ソウルのホームスジンとの出会い④
スジンは小柄で華奢な柔らかい雰囲気の同年代の女性。
「どんなアニメーションを作っているの?」
「あなたもアニメーション作っていたの!?」
などなど、お互いの事を話しながら彼女の本棚を一緒に見て、これは日本に行った時に買ってきたんだよ、という日本語の絵本を見たり、私も大好きな益田ミリさんの韓国語版の漫画を発見して興奮したり、と、普段は初対面の人が苦手な私も彼女とは不思議と居心地よくおしゃべりをしていました。
年齢が近い事の他に、私たちの間に共通言語が多かったからかもしれない。
しばらくすると上の階に住んでいるお姉さんが果物を持って来てくれて、今度は3人で少しお喋り。
昨日の夜は何を食べたの?と聞かれたので、近所のキムチチゲ屋さんへ行った話をすると、お姉さんは「あんな不味いところで食べたの!?私のキムチチゲの方が美味しいよ!」と言ってケラケラと笑う。
昨日は初対面で控えめだったお姉さんですが、今日はスジンもいてリラックスしているのか、大邱女子っぽいサバサバとした強さが見え始めて面白い。
「良かったらお姉ちゃんちで夕飯一緒に食べない?」
と提案してくれたのスジンだった。
私は喜んで「네!(ネェ 日本語でハイと言う意味)」と即答。
お姉ちゃん宅での夕飯のメニューは、もちろんキムチチゲ(笑)
昨晩食べたものとは全く違う、家庭的で美味しいチゲだった。
お姉ちゃんの調理も美味しいけど、きっとキムチが美味しいんだろうな。
ご飯を食べ少しだけビールを呑み(姉妹はお酒好き)、時刻は18時半近くになっていたけど6月中旬のソウルはすでに夏が始まっていて、まだまだ外は明るい。
スジンの提案で裏の山を少し散歩する事になりました。
写真だけを見たらここがソウルのど真ん中だと誰が分かるだろうか、と言うのどかさ。
スジンの後ろをついて、特別な会話はなくただひたすらに静かに歩き続ける。
歩いていて驚いたのが畑の多さ。
この辺りで作った野菜はスジンの家の近所の個人商店などで売っているそう。
帰りに通った小さな商店の店先にきゅうりやサンチュなどの野菜が並んでいて、これはこの辺りで採れた野菜だよ、と。
こんな都会で地産地消。
韓国は、ちょっとした隙間で野菜を栽培している空間が多いように感じる。
スペースがあるから、ちょこっと葉物を育てる。
お花ももちろん良いんだけど、食べ物を育てる辺りがなんだか韓国ぽくてすごく良い空間だな、と見かけるたびににんまりしてしまいます。
山道から外れて公道に出ると一軒のギャラリーが。
カフェスペースで五味子エイドを飲みながらひと休憩。
上に乗っているミントはギャラリーの敷地内で栽培しているんだそう。
ちょっと散歩のつもりが山を降りたのはギャラリーを出た時点ですでに20時。
ここからまたゆっくり山を降りて自宅へ帰ります。
家に着く頃にはうっすら暗くなり、内容は覚えていないけど家に着いた後も私たちはお茶を飲みながらおしゃべりを続けたのでした。