憑依探偵⑤
場面74 KEIGOがカオリの腕をつかみ引き戻そうとした。同時にタケルがKEIGOの反対の腕をつかんだ。
場面75 カオリが悲しそうな顔で振り返った。
カオリ 「なんできたの?」
KEIGO 「一緒に帰ろう。」
タケル 「こっちが聞きてえよ!KEIGOさんぜってー離さないでくださいよ。俺も死んでも離しませんから。」
場面76 炎の中から泣く子供声が聞こえる。泣き声の方に三人が顔を向ける。
場面77 炎の中心で燃えずに立ち尽くし、泣く女の子を三人が見つける。
タケル 「どういう事だ⁉︎」
カオリ 「静めなくちゃ」
KEIGO 「あっ!」
場面78 カオリが石を取り出す。同時に激しい豪雨と雷鳴が鳴り響く。
場面79 火事の煙が嘘のようにおさまっていくが、火元のビルだけは火の勢いは変わら
ない。
場面80 ビルの上に黒雲が集まってくる。
場面81 炎の中で泣く女の子、語りかけるカオリに対し首を振る女の子
カオリ 「何が悲しいの?早く帰ろう」
場面82 頭上の雲を見ながら、カオリにKEIGOとタケルが問いかける。
タケル 「おいおい、どうなってんだよカオリ⁉︎」
KEIGO 「どんどん雲が厚くなってきたよ、このままだとどうなるの?」
カオリ 「あの子に雷が落ちる。」
場面83 カオリの言葉に驚いたKEIGOとタケルが空を見ていた姿勢からカオリを見る
タケル 「はア〜死んじまうじゃないかよあの子、てか、なんで雷が落ちるってわかるんだよ!」
KEIGO 「分かるように説明して」
場面84 カオリがタケルとKEIGOの方を向き話し出す。
カオリ 「私たち一族は、この世に残った思いを消して本当の魂の平穏を手伝う力を先祖から受け継いでいるの。」
タケル 「ちょっと待て、いろいろツッコミどころがあり過ぎて混乱する。ん、待てよじゃあ!あの子は人じゃないのか?」
KEIGO 「いやいや、オカルトも信じてないけど、心霊って、ここはどこなんだい?」
カオリ 「あの子の世界に、石の力を借りて私が入っているの。今回は、三人でなんでか入っちゃったけど。」
場面85 激しい豪雨が三人を射ちつける。対照的にますますビルの炎の勢いはます。
タケル 「人じゃないなんて俺は信じないぞ!待ってろ!」
場面86 タケルが炎に飛び込む
場面87 タケルを避けるように炎に穴があく
場面88 カオリも火に飛び込んだタケルを追いかけようとするが、炎が迫ってくる
カオリ 「タケル!」
場面89 カオリをKEIGOが抱き止める
KIEIGO 「危ない!」
カオリ 「タケルが、タケルが」
KEIGO 「落ち着いて!タケル君は大丈夫だ!見て炎が避けたじゃないか」
場面90 タケル、おかっぱの着物姿の女の子(ユリ)を抱きしめている
タケル 「よかった、さあ!ここから出よう!」
ユリ 「ダメなの、動けない」
場面91 ユリが自分の足元に視線を向ける。ユリの視線を追いかけてユリの足元を見る
場面92 ユリの足元を地面から黒い手ががっちり握っている
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?