「ハイキュー!!」デビューでハイブリッド体験してきました!
島田薫です。
先日、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“頂の景色・2”のゲネプロを取材してきました。
同作は、高校バレーボールを題材にした古舘春一さんの人気コミックが原作。2015年11月に初演され、シリーズ11作目となる今回、終幕を迎えます。
主演を務めるのは、2019年から4公演連続で醍醐虎汰朗(だいご・こたろう)くん。新海誠監督のアニメ映画「天気の子」で主人公の声を担当した俳優さんといえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。
この「ハイキュー!!」、人気の作品であることはもちろん知っていたものの、今回、ファイナル公演でようやく”デビュー”することができました。
「テニスの王子様」から始まり、「刀剣乱舞」でさらに注目の集まった2.5次元ミュージカル。いくつかの作品を観劇しましたが、「ハイキュー!!」で感じたのは、ほかの2.5次元ミュージカルにあるようなキラキラした王子様感のない、いい意味での泥臭い青春でした。スポーツもの、しかも個人競技ではなくチームプレーのバレーボールという競技を扱っているからこそ、よけいに高校生男子の人間ドラマを感じたのかもしれません。
そして何よりも驚いたのが、舞台の傾斜。舞台用語で、傾斜のついた舞台を“八百屋”というのですが(八百屋さんの店先に商品が並んでいる傾斜のついた台を思い浮かべてください)、「ハイキュー!!」は傾斜の角度が尋常じゃないんです。客席側手前と奥側で角度は違い、2段階になっているうえ、奥側は私の感覚的に45度はあったんじゃないかと思います。まるで“幅広い板の大きな滑り台”です。
その舞台上で芝居をし、所狭しと駆けめぐり、踊り、バック宙やバック転をするんです。すごい運動量ですよね。かつての出演者が「出演後は太ももがパンパンになります」「体力的にもう戻れません」と話していたのを思い出し、納得しました。
ところで、舞台上でどのようにバレーボールの試合を展開するのかも気になりませんか?もちろん、リアルの試合がそこで行われるわけではないのですが、映像と効果音、そして出演者の動きで不思議と試合を見ている感覚にさせられるのです。
とにかく、舞台装置と演出、キャストの運動神経のよさ、運動量に度肝を抜かれた「ハイキュー!!」。ステージ上で繰り広げられていたのは、まさに“ハイブリッドパフォーマンス”でした。
※一部地方公演はすでに終了していますが、17日から兵庫公演、23日から福岡公演、29日から東京凱旋公演予定です。
※写真は(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会