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【米国株7/25~7/29まとめ】リセッショントレードで上昇が続く。金利低下はいつまでか?

こんにちは、Kojiです。Q2決算を無難に通過してGATMAN(GANTAM?)も上昇で指数は続伸。FOMC通過やテクニカルリセッションも後押し。その後のFRB高官発言が来週の金利動向にどう反映されるか注目。

チャートとニュースを振り返っていきたいと思います。

S&P500 前回高値に近づく上昇+4.26%

SPXと10年金利の連動性

リセッション懸念で金利低下、ショートカバーで上昇ラリーを続けてきた指数。チャートはきれいに金利低下と連動した値動き。前回4,175が上値の最大値に見えると書いたが、週末は高値4,140とかなり近付いてきた。

ここまでのラリーは以下2つの要因で上昇が続いているだろうか。

  1. Q2決算は思ったより無難に通過

  2. 景気後退観測➡金融引き締め後退の憶測➡金利低下

1.Q2決算が無難に通過

 ①Google等ビッグテック決算はSNAP決算ほど崩れていない
 ②テスラが堅調な決算

S&P500のEPSは予想に対してクリアが前週68%に対して今週は73%とやや進捗は改善している。

S&P500の売上は予想に対してクリアが前週65%➡今週66%。
ほぼ変わらず。

EPSクリアがやや改善して進捗している。

2.景気後退観測

政府はリセッションを否定するが、GDPが2四半期マイナスでテクニカルリセッション入り、経済指標の下振れでリセッションを意識するマーケット

景気後退、インフレピークアウト憶測により、金融引き締め後退の憶測➡金利低下につながっているだろう。

PCEの高い結果も10年金利の反応は弱く、低下し続けた。

概ねQ2決算が大ミスなく通過、景気後退からの金利低下で、米国株のラリーを肯定した動きのようだ。

上値は上記チャートの紫色のボックスあたりが意識されるか。前回高値の4,175前後のレジスタンスとその前の高値の4,300付近のレジスタンスを合成すると紫色のボックスとなる。
4,175付近はEMA200(水色曲線)が近付いてるポイントで、上昇するならテストポイントになりそう。いずれにしても来週は一段高の期待はありつつも、前週までの好調な動きほど軽い値動きになるかは疑問も残る。

下値はまずは3,900前後を下回れるかがテストポイントだろうか。

ラリーの行方は?

金利低下で連動してきた指数のラリーは、次の金利の動きで反転する可能性を秘めている。

10年金利

レンジの範囲を下回って低下してきた金利は、そろそろ債券が割高に見えてこないだろうか?金融引き締め後退からの金利低下は、きっかけがあれば再度金利は上昇していきそうだ。

直近での懸念は、FRB高官によるリセッション否定だ。
インフレ退治の手を緩めないと牽制発言が増えてくるだろうか。

FRB高官の発言によって金利が反応するかどうかが確認ポイント。
➡金利が上昇すると、指数は反落を始めるか?

また、インフレピークアウトの憶測はあっても、明確なピークアウトのデータはまだ観測されていない。10日のCPIにも注目が再度集まるか。

インフレNowcastの7月予想はCPI YoY+8.8%、コアCPI +6.05%と高い水準のままだ(下のグラフ)。10日のCPIが予想を上回る可能性も片隅に置いて考えておきたい。

GDP Nowの予想ではQ3はGDP+2.1%

テクニカルリセッションとなったGDPは、Q3予想が今のところ+2.1%。

9月は利上げ50bp予想が72%

9月の利上げ予想は50bpが72%だが、今後のインフレ状況やリセッション関連の動き次第で、予想が変わる可能性がある。

ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=71914?site=nli

今のところは、景気後退が来て、そろそろインフレピークアウトを憶測されている点から上記③が近いのだろうか。しかしインフレが長期化する可能性もまだ捨てきれない時期ですよね。

週足

週足でEMA20(黄色曲線)を上に抜けて引けた。もう少し上はEMA40(赤色曲線)なので、週足で上昇トレンドと見るにはEMA5とEMA40がゴールデンクロスするまでは不足感がある。

MA200より上にあるSP500銘柄は20.07%➡34.39%に大幅上昇(+14.32pt)。6月上旬の水準まで一気に回復。

ナスダック100 +4.51%

金利低下の好影響を受けやすいナスは、前回高値(黄色横線)の12,941を上に抜けて週末引けた。一目均衡表の雲を抜けてきた。

心配されていたビッグテックは決算発表後にGOOGL・AAPL・MSFT・AMZN・TSLAなど上昇を続けた。

次の上値は紫色のボックスの範囲(13,200~13,556)。フィボナッチ・リトレースメントを最高値から6/16の安値までで引いたとき、38.2%ラインが13,225で、13,200付近がテストラインとして、より一層意識されるだろう。

