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天気とコンディションやパフォーマンスの関係性を考えたい。

この夏、鍼灸師としての学びを深めるため、『健康気象アドバイザー』の認定講座を勉強中。

この講座では、これまで「なんとなく」としか捉えられていなかった健康と気象の関わりについて、メカニズムに基づく知識を身に付け、「気象情報を活用した健康対策」をわかりやすく伝えるスペシャリストである「健康気象アドバイザー」を広く世に輩出することを目的としています。

(NPO法人バイオクリマ研究会 講座案内より抜粋)
https://www.bio-clima.net/wp-content/uploads/2024_pamph_17th.pdf

最近、"気象病"や"天気痛"といった言葉をよく聞くようになり、体感としてもあきらかに天気(天候、気候、季節なども含む)による自分のコンディション、パフォーマンスに影響を感じているので、ちゃんと理解してみたくて受講を決意。

いざ勉強してみて感じることは
「こんなに色んな要素が絡むの!?」
「まだまだ人間の身体自体も、環境から受ける影響についても、未知数なことも多いのね」
の2つ。

主には
生理学や病理学の視点(大気環境と身体、大気環境と病気の関係性)
を中心に、
地理学の視点(地域ごとの気候や気象と、身体の関係性)
住居学の視点(住まい、暮らしにおける大気環境と身体の関係性)
被服学の視点(大気環境と衣服と身体の関係性)
など、あらゆる学問=視点から捉えていくのがこの講座であり、ベースとなっている"生気象学・生気候学"というジャンル。

考えてみれば当たり前ですが、"衣・食・住"生活の中であらゆることと天気は密接な関係があって、
・どの視点で見るか

・複数の視点が複合的に混ざり合った結果としてのコンディションやパフォーマンス
の両方大事だなと痛感させられています。。

▼総じて多かった"暑さ"問題・対策

さまざまな角度から、季節や天気などの外部環境×体の関係性を知れた講座なのですが、総じて"暑熱"、いわゆる暑さに関することが多かった印象。
暑さ・寒さは重要な観点なのでどちらも語られるのですが、特に地球温暖化の影響で世界的に平均気温が上昇していることが人の身体に与える影響については危機感を感じました。

過去100年間の間で
・世界の平均気温は 約1℃ 上昇
・日本の平均気温は 約1.5℃ 上昇
東京の平均気温は 約3℃ 上昇

という驚異の数字…
厳密には東京の中でも地域別で異なるのですが、特に都心部では地球温暖化×ヒートアイランド現象で気温の上昇が激しいとのこと。

私はここ数年、千葉の田舎と東京の都心を行き来することが多いので、日々の天気予報を見ていても感じます。東京都心は圧倒的に暑い…。
明らかにこの暑すぎる環境、体調を崩したり、崩さないまでも不快ですし、集中力などのパフォーマンスに影響がでますよね。オフィスワークがメインな生活ですらそうなのだから、学校現場や、医療、建設、農業の現場などはいわんやをや…と恐れおののいています。

▼侮ってはいけない、熱中症警戒アラート/熱中症特別警戒アラート

ところで、最近よく目にするこれ。

環境省 熱中症予防サイトよりスクショ
https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php

「赤だな~警告出てるな~」
ぐらいに捉えていました(危険なんだなと頭では認識していた)。ちゃんと知らなかったこのアラート、指標はいわゆる「気温」だけの判断ではなく、<暑さ指数>と呼ばれているもので、国際基準にもなっている指数なのだそうです

ここでの警戒は、本当にやばい(真剣に気をつける方がいい)やつであることを学んで気づきました。

熱中症を予防することを目的として1954年(!)にアメリカで提案された指標で、労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されています。(参考:環境省 熱中症予防サイト)

気温だけでなく、人間の身体の"熱"バランスに影響の大きい湿度、輻射熱、風(気流)も指標に含まれており、総合的な"暑さ"に対する指標になっているとのこと。(確かに、同じ気温でも湿度や風が違えば体感は全く異なりますよね。)

じゃあこの指数が何だと、どんなことに気を付ければいいのか?
それは熱中症予防サイトに、日常生活と運動をする時の基準が分かりやすく出されています。

(熱中症予防サイトより抜粋したスクショ)
(熱中症予防サイトより抜粋したスクショ)

あれ?
1番上の、{気温(参考)35℃以上⇔暑さ指数(WBGT)31以上}
って、もはや日本の夏の日常じゃないですか?

📣運動は原則中止📣 だそうです(驚)

そして、アラートとこの暑さ指数の関係は、

■熱中症警戒アラート<紫>:暑さ指数33(予測値)
■熱中症"特別"警戒アラート<黒>:暑さ指数35(予測値)

です。
これを踏まえて改めて先ほどの予報を見てみてください。

環境省 熱中症予防サイトよりスクショ
https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php

わあ…
8月末という夏の終盤ですら、紫=熱中症警戒アラート地区が多い…!
そして赤の時点ですでに📣原則運動は中止📣レベルなんですよ。。

こういった測定は地域の代表地点、ある種の観測条件の整ったところで計測されているものなので、今自分が居る場所・この環境の暑さ指数がどうなのか?はまた違ってきます。炎天下のアスファルト舗装された場所や空調設備の整っていない屋内などではもっと高い数値になることも。恐ろしい…!
(今ではこの暑さ指数を計測できる、ポータブルな機器も販売されているようで、"今この現場での安全性の確認"に使用が推奨されているそうです。)

そうはいっても、じゃあその地域の人全員が快適な屋内で過ごせるかというと、それは非現実的。屋外、さまざまな環境下で活動せざるを得ないのが現実。
そして同じ環境下でも、人間側はこれまた1人一人違う。年齢、性別、体格、活動量、としてその日のコンディション(例えば寝不足であれば、必然的に体力は落ちるので、暑さへの対応力も低下します。)。それらが複合的に相まって、いいパフォーマンスにもなれば熱中症をはじめ不調になっていく。
だからこそ、今いる環境の危険性を把握すること、そしてそれに対して"今日の自分は”どうなのか、関わる一人ひとりの状態や対策は何が必要なのかの準備や対応が大切なんだということを深く認識させられました。

▼日常生活で活かせることをどう伝えていくのか

この講座では学問として学ぶだけでなく、「入浴」「運動」「スキンケア」「住居環境」などかなり具体的な日常生活に落とし込んだ視点でも専門家の最新研究事例などを学べました。すぐに活かせるものも多く、受講してよかったと感じています。

「サウナ(と水風呂)は体にいい」
「汗をかくことはいいことだ」
「長風呂は体にいい」
こういった「●●は体にいい」の一言だけが切り取られ拡散されがちですが、いろんな要素が影響し合うから一概には言えないよ、ちゃんと自分の身体の仕組みや変化、正しい知識(とアップデートされていく最新情報)を知ることが大切だよ…をひしひしと感じています…。
鍼灸師である以上、簡単に中途半端なことも言えない、言うからにはちゃんと適切にお伝えしたいという責任感も増すから、発信にも時間がかかるのが正直なところ。

広く発信していくことも大切だと思うけど、まずは目の前の人、身近な人に、求められたら応えられる・気づいたら伝えられるように日々勉強していこうと思ったこの夏の学びでした。(たくさんのことを一気に学び、まとめるには時間がかかる&あれもこれもとなっちゃいそうなので、今回は感想だけに。)

※まだ終わってない、まだ認定に必要な課題の提出が残ってる…
レポートの筆が進まず、レポートを書く下準備になればと思って先にnoteを書いた次第です。無事に合格できますように…!

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