4000バーツのアイシャドウで得るモチベーション
自慢にならないけれど、私はファンデーション、アイシャドウ、マスカラなどのメイク用品に一切お金をかけない人間です。
理由は簡単「どうせ消耗品だから」
毎朝メイクして、夜にはきれいさっぱり落としてしまうものにお金をかける意味がよく分からなかった。
それだったら、肌を整える基礎化粧品にお金をかけたほうがよくない?
肌は一生ものなんだし!と思っているので、化粧水やクリームにはいろいろな投資(?)を行ってきました。
そんな私ですが、価値観を変える出来事が!
あるとき、お仕事でお世話になっているお姉さまと会食中のこと。
まぶたがキラキラしていて、すごくきれい!
アイシャドウはどこのですか?と聞くと嬉しそうな顔になって
(女性は、メイク用品を褒められると嬉しいものだ)
「これは、トムフォードだよ」と。
また別の日、友人とランチしたときのこと。
彼女もまぶたがキラキラ、こっくり影ができていてかわいい。
どこの?と聞くとまたまた嬉しい顔して
「これね~、シャネル」と。
えー。みんなハイブランドのもの使ってるんだぁ。
なんでも調べられる時代、私は早速値段を調べてみました。
なんと、トムフォードもシャネルも1万円をこえているんです!
うわー、私今使ってるのドラッグストアで700円なんだけどな。
特に不満もないしなぁなんて思いつつ、好奇心が勝ってしまった私は
私でもキラキラになるのかを試すべく、トムフォードのコスメカウンターに向かいました。
ばっちりメイクのBAさんに、アイシャドウを探していますというと
「あなたにはこれが絶対に似合う!」と即決で淡いベージュと淡いピンク、淡いグレーと控えめなゴールドラメの4色がセットになったものを持ってきてくれました。
えー、せっかく買うならもっとパリッとした色がいい。高いんだし、目立たせたい!控えめなラメじゃなくで、大粒のラメがいい!みなさんご覧ください、トムフォードです!ってアピールしたい。
そう思った私は、大粒ラメの派手なパレットを指さし「これじゃなくて、これがいい!」とBAさんに言うも
「絶対、これじゃない!あなたはこれがいい!!」と譲りません。
これこれ合戦の結果、わたしが折れた。
たしかに、このお姉さん(タイのBAさんはトランスジェンダーの方が多い)メイクのセンスいいわと納得して、タッチアップしてもらうことに。
すると、どうでしょう!
まぶたは上品にキラキラしつつ、まつ毛の間にはこっくり締め色がきいて
印象深い目になっているではないですか!
「おおお!」と感動する私の横で、ドヤ顔のBAさん。
ほら言っただろ、小娘が。と言わんばかりでした。
アイシャドウだけでこんなに変わる?いつもの私じゃないような感じ。
高いものにはそれなりの意味がある。
この時ほど、それを実感したことがあっただろうか。
気が付けば、「TOM FORD」のロゴがプリントされた紙袋を手に
ルンルン気分でデパートを後にしていました。
お値段なんと、4000バーツ。日本円で約16,000円。
昨日まで700円のアイシャドウを使っていた女にとっては、かなりの奮発。
これは、女の自己満足なのかもしれない。
他の人からすれば、なにも変わっていないように見えるのかもしれないのですが、女性という生き物は、前髪がきまらない、眉毛が上手く描けなかった、あごにニキビができている。こういう些細なことで、モチベーションが大きく左右されるものなのです。
700円が16,000円になったところで、だれも何も気が付かないかもしれない。君の瞳は印象深いね、なんて言われないと思うのですが、それでも私には大満足なのです。鏡を見ては「うん、買ってよかった」と毎日、自己満足しています。
ものの5分で終了していた朝のメイクが楽しくて時間をかけるようになり、丁寧にアイメイクをするようになりました。夕方に鏡を見ても、4000バーツのラメの輝きは消えていない。よれていない。そういうことがモチベーションを大きく左右するのです。
えいや!と高いお買い物をしてみたお話でしたが、たまにはこういうのもいいかもしれない。
アイシャドウひとつで、がんばれてしまう不思議な、単純な私のお話でした。