木を切った
日曜日だあ。
藤沢周平も本棚から下ろしたものは読み終わった。
2階の本棚に行くのも面倒だ!というズボラな私が動いた。
スギナ、ドクダミが背高く立ち上がっている。
何年も咲かなかったツツジが、ポッポっとスギナの隙間からつま先立つように赤い花をのぞかせている。
ゼニゴケ、スベリヒユ、カタバミはピッタリと庭のレンガにへばりついている。
よっしゃ、やるか。
長袖を着て、首にスカーフを巻いて、今さら顔のシミ、シワはなんともならないが、これ以上黒みがかかる訳にはいかない。
日焼け止めをチャチャと塗って、軍手にノコギリと枝切りバサミを手に、イザッだ。
家の中ではロボット掃除機が、丸い体でコロコロあっちこっちにぶっつかりながら拭き掃除をしている。
雑巾がけもする。
流石に巾木のほこりや階段は手やクイックルワイパーで拭く。
台所に立っていると邪魔だとばかりに足をつっつく。ホイホイ、ゴメンと足を上げる。
段差がないので畳からフローリング、仏壇の前机の下まできれいにシカシカ歩く。
円くはくかと思いきや袖の下ならぬ、脇の下から出ているブラシできれいに拭く。
床は以前より光っている気がするする。
という訳で、我が家に助っ人が加わり、ついタラ〜ンと日を過ごすことにもなるのだが、今日はダメだと枝切り、草取りをまず半分。ながめ眺め切ったが、来年の花芽はどうなのか。知るはずないが、型はスッキリした。
山ほどの切った枝は、息子が来たときに処理を頼む目論見だが、はたして来るかな?
来ても疲れ果ててる息子に頼めず、ばあばが片付ける羽目になるのは目に見えているが、期待半分。
ア〜ア、アツい。顔が真っ赤だ。
スイカでも食べたいねと言ったが、そういえば夕べ下の娘と食べてしまった。
残すなど考えもせず、だ。目の前にスイカがあるとだめなの〜。ペロリだった。
「買いに行ってくれる?」
「いやだ」
との掛け合いに、茶を飲んであきらめた。
その後、少しウトウト。
夕方、出かけた上の娘を駅に迎えに。
「暑かったね。スイカあるよね」の開口一番。
迎えに来たのに感謝もないのかい。
「ないよ。食ったもの」
「エ〜っ。わたし、三切れも食べなかったのに。楽しみに帰ったのに〜〜」
そんな心のうちなど知りません。
「私にスイカを見せるとヤバイ事は知っているでしょうが」と私の心の内はいう。
ブーっブーっ。
怒る娘に
「迎えに来てやったじゃん。この年寄りに運転させて!ほんとの夏が来たら安くなるからね。山ほど食わすよ」
長女はスッキリした庭も見ず、スイカの話し。
残念な事でした。
私の労力をほめろ。少しは。
という一日。やっぱりゆるりの一日が過ぎた。