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Tumblrの現状とWeb3に向けての今後の方向性
1.Z世代の本音と共感-匿名日記アプリとしてのTumblr
自分は自称「Tumblrエバンジェリスト」として長年Tumblrを愛用している。ポルノコンテンツを禁止にした結果、「Tumblrはオワコン」と散々言われてきたが、むしろユーザー層が一新され、ここに来て、特に国内においてはZ世代の匿名日記アプリとしてTumblrが使われだしてきた感がある。
Tumblrにはハッシュタグでフォローできる機能があるが、「#日記」の投稿がこちらである。
現在のTumblrは、Instagramのようなセルフブランディングを目指したキラキラ感もなく、TikTokのようなバズりを目指したミーム感もない。匿名日記アプリとして、Z世代の本音と共感が覗き見出来るような空間となっている。
2.Automattic社による新たな動き
TumblrはWordPressを運営するAutomatticに買収された以降、次々と新しい機能が付加されている。
Post+ サブスリプション機能
Tip Jar チップ機能
広告非表示機能
また今後はWordPress同様ブロックエディタを導入するとのこと。
3.Tumblrの今後の方向性
今後のTumblrの方向性を整理してみると次の3点が挙げられる。
ブログとしてのTumblr
サブスクリプション機能やチップ機能により、国内ではnote、海外ではPatreonのようなクリエイターエコノミーのプラットフォーム。
SNSとしてのTumblr
特にK-POPやテイラー・スウィフトのファンダムに顕著に見られるが、ファン同士を繋ぐ推し活のプラットフォーム。
CMSとしてのTumblr
Instagramとの相性もよく、簡易WordPressとしてのビジネスプラットフォーム。
全盛期をとうの昔に迎え、引き続き全体としてのユーザー数は減少傾向にあるTumblr。だが、収益は2021年7月から2022年1月までに55%増加し、上向きだ。そしてNFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)アートと好相性との見方もある。今後の成長は未知数だが、Z世代によるTumblrの利用増加からは、“大手SNSからの逃げ場”という新たなニーズが鮮明になっている。
Tumblrは他のソーシャルメディアと違い、複数の使い方があるため理解が難しく、何かと敬遠されがちだ。Web3の時代を迎えてTumblrをどのように活用していくのかをこれからも提案していきたい。