勤路記16.まにあう

携帯(スマホと書く方が今様か)を忘れてたことに気づき取りに帰る。
幸いまだそんなに離れていないのと、幸いにも気づけた!というダブル幸いだ。ポリアンナ並みのよかった探し。

家にいた夫も気づいていたようで玄関のところに置いてくれていて、台所から「会社用のは充電少なかったからしといた」という声がきこえた。うむ。よく気の利く夫殿じゃ。

いつもより遅れをとっているぞと、いつもは通らない駅前の道をまっすぐ進むことにする。

耳鼻科のシャッターに手書きで急募!と書かれた求人ポスターが貼ってあった。A4サイズの横に全く同じ内容で一回り大きくなったA3サイズがあり、この耳鼻科がものすごく人を欲しているのはわかるけど妙に可笑しい。

「まだ応募こないの?!」「ハイ先生」「ポスターが小さくて目立たないんだよ!もっと大きくして!」「ハイ先生」「君がそんなだからだよ!」「ハイ先生」
私の脳内

駅前を過ぎ、6月ごろには紫陽花がキレイに咲く交差点に立つと、紫陽花の枝が見えない。もしかしてなくなったのか、と植え込みをのぞくと短く短く刈り込まれ、茶色の枝がいくばくかしか残っていないのを見つけた。

これ、6月までに成長間に合うのか…と心配になって、いやいやそれより自分がいつもの電車に間に合うのか心配するのが今だよな!と思った。

電車には間に合った。
紫陽花もなんやかんや忘れた頃に間に合っているのを見るのだろう。
耳鼻科の人手が間に合うにはまだ時間がかかりそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?