【米国株8/1~8/5まとめ】指数は上昇も勢い減?強い雇用統計で利下げシナリオ後退?
こんにちは、Kojiです。ペロシ訪台が騒がせ、ISM製造業・非製造業、雇用統計の発表があった週でした。株価は上昇してきたが、勢いが少し落ちてきました。リセッション、インフレピークアウトで利下げまで意識した金利の動きだが、足元の経済指標はそうとも言いきれない状況です。
チャートとニュースを振り返っていきたいと思います。今回は日別のサマリを作ってみました。
マーケットサマリ
8/1(月)
ペロシが台湾に訪問する報道で一時下がるも、ISM製造業の発表後上昇。ISM製造業の支払価格が大幅低下したことで、インフレピークアウト観測➡金利低下➡指数上昇につながった。新規受注が低下、在庫増加が景気後退を想起させたことも金利低下に影響か。
しかし、株価上昇は続かず失速、軟調な後半戦となった。ペロシ台湾訪問報道で地政学リスクが警戒された可能性。
8/2(火)
ペロシが台湾の空港に向かい、中国は戦闘機で威嚇飛行、台湾海峡を飛行禁止区域に指定した。ペロシが無事に台湾に到着し、指数はやや上昇。
中国は軍事演習を実施することを発表。
デイリー、メスター、エバンス、ブラード連銀総裁らが発言。10年金利は2.55%前後から2.77%まで上昇。ペロシ台湾到着あたりで上昇していた指数は、反落し小休止となった。
8/3(水)
ISM非製造業景況指数が予想を上振れ高水準となった。仕入価格が低下し、ISM製造業につづきサービスもインフレ圧力の緩和が示唆された。
FRB高官・複数人が発言し、インフレ退治コミット、金利牽制した。
FRB高官の牽制に反応薄く10年金利は上昇続かないで前日比低下。ISM非製造業のインフレ圧力緩和が影響か。指数株価は前日の安値を拾い上昇し、EMA200付近に到着。ビッグテックがしっかりした値動きで指数を牽引。ただし出来高は薄いままだ。
8/4(木)
雇用統計を控えボラティリティの低い静かな1日。指数はやや上昇し、EMA200にさらに接近。出来高はさらに少なくなっているので、雇用統計の発表待ちだろうか。
8/5(金)
雇用統計が発表され、10年金利は上昇、指数先物は下落した。
非農業部門雇用者数変化は前月および予想を大幅に上回った。失業率は低水準のままだが、労働参加率が上昇せず雇用が逼迫したままだ。時給は予想以上に上昇していたことで賃金インフレ継続。
FRBのインフレ退治に拍車をかける結果となった。
ただし株式市場はオープン後、下落がストップし上下揺れ動いた。雇用統計の強さからソフトランディングできるとの見方で株買いの意見もあるため、下落一辺倒とはならず留まって引けとなった。
来週から機関投資家は夏期休暇にはいるので、出来高はスカスカに。鬼の居ぬ間に…?
S&P500 前回高値を目前に横ばいへ+0.36%
前回高値の4,176に対して、今週は4,167とさらに接近したが超えることはなかった。前週までと比べると、上昇の勢いはなくなり横ばいに移行してきた。
株価は20週EMA(ピンク曲線)を上に抜け、20週EMA・20日EMA(緑色曲線)・40日EMA(赤色曲線)が上向きとなっている。EMAからは上昇を示唆するチャート。ただし、200日EMA(水色曲線)はテストできておらず、本格的な上昇と見なせない微妙なタイミング。
フィボナッチで見ると、38.2%ラインを上に抜けたポイント。シナリオ変わらず紫色ボックスの範囲で、反落するか上に抜けるかをモニタリングしたい。下値も変わらず3,900付近を下抜けるかどうか目線継続。
雇用統計の強い結果をきっかけに、金利は上昇したが、株価が無反応に近い値動きをしている。それまでのFRB高官の発言も影響しているか。
一時的に金利上昇に伴って週末の株価も下落したが、その後持ち直す動きを示し、株価の強さも見られた。
今週、利上げ予想が赤枠の75bpが優勢となる変化があった。引き続き10年金利が次週どう動くか見届けたい。
インフレファイターのFRBが次週のCPIに合わせてどうさばくかに注目。
Q2決算はやや改善中
前週までと比べ、決算クリア・EPS成長は改善進捗している。
S&P500のEPSは予想に対してクリアが68%➡73%➡75%と週を追うごとに改善してきている。
S&P500の売上も同様に65%➡66%➡70%と予想クリアが割合高まっている。
6月末のときに比べ、Q2のEPS・売上成長は改善。依然としてエネルギーが好調で、他のセクターはEPSが好調とは言えない。ヘルスケアがEPS改善しているのは際立つ。
22年・23年EPSは低下の一途を辿っており、とくに23年は下げ幅が拡大している。
PERは10年平均(青点線)をやや上回る。現状のPERを高いと見るかどうかの見方は意見が割れそうだ。
週足
週足は20月EMA(ピンク色曲線)を上に抜けてきた。ただEMA5(青色曲線)はEMA20(黄色曲線)にまだ届かず。
