いつか純露
「山口県には天然の純露が生える鍾乳洞がある」というホラ話を次男が割と信じている。
ちいかわに「巨・純露」を取って食べる(ベタベタになりながら)というエピソードがあり、ちいかわが好きな次男は純露を知らないのでは?と買ってきてやった。
久々に買ったら紅茶味とのアソートで、そういえば紅茶もあったな。今、紅茶のほのかな苦味が美味く感じるのは、習字教室で毎回もらえる飴の中で純露紅茶が人気なかった時から月日が流れた証拠だ。
糖分の本気を固めた純露を次男が気に入り「ちいかわみたいにでっかい純露をパキッと折って食べてみたいなぁ」と言ったところ夫が「確か山口県にはあったはず」ととても自然に返した。
嘘だろ、そんなのあるわけないじゃんという次男に「秋吉台てところに天然記念物としてあったはず。何百年という時間をかけて地球の糖分が垂れて巨大な純露鍾乳洞になった。飴の純露はそれを模して作った」的な話をした。
それが先週か先々週のことで、次男は今朝「あー山口県の純露鍾乳洞でパキッと折った純露が食べたい」と言っていた。
信じてるやん。
「大体さぁ、なんでも天然のやつの方が美味そうじゃん?」とも言っていた。
夫は次男の天然物に対する考察を褒め、いつか秋吉台に純露取りに行こう、あ、今はもう天然記念物だから無理なのかなぁと付け足していた。
お父さんはホラ吹きだが、君のメルヘンの栄養になっているならそれでいい気もする。
ある日そんなものがないことを知る時にどんな顔をしたらいいかをお母さんは考えておく。