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愛と笑いの夜~今年の新宿三井ビルのど自慢雑感~
僕にとっての夏の恒例行事である「新宿三井ビル会社対抗のど自慢大会(通称:三井ビルのど自慢)」の第47回が8/21(水)~23(金)の3日間無事行われました。
今年も夏季休暇をここに当て、トータルで20時間ほど滞在。あ、もちろん実際やってるのは各日17時~21時くらいなので、それ以外の時間は早めに行っての場所取りです。各日2~3時間前に入って階段に座って長時間場所取りをするような経験これ以外ではなかなかないですね。
そもそもの説明を書いていなかったのでちゃんと書きますが、このイベントは西新宿高層ビル街の一角をなす新宿三井ビル地下1階から55階までに入っているテナントの社員のみが出場できるのど自慢大会です。その歴史は今年で47回を数え、コロナ禍の開催中止も含めるとその歴史は50年以上。サラリーマン・OLの悲喜こもごもの全力パフォーマンスがビル外の会社員(もちろん僕もその一人です)までをも虜にする、もはや東京を代表する「祭」です。
特徴として、各会社が数日ため込んだシュレッダーを持ち込み、それを紙吹雪として利用する「シュレッダー紙吹雪」があるのですが、日ごろの業務の「余分」であるシュレッダー紙屑が、この日ばかりは照明に映える美しい粉雪と化す姿に、観衆の大半を占める労働者たちは笑いながらもグっときてしまうわけです。
こののど自慢の何がそこまで魅力的なのか、何が特別なのか。なかなか言葉で説明することは難しいのですが、敢えて言うならば「いい大人であるお客さんが全力で楽しんでいる」ということなんだろうと思います。もちろんステージで繰り広げられる極上のパフォーマンスあってのことではあるんですが、それをある種同じ一労働者として仲間ととらえ、ただの傍観者ではなく応援者としていつしか全力で楽しんでしまう、そんな空間があの西新宿高層ビル街で1年に3日だけ出現しているわけです。事実、僕が初めて見た2016年の42回大会。もはや伝説となっているとある男性社員による「卒業/尾崎豊」を目にして、隣の知らないお姉さんは狂ったように「尾崎~!!尾崎~!!」と叫びまくっていました。もちろんそこで歌っているのはマクロミルというリサーチ会社の一般サラリーマンの方なのに。
たまに「素人の歌や踊りを(家族や同僚でもないのに)見て、なんで楽しめるのか」みたいなことを言われることがあります。僕は常々、エンターテインメントはレベルが高ければ面白いとは限らないと思っていて。僕の好きなサッカーで例えると、世界最高峰と言われるチャンピオンリーグで行われる「マンチェスターシティvsレアルマドリード」みたいな試合も面白いですが、愛している地元のクラブが戦うJFL(J3の下)のリーグ戦の1試合の方が面白いということは全然あって。これはつまり、目の前で繰り広げられることのレベルの高さと感動は必ずしも一致しない、いかに思い入れを持って見れるかどうかで得られる感動は大きく異なるということで。人間の気持ちってとても不思議なものだなあと思います。
僕が世界一好きなバンドThe Stone Rosesのジョンスクワイアは1989年に「90年代はオーディエンスの時代だ」と言って、あえてステージにスポットライトを向けず、スモークを焚いて逆光をあてていました(こうするとメンバーの顔はほとんど見えず、シルエットだけのような感じになります)。これはステージ上を特別視させない、スターなんていない、君たち全員がスターであり主役なんだというメッセージだったわけですが、ちょっと信じられないかもしれませんけど、僕は毎年三井ビルのど自慢を見るたびにこの言葉を思い出しています。
そして、なんならむしろ、そう簡単に見れない貴重なものでもあると思うんですよね。上手い歌、美しいダンス、そっくりなモノマネ。いずれもお金を払えさえすれば見れるものばかりです。でも「新宿三井ビルで働く会社員が歌い踊り、同僚たちがシュレッダー紙吹雪をかけて一心不乱に応援する」姿だなんて、どんなにお金を払っても他で見れるものではありません。なんだかとても贅沢なものでもあると思うんですよね。
より高いレベルのものを追い求めていくだけの人生よりも、そういうものを楽しめる人生の方がいいなと僕は常々思っていて。要は愛ですね。そして笑い。その二つがある現場を僕はずっと追い求めていきたい。なんなら人生のテーマだというくらいに思っています。
長くなりましたが、ここからは今回の大会の個人的振り返りです。少し動画も貼ってますので合わせて楽しんでいただけたら幸いです。
