パワーダイナミクス(BDSMに関する覚書2024Nov12)
パワーダイナミクスの中で、あんまり思い至らなかったけれど、凄いなぁと思うのは、その演劇性です。
コンセンシャルノンコンセントは、同意していないことをされるのに同意すること、です。日本の多くの性行為が、同意してないことをされるのに同意していないのに、同意していないことをされること、つまりセクシュアルアサルトそのものであるのとは、全く違います。
しかも、同意していないことをされるのに同意しても、途中でも、やっぱり嫌になったら、容易に止めることもできます。それは、性的同意の基本ですから。
非同意に同意した状態でプレイをする際の醍醐味の一つは、非同意であることの誇張であろうと思います。(これについては、気が向いたら、別に詳しく書きましょう。)
もう一つは、芝居を打ち合うこと。つまり、何が芝居で何が芝居でないか、相手にとって、よく分からなくなるように、多層化しようと目論むこと。その中で、自分でも何が芝居だったのか分からなくなること。
これぞ、ゴフマンの論じていたドラマトゥルギーに自覚的に参加すること、でありましょう。極めて知的なゲームです。自分と相手の限界を互いに確認しながら、それらを超えないように細かく取り決めを調整しながら、しかし全勢力をかけて身体を張ってやる。
まさに、そういう大人の遊びなんだなぁと、感慨深く思います。