紫色直線のレジスタンスライン、EMA200(水色線)ともかぶるので、このあたりのラインは意識されやすい。

週足

前週抜けれなかったEMA20(黄色曲線)を上抜けて引け。次のEMA400がちょうど13,390なので、前述の紫色ボックスのレジスタンスとかぶる。上位足のレジスタンスになっているので、紫色ボックスは注意したい。

MA200より上にあるナス100銘柄は19.6%→30.39%と大きく上昇(+10.79pt)。4月中旬の水準に回復してきた。

週明け8/1の値動きを投稿したので参考に。


セクター

ENPHを始めとしてクリーンエネルギー関連が上昇したため、公益が好調。決算不調なMETAがある通信はワースト入り。

週間ベスト
1. エネルギー +10.2%
2. 公益 +6.5%
3. 資本財 +5.7%

週間ワースト
1. 通信 +0.7%
2. 生活必需品 +1.8%
3. ヘルスケア +2.0%

サイズ・タイプ
・中型グロース +5.4%
・大型バリュー +3.3%

1か月のセクター値動きは以下投稿を参考にどうぞ。

各種指標

Fear&Greed Index

Fear継続だが数値は徐々に上昇(前週39➡今週42着地)

構成要素のひとつである52週高値・安値銘柄数が、すでにExtreme Greedと強気シグナルだが、そろそろ感?

機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index

前々週 26.74 ➡ 前週 44.48 ➡ 7月27日 47.21(前週差 +2.73pt)
前週からさらに上昇したが、上昇幅は小さめ。

Bull/Bear Ratio

ヒンデンブルグオーメンは無点灯

7/29時点では無点灯。

炭鉱のカナリア HYG ハイイールド債

HYGがきれいに上昇を続けてきたことも、指数が上がるための安心材料となっただろうか。
チャートはEMA20とEMA40がゴールデンクロスで上昇トレンドを示唆するが、どこまで登れるかは様子見。指数よりは上昇幅は小さめ。

ハイイールド債のスプレッドは高値から1段下に降りてきたところ。

金利と今週のニュース

イエレン財務長官がリセッションの兆しはない見解

7月FOMC

GDPは2四半期マイナスでテクニカルリセッション入り

価格が予想を上回り、消費が下回る

PCEは予想並みで高いまま

ウォラーFRB理事が失業率5%以下でソフトランディングできる発言

カシュカリ連銀総裁がインフレ退治を念押し牽制

ボスティック連銀総裁もリセッション入り否定

金利は低下継続

10年金利もだいぶ低下してきて、債券が割高になってきたタイミングか?

イールドカーブ

逆イールドが常態化していますね

長短金利差は逆イールド定着で横ばい

10年と2年の金利差はマイナス0.2%台の逆イールドを維持。
10年と3か月の金利差はまだプラス圏だが、だいぶ低下してきている。

実質金利が1段下に低下

レンジを下抜け1段下のラインまで低下してきた。

個別株の決算発表

NXPI NXPセミコンダクターズ

EPSミス

KO コカ・コーラ

ガイダンスEPSミス

MCD マクドナルド

売上ミス

GOOGL アルファベット

EPS・売上ミス


MSFT マイクロソフト

Q4EPS・売上、FY22EPS・売上ミス

ENPH エンフェーズ・エナジー

決算クリア

SHOP ショッピファイ

EPS・売上ミス

META メタ・プラットフォームズ

EPS・売上・ガイダンスミス

QCOM クアルコム

ガイダンスEPS・売上ミス

LRCX ラムリサーチ

決算クリア

TDOC テラドックヘルス

EPS、売上、Q3ガイダンスEPS・売上、FY23ガイダンスEPSミス

PFE ファイザー

ガイダンスミス

TMO サーモフィッシャーサイエンティフィック

決算クリア

MA マスターカード

決算クリア

AAPL アップル

売上ミス

AMZN アマゾン

EPSミス

INTC インテル

全ミス

AVTR アヴァンター

全ミス

ABBV アッヴィ

売上・FY22ガイダンスミス

決算発表予定

8/1週の予定

イベント

1日 ISM製造業景況指数
3日 ISM非製造業景況指数
5日 雇用統計

アノマリー

  • 新月相場(7月29日~8月11日)

おわりに

ぼくはFRB高官による牽制で金利低下が止まる、反転上昇する可能性が来週の見どころかなと注目しています。
株価一段高を期待したい点とレジスタンステストで反落のどちらに振れるか次の波を見届けましょう。

次の記事を書く励み、定期的に更新するモチベーションになっています。 サポートしていただけたら、投資・チャート分析のインプットに役立てたいです。