MA200より上にあるSP500銘柄
34.39%➡35.18%に上昇(+0.79pt)。上げ幅は前週に比べ小さい。
遅め設定のMACDがもう少しでゴールデンクロスだが、まだ抜けてない。
ナスダック100 +1.99%
ナス日足は上記リンクにチャート解説を投稿したのでご覧ください。
週足
EMA20(黄色曲線)をしっかり上抜けしたナスは20月EMA(ピンク色曲線)とEMA40(赤色曲線)をトライする目前まで上昇。
MA200より上にあるナス100銘柄
30.39%→32.35%にやや上昇(+1.96pt)。雇用統計があった金曜はやや低下している。
セクター
金利低下の恩恵を受けるビッグテックが牽引。
週間ベスト
1. テック +1.9%
2. 通信 +1.3%
3. 一般消費財 +0.9%
週間ワースト
1. エネルギー ▲6.8%
2. 不動産 ▲1.4%
3. 素材 ▲1.3%
サイズ・タイプ
・小型グロース +3.0%
・中型バリュー ▲0.9%
1週間のセクター値動きは以下投稿を参考にどうぞ。
各種指標
Fear&Greed Index
とうとうニュートラルに生還(前週42➡今週50着地)
機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index
前々週 44.48 ➡ 前週 47.21 ➡ 8月3日 55.28(前週差 +8.07pt)
50を超えてきて徐々に改善。
Bull/Bear Ratio
こちらもやや改善。
ヒンデンブルグオーメンは無点灯
8/5時点では無点灯。
炭鉱のカナリア HYG ハイイールド債
HYGは上昇を試しているが、横ばいな一週間。雇用統計の発表があった金曜は下落スタートからレンジに戻す動き。
来週HYGが下がっていくようなことがあると、指数も危ういか?
ハイイールド債のスプレッドが続落。スプレッドを見る限りはHYG下落の兆候は今のところはなさそう。
金利と今週のニュース
ISM製造業景況指数
FRB高官が続々と牽制へ
デイリー連銀総裁
エバンス連銀総裁
メスター連銀総裁
ブラード連銀総裁
ISM非製造業景況指数は予想に対して上振れ
カシュカリ連銀総裁
ボウマンFRB理事
金利は低下継続
10年金利もだいぶ低下してきて、債券が割高になってきたタイミングか?
雇用統計の結果を受けて、2年金利が最も反応し上昇。
9月の利上げ予想はこれまで50bpが優勢だったが、これが75bp優勢に変化してきているため、現状は上記図から変わってきている。
イールドカーブ
長短金利差は逆イールド拡大
10年と2年の金利差はマイナス0.5%近くまで下に深掘り。
10年と3か月の金利差は前週からやや上昇。
実質金利はレンジ
今週、実質金利の低下はとまり、反発している。
個別株の決算発表
ON オン・セミコンダクター
決算クリア
ZI ズームインフォ
クリア
FANG ダイヤモンドバック
クリア
TMDX トランスメディクス
EPSミス
CF CFインダストリーズ
全ミス
MAR マリオット
クリア
WAT ウォーターズ
ガイダンスミス
AMD アドバンスト・マイクロ・デバイセズ
Q3ガイダンス売上ミス
PYPL ペイパル
FY22ガイダンス売上ミス
ABNB エアビーアンドビー
売上ミス
RGEN レプリジェン
クリア
IDXX イデックス
全ミス
SOFI ソーファイ
EPSミス
REGN リジェネロン
クリア
CVS CVSヘルス
クリア
MRNA モデルナ
クリア
MELI メルカドリブレ
クリア
CFLT コンフリューエント
クリア
FTNT フォーティネット
ガイダンスQ3売上、FY22売上ミス
OTLY オートリー
売上・ガイダンスミス
SKLZ スキルズ
売上・ガイダンスミス
FVRR ファイバー
売上・ガイダンスミス
DDOG データドッグ
FY22ガイダンス売上ミス
SQ ブロック
クリア
EXPE エクスペディア
クリア
HUBS ハブスポット
ガイダンスミス
NET クラウドフレア
Q3ガイダンスEPSミス
DUOL デュオリンゴ
EPSミス
DOCS ドクシミティ
ガイダンスミス
BIGC ビッグコマース
ガイダンスミス
TWLO トゥイリオ
ガイダンスミス
決算発表予定
8/8週の予定
イベント
10日 CPI
11日 PPI
アノマリー
新月相場(7月29日~8月11日)
満月相場(8月12日~8月26日)
ベア:8日
おわりに
来週はCPI発表があります。インフレピークアウトの兆候が見られるか確認したいとともに、FRBの動きと株価の反応を見たいですね。
次の記事を書く励み、定期的に更新するモチベーションになっています。 サポートしていただけたら、投資・チャート分析のインプットに役立てたいです。