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#21 看護雑誌『エキスパートナース』|私の心惹かれる雑誌


看護学生のときにお世話になっていた看護雑誌があります。
当時はお金に余裕がなかったから、毎月決まっての購入はできなくて、実習に役立ちそうな内容のものを抜粋してたまに購入していました。


訪問看護に挑戦するため転職活動をしていたとき、久しぶりに手にとったこの看護雑誌『エキスパートナース』

訪問看護の世界に飛び込んで1年たった今、節目としてリフレクションする機会を作ろうと思い、改めて当時購入した雑誌を見返してみました。

振り返って新卒時代のことを思い出したり、2年目また頑張れそうだな~と思えたきっかけになったので、その振り返りの一部を言語化する回にします。


看護雑誌の良さ


最近は、病気を抱えた人たちが病院の中で暮らす時代は終わりつつあります。

雑誌でも、「退院後の社会資源の活用ポイント」や「多職種カンファがうまくいくコツ」など、病院内で完結する医療ではなく、地域と繋がるスキルが重宝される時代になってきました。背景には国の医療費の問題が大きく関わっているのですが、今回は割愛します。

いずれにしても、この「多職種連携」や「退院支援」「地域医療」というものは、私たち看護師にも求められる技術になりつつあります。

今や、先生の助手や注射ができるのが看護師ではないのです。むしろそんなことより、大切なスキルはもっとたくさんあると思うようになってきました。

ちょうど1年ちょっと前、訪問看護を始めるにあたり、色々勉強しておこうと思い何冊かの雑誌を購入しました。

雑誌の良さって、参考書や教科書にない生の情報があることだと思っていて。

例えば
・「これからやる」人も、「自分のやり方を見直す」人も必見!ナースの勉強法
・”教える”もスキル化する
・先輩ナースの上手な働き方
・患者と家族にじょうずに向き合うための方法[説明・指導時にやってはいけないこと]

個人的にはかなり惹かれる見出しなんです。

実際わたし自身も現場で、
・患者さんやご家族に、人工肛門のケアを指導したとき、「こんな難しいことできるわけないじゃない」と言われなかなか指導が進まない。
・次々と分からない病気が出てきて勉強が追い付かない。何に気を付けながらこの患者さんを担当したらいいんだろう。
・後輩の指導が上手くいかない。
・これからこの大変な仕事、子育てしながらやっていけるのかな。

ある程度の経験を積んだあとは、病気の知識や看護技術よりコミュニケーションや勉強方法、これからの看護師キャリア、スタッフ教育に頭を悩ませることが多いです。
現場で働くと、このように教科書だけでは解決できないことが増えてきます。

多分これって、看護師に限らずどの職種でも同じだとは思いますけどね。


思い出した新人看護師時代

私は新卒時代をICU(集中治療室)で過ごしました。 

当時はすでに、新人看護師教育のカリキュラムの中にも「退院支援」や「地域看護」という分野は重視されていて、実際に私も机上での教育はたくさん受けてきました。

しかし、実際「イメージもわかなければ、現実味がない」が本音でした。

ICUは薬剤や機械をたくさん使って、治療を行う部門だったので、回復して一般病棟に戻っていく患者さんを除いては、自宅に戻れるような状態の人はいませんでした。実際のところ、そこでの退院は亡くなるとき。

そんななか、一人だけICUから「生きたまま」自宅退院された方がいました。
心不全の末期で、強心薬を注射投与していて、その薬の投与を止めたらおそらくすぐに心臓が止まってしまう状態の患者さんでした。

ご高齢の男性でしたが、娘さんが面会に来られたときに
「家、帰りたい」って言ったんです。それに対して娘さん「帰ろうよ」と一言。

そんなシンプルなやりとりから一気にことが進みました。当時の部署の師長さんが、自宅退院の支援経験が豊富な方ということもあり、すぐに他の部署の退院支援部門と連携を図って、翌々日には自宅に退院されました。

その数日後、お亡くなりになったというお電話をいただきましたが、そのとき「あんな状態でも家に帰れるんだ」と思ったし、心の底から「家に帰れてよかったな」と感じました。

何より退院までの師長さんや退院支援部門の看護師さんの動きが速くて適格で、すごく感動したことを覚えています。

当時の重症度が高い患者さんを相手にじっくり向き合うことができるICUでの仕事は、私に向いていたと思うけれど、
やっぱり、早い段階でここから出て一度は退院支援に直接多く関われる場所で経験を積みたいと思い、転職に至ったという経緯もあります。

訪問看護師2年目です

そこから、一般病棟やデイサービスなど転々として数年たった今。気が付くと看護師経験10年になろうとしています。訪問看護の世界に入って2年目になりました。
こうやって病院時代の看護師生活を思い返すと、わたしは病院からバトンを渡される立場になったんだな~としみじみ。

あのときを振り返ると、わたしが訪問看護に挑戦したことは必然のような気がするし、1年の節目を迎えたタイミングでこの看護雑誌『エキスパートナース』を再び手に取ったことも意味がある気がします。

看護師を続けるわたしにとって、この雑誌の心惹かれる記事のおかげで、職業に誇りが持てるような瞬間や、現在のキャリアに至ったヒントに気付けた瞬間があったことは結構ありがたい。

やっぱりわたしを動かしてくれるのは言葉なんだよな。

ライターを目指すにあたって、わたしもそんな疲れる看護師さんたちの心惹かれる記事がかけたらいいな~

なんて感じた今日でした。

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kozu
ありがとうございます。お勉強の息抜きコーヒーをいただこうと思います☕️