①昨年からのリベンジのドラマ
今年上位3組に入ったのはいずれも、昨年の大会で悔しい思いをしたチームばかりでした。3位の三井レジデンシャルリースのKinki Kidsは昨年光GENJIで「今回で僕らは解散します!」と宣言し、見事なパフォーマンスをしたものの結果は19位。2位のターリー屋社長、1位のウィルオブ・コンストラクションのロマンスの神様はいずれも予選落ち。3組とも「今年こそは」と臨んだ47回大会だったはずです。
ファンからするといずれのグループも昨年も素晴らしかったので、昨年の結果に「なんで??」とも思っていたのですが、事程左様にパフォーマンスの採点というのは難しく、審査員が誰かによっても大きく変わるものです。決して絶対的なものではなく、もちろん選曲やその時のパフォーマンスでも変わりうる。これは、今年残念な結果だったグループにも来年雪辱を果たす大きなチャンスが眠っているという「可能性」の話だと思うんですよね。
今回の3組の躍進は、他のグループにも勇気を与える素晴らしい結果だったんじゃないでしょうか。
②出演者の皆さんからの認知
2016年から見始めて、「小僧」というハンドルネームで本格的にTwitter実況を2018年から始めて、そしたら徐々に同じようにやっている人たちと仲間意識が芽生えて、最近は同じエリアで一緒に見るようになりました。
そうすると、演者の皆さんからも認知されるようになってきて。今年僕が推していたパーソルクロステクノロジーのBE:FIRSTが僕を探しているという情報が友人伝いに入ってきたりとか、三井ホームのモー娘。が我々の席にやってきて「小僧さんいますか?」と尋ねてくれて、のこのこ顔を出したら「きゃー!!写真撮りましょう!」ってなったりだとか(BE:FIRSTとも同じ感じになりました)、同じく三井ホームの山崎まさよし(今年は秦基博)が「予選落ちしてもう辞めようかなとも思っていたんですが、小僧さんのTweetで来年も出ようと思いました。これ(胸につけるゼッケン)預けるので来年まで持っていてください。必ず来年決勝行きますんで!」と言われたりとか。挙句の果てには三井不動産レジデンシャルリースのKinki Kidsのお二人から「小僧さん!僕らのことももっと書いてくださいよ…」と懇願される始末。
もはや僕はなんなのか?これで偉ぶってしまったりすると、偉ぶった評論家とか、勘違いしたファンになってしまいそうで本当に怖い…とにかく謙虚でいようと思います
③シュレッダー紙吹雪の「甲子園の土」化が公認に
当日の最初にいろいろ注意事項のアナウンスがあります。例えば「傘拡げないでくださいね」とか「オフィシャルのカメラやTVが入っているので映りこむ可能性があります」とか。その流れで「シュレッダー紙吹雪を持ち帰らないでください」というのが今回追加されまして。
実は、僕は毎年シュレッダー紙吹雪を甲子園の土のようにしてジップロックに入れて持ち帰り、翌年返すという行為を繰り返してまして。昨年はTBSからの取材を思わずOKしてしまい、あれが全国ネットで流れたらマジでヤバい…と後から怖くなってガタガタ震えていたんですけども(幸い全カット)。これはついに僕の行為が怒られるということなのかなと思ったんです。そしたら…
新宿駅とか周辺の飲みやさんとかで、この3日間シュレッダーの紙屑が落ちていたら<あのイベントだな…>ってバレちゃうから、ちゃんと身体についたシュレッダーは払ってくださいね!あ、ファンの方でジップロックで甲子園の土みたいに持ち帰っている人いるみたいですけど、あれはいいです
まさかの僕の行為が公認に!!たぶんこれやってるの僕だけなのでマジで驚きました。
④Xでのバズり
これまでも僕のXのアカウントにおいて、1年で1番リアクションがあるのはこの期間。多いポストで200RT、200FAVくらいがつくことはあったんです、たまに。
ただ、今年は注目度が違ったのか…僕からしたら「とんでもない」というレベルでリアクションがありまして。一番リアクションがあったスターバックスのYOASOBIアイドルは1ポストで216万インプレッション、噂のインプレゾンビを喰らってしまうというとても貴重な体験ができました。それ以外の含めて結局3日間トータルで約430万インプくらいいきまして。しばらくスマホが鳴りやまず、ちょっと怖いというレベルになっていましたね。
今年の振り返りはこんな感じです。
昨年の振り返りは三井ビルのど自慢有識者として最も有名な下井草秀さんをゲストに迎えたPodcastも配信してますので、ぜひそちらもお聞きください(できれば今年の振り返りも早いうちに収録したいなと思ってます)。
それではまた来年。三井ビル~最高!