消しようとする心理的な働きです。
たとえば、あなたが「タバコは健康に悪い」「肺がんのリスクが高くなる」と頭で理解していながら、タバコをやめられないとします。
このとき、あなたの中では知識(タバコは危険)と行動(喫煙)が矛盾しているため、心に不快感が生まれます。
その不快感を解消するために、脳は
「自分は大丈夫」
「まだ病気にはならない」
「タバコを吸っても長生きしている人がいる」
という言い訳を作り出してしまうのです。これが認知的不協和の仕組みです。
選択的認知も喫煙を続けさせる
この認知的不協和が進行すると、さらに「選択的認知」という現象が生じます。
選択的認知とは、自分にとって都合の良い情報だけを信じ、都合の悪い情報は無視**してしまうことです。
例えば、次のような例があります。
「タバコを吸っても病気にならない人がいる」という情報だけを信じ、タバコが引き起こすリスクや病気の可能性についての警告は軽視する。
「加熱式タバコなら害が少ないから大丈夫」と思い込み、喫煙のリスク全体を過小評価する。
「タバコはストレス解消になるし、我慢する方が体に悪い」という理由で、長期的な健康リスクを後回しにしてしまう。
このように、脳は不快な現実を避けるために、自分にとって都合の良い情報を優先し、危険性を軽視することで喫煙を続けさせてしまいます。
今こそ、喫煙を「自分事」として捉えてみてほしい
今回の岩井主宰の訃報を受けても、まだ心のどこかで
「これは自分には関係ない」
「自分は大丈夫」
と考えている方もいるかもしれません。
でも、考えてみてください。
本当にそうでしょうか?
岩井主宰も、父親が肺がんで亡くなった現実を知りながら、タバコをやめることができず、同じ病気で命を落とされました。
これは、喫煙によるリスクがいかに現実的なものであるかを物語っています。
タバコのリスクは決して他人事ではありません。
喫煙を続ける限り、あなた自身も同じ危険にさらされているのです。
今こそ考えるべきこと
すぐにタバコをやめろとは言いません。
しかし、この瞬間が、あなたがタバコのリスクを「自分事」として捉えるチャンスです。
まずは、自分の健康について真剣に向き合い、禁煙を検討することから始めてみてください。
焦る必要はありません。
少しずつ、自分のペースでタバコに頼らない生活を目指して進んでいけば、それが命を守る第一歩になるはずです。
タバコのない、もっと自由で健康的な未来は必ず待っています。そして、その未来への第一歩を踏み出すのは、今かもしれません。