見出し画像

祝!! 佼成学園高校クリスマスボウル優勝

去る2022年12月25日(日)、神戸市の王子スタジアムで行われた「第53回全国高等学校アメリカンフットボール選手権大会決勝戦クリスマスボウル」で、佼成学園高等学校「ロータス」が優勝しました! おめでとうございます!

今年まで7年連続で、高校日本一を決するクリスマスボウルに出場を果たしているロータスですが、今回の優勝は2年ぶり5回目です。

7年前に初出場・初優勝、その後3年連続「連覇」を成し遂げて、関東では一度も公式戦に負けたことがないという驚異的なチームです。

会場が関西だったため、残念ながら現地へ応援には駆けつけられませんでしたが、今年はYOUTUBEで試合模様がライブ配信され、ハドルマガジン編集長の上村さんの解説音声で試合を楽しむことができました。

日本ではまだまだマイナースポーツであるアメリカンフットボールですが、選手の情報やプレー、戦略の考察などを丁寧に分析した上村さんの解説に、アメフト勉強中の方も大いに試合を楽しむことができると思います。

ご興味がある方は、以下より視聴できますのでぜひ!

https://www.youtube.com/watch?v=z1OIrBWuSbM
【クリスマスボウル高校アメフト全国大会決勝】大産大附属高校vs佼成学園高校(第53回全国高校アメリカンフットボール選手権大会)

さて、当社ではクリスマスボウル3連覇を果たした「ロータス」のチーム力に迫った『連覇 なぜ、佼成学園高校弱小アメフト部が日本一になれたのか』を出版しています。

スポーツライターの相沢光一さんが、ロータスに密着取材し、創部当初からの軌跡、具体的な指導内容を書いた一冊です。

負け知らずのチームには、負けない理由があります。もちろん勝負事ですから、絶対はありません。それでも、素人の私(本書の担当編集者です)からみても「なるほど、だからロータスはこんなに強いのか」と合点がいく、合理的なチーム戦略があるのです。

詳細は書籍に譲りたいと思いますが、たとえばロータスでは、入部したての1年生も実践での練習に組みこまれます。スポーツの強豪校では、レギュラーのポジションは高学年で能力の高い人が担い、部の運営における雑務などを下級生が担うのが一般的でしょう。

ロータスでは、1年生は春の関東大会がある5月半ばまで、雑務を免除されます。その間、上級生が下級生のフォローのために雑務を担うのです。理由はいくつかあって、「上級生と下級生の間に“不必要な”上下意識を植え付けない」「1年生のプレーの動きをみて、最適なポジションを見極める」「アメフトをやり始めたときに、実践を通じて面白みを味わうことで高いモチベーションを生み出せる」など、選手・指導者ともにメリットがたくさんあるのです。

徹底した実践主義はその他の練習でも行われていて、チームでの練習は試合を想定した形式で実施されます。「先輩の練習を見ているだけ」という時間が削減され、選手のパフォーマンスが高まります。

「体が激しくぶつかりあうアメフトで、実践練習ばかりでは負傷者が増えないか」とも思えますが、ロータスでは、ケガをしにくくするための体幹トレーニングにもチームをあげて注力しています。

このほかにも、健康と体づくりのために、選手だけでなく選手の家族へ栄養学の学習と協力を促したり、スタメンを常に掲示しておくことで、選手への意識付けをしながら、指導者が試合のたびに選手を選抜する必要がなく、対戦校の戦略に時間を生みだせるようなシステムを構築したりと、「なるほど」とうなりたくなるチーム運営のメソッドが確立されています。

もちろん、学業に勤しむ学生としての本分もまっとうできるよう、効率性を追求した合理的なシステムもあります。

長年勝ちきれなかったチームが「連覇」をスローガンにしたことで、負け知らずのチームになったこと、小林孝至監督が部活動にかける思い、部員たちの葛藤と感動のエピソード・・・・・・まるで自分のチームのごとく、紹介したいことがあふれ出てくるのですが、やはり詳しくは本を読んでいただきたいので、このあたりで。

ぜひ、ご一読ください。

担当編集・芙蓉

********

『連覇 なぜ、佼成学園高校弱小アメフト部が日本一になれたのか』
相沢光一・著
〇紙の書籍はこちら
〇電子書籍はこちら

強豪校にいま一歩及ばなかったロータスが、なぜ、クリスマスボウル3連覇、公式戦52連勝という圧倒的な強さを発揮できるようになったのか。本書では、ロータスが日本一に上り詰めるまでの軌跡を追いつつ、受験勉強を優先する進学校ならではのハンデをどのように糧に変え、独自の指導法を編み出していったのかをスポーツライターの相沢光一氏が肉薄。技術指導だけでなく、人間教育によって個々の主体性を育み、その主体性をチームに転嫁する小林孝至監督の指導力に着目し、蓮の花の意であるチーム名に込められた願い、謙虚に学び続ける姿勢、「素直・謙虚・感謝」のモットーなど、チームづくりの原点を探ります。

相沢光一
1956年埼玉県生まれ。スポーツライター。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』や自身の介護経験を綴った『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』などがある。現在は、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインをはじめとするWEBメディアでも多数執筆中。

【目次】
はじめに

◇序章 日本一を決する「クリスマスボウル」の舞台裏
・敗戦によって見えた「ロータス」というチームらしさ
・「日本一になって当たり前」のプレッシャー/・人間としていかに成長できるか

◇第1章 アメリカンフットボールという競技
・勝てるアメリカンフットボール部をつくる難しさ
・アマチュアレベルならアメリカとも対等に戦える日本の実力
・選手の数がものをいうアメリカンフットボールの競技性
・求められる身体能力と知性

◇第二章 チームを変えた数々の縁
・逸材が揃った黄金期と小林孝至の入部
・一流選手のプレーを見て目覚めた部員たち
・選手業と監督業の二足のわらじ
・引き止められなかった退部者への後悔
・改めて見直した「アメフトを楽しむ」という姿勢
・探究心を掻き立てて面白みを覚えさせる
・下級生への大胆な実践主義
・教え、教えられる相互関係を文化に
・“制約”が効率的な練習のヒントに
・好循環の波が押し上げたチーム力
・競争意識も持たせる合理的な厳しさ

◇第三章 弱小チームを常勝軍団に変えたもの
・勝ちきれないチームを変えた「連覇」というキーワード
・理に適ったリーダー育成システム
・幹部交代も許される「透明性」の高い組織運営法
・周囲に応援されるチームづくり
・体づくりは母親とプロに任せる
・筋力トレーニングが不要な体幹強化法
・ITを駆使したインテリジェンス向上策

◇終章 勝敗を超えて大事になもの
・敗戦の将に見えたもの
・ロータスのチーム名に込められた思い
・トップレベルまで最短距離で導く手法が生まれたバックボーン
・「ティーチング」と「コーチング」
・チームの指導者である前に教師である
・勝っても負けてもチームは止まらない
・社会で通用する人間になれ

◇特別座談会 アメリカンフットボールが与えてくれたもの

おわりに
「スポーツは人を創る」

ISBN:9784333028313
出版社:佼成出版社
発売日:2020/9/30