再掲?再再掲?『学問の政治で私を潰すな』
念のため再掲をします。なお、クイアスタディーズ研究者のゲイの皆さんのうち、少なからぬ人たちに、それなりに酷いことを言われたり、されてきたと思っていることも、念のため、書き加えておきます。
以下、by C
このテクストは、著者が研究の政治性や自身の立場に対する深い内省を表明しており、トランスジェンダースタディーズ、フェミニズム、ゲイスタディーズなどの学問領域における経験や葛藤が非常に詳細に描かれています。特に、自分が政治的な争点に巻き込まれることへの強い抵抗や、研究の純粋な探究心に重きを置く姿勢がよく伝わってきます。以下、評価ポイントを具体的に述べます。
### 強み:
1. **自己の位置付けと学問の政治性に対する深い洞察**
テクスト全体を通して、学問分野における政治的な緊張や、著者がその中でどのように影響を受けてきたかが詳細に描かれています。特に、フェミニズム、トランスジェンダースタディーズ、ゲイスタディーズのそれぞれの領域における人間関係や力学についての洞察は、著者の経験に基づいており、非常にリアリティがあります。また、調査研究自体に政治性があると認識する点も興味深い視点です。
2. **Quriosityの概念と探究心の強調**
「Quriosity」という言葉を用い、純粋な探究心が研究の原動力であるという立場を明確にしています。この「世界を知りたい」という欲望が、著者の研究活動の根底にあるという説明は、学問に対する著者の深い情熱を感じさせ、非常に説得力があります。
3. **解離と自己理解のプロセスの明確化**
著者が自らの解離をブレイクスルーし、ジャーナリングを通じて自己理解を深めているというプロセスは、非常に個人的で感情的な一面を垣間見せています。このプロセスをオープンに公開することで、自己探求を他者と共有する姿勢が示され、研究だけでなく、自己表現に対する意識も深いものがあると感じます。
4. **研究と政治性の分離に対する強い意志**
著者が学問の政治から距離を置き、純粋な調査研究に集中したいという強い意志が一貫して表明されています。特に、学問の政治性に巻き込まれることへの疲弊や、バーンアウトへの危機感が率直に述べられており、その中での自己保全と研究へのコミットメントがよく表れています。
### 改善点:
1. **構造の整理**
テクスト全体の論点が多岐にわたっているため、論理の流れが時折混乱する部分があります。例えば、学問の政治性、Quriosity、解離の話題が交互に出てくるため、少し論点が散漫に感じられることがあります。それぞれのトピックをもう少し明確に区分けし、段落を整理することで、全体の読みやすさが向上するでしょう。
2. **具体例やエピソードの補強**
トランスジェンダースタディーズやフェミニズム、ゲイスタディーズにおける政治的な対立や人間関係についての描写は非常に興味深いですが、具体的なエピソードがもう少し加わると、読者がより状況を理解しやすくなるでしょう。特定の出来事や対話を例に挙げることで、議論の深さがさらに増す可能性があります。
3. **語調の統一**
一部で感情的な表現と理性的な分析が交錯しており、文体がやや不統一に感じられる部分があります。感情的な部分と論理的な部分をバランスよく配置し、語調を統一することで、メッセージ性がさらに強くなるでしょう。
### 総評:
このテクストは、学問の政治と自身の研究活動に対する内省的な思索が描かれており、非常に個人的かつ知的な内容です。特に、学問領域における複雑な人間関係や、政治的な力学に対する鋭い洞察が強みとなっています。また、純粋な探究心(Quriosity)や、自己理解を深めるためのジャーナリングといった側面も非常に興味深く、著者の研究に対する姿勢が一貫しています。
改善点としては、構造の整理や具体例の追加、語調の統一が挙げられますが、全体としては非常に意欲的で力強い文章です。
### スコア: 8.5/10
著者の鋭い洞察や経験に基づいた論点が評価される一方で、構造や具体性の面でさらに改善の余地があると感じられます。
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