【米国株8/22~8/26まとめ】パウエル議長発言で指数は下値を深める
こんにちは、Kojiです。ジャクソンホール会議のパウエル議長講演で、金曜は指数が3%超下落しました。今週はほかにPMI・GDP・PCEの経済指標が発表されましたね。
チャートとニュースを振り返っていきたいと思います。
マーケットサマリ
8/22(月)
10年金利は3%台に上昇を続けた。ジャクソンホール会議を控え、ルーさんのお話によると金利先物ショートの可能性。
指数は先週から続落。ナスは8月9日の安値を下回って引け。週初めは売り圧力が強め。
8/23(火)
PMIは軒並み予想下振れ。とくにサービスPMIはネガティブサプライズが大きい。リセッション懸念を深める要因に。
3%を上回って推移してた10年金利は、PMIが発表されるとやや低下へ向かったが2.9%台に入ると止まって再度3%台に上昇。
指数はPMI発表への反応は薄く、小幅下落となった。出来高は減少傾向が続く。ジャクソンホール会議を控えてるため値動きが鈍くなるタイミングだろうか。
炭鉱のカナリア HYGは陽線で反発。
カシュカリ連銀総裁がまたインフレ退治について言及。
ジャクソンホール会議でパウエル議長がタカ派姿勢を強めた発言をする可能性が報道されていた。
8/24(水)
ジャクソンホール会議のパウエル議長講演が控えているため、債券買い控え(or 売り?)➡3.1%台まで金利上昇。金利上昇したが、米国株指数は先日までの下落から反発・やや上昇となった。金利に反応しないところを見ると、ファンドの米国株ショート手仕舞いだろうか?
全セクターが上昇した日で、とくにエネルギーが強かった。HYGも2日連続の続伸。
パウエル議長の講演を前に9月利上げ予想は75bpが確率58.5%に上がってきた。
8/25(木)
GDPが発表され、3期連続マイナスでテクニカルリセッション継続。
10年金利は3.1%➡3.0%まで低下。金利低下の下支えで指数は引き続き続伸。週始めに作った押し目の窓を埋めにいくかは金曜に持ち越し。
ハーカー連銀総裁が、利上げ後はすぐには利下げしない意向の発言。インフレ退治の牽制もいつも通り。
8/26(金)
PCEは予想下振れ。前月比が総合 -0.1%/コア 0.1%と、前月比ではほとんどインフレしていない鈍化の結果。
パウエル議長の講演前にFRB高官らが発言。
ボスティック連銀総裁は利上げ後、水準維持したいと発言。利下げ検討は時期尚早。9月は50bpに傾くだろうとも。
ブラード連銀総裁は利上げ前倒しの発言。3.75%~4%と繰り返し。
パウエル議長の講演では、インフレ退治のために利上げを継続する発言。インフレ退治のためには企業・家計に痛みがともなうことは辞さない姿勢。「ソフトランディング」への言及がなかったこともリセッション意識へ。
また、金利を上げたあとは、しばらく維持する可能性が高いとした。
23年から利下げする市場の憶測を否定したことに。
直近のインフレ鈍化に対応したパウエル議長のハト化期待は後退。そもそもハト転換の期待があったのは意外なヨミだが・・引き締めスタンス継続。
直近の指数反発はハト転換を織り込む動きだったようだが、その憶測が後退したことで株価は頭を垂れる結果に。
現在は期待インフレ率も一緒に上昇しているが、一連の発言で10年金利が上昇するならば、5~6月頃と同様に、期待インフレ率が下がることが予想されるか?そうなれば実質金利が上がるため、株式にはネガティブ。とはいえ、すぐに6月の高値を超えるかと言われるとまだ先に見える。
10年金利が動かず、3か月金利だけ上昇するならば、逆イールド発生でリセッション確度が高まる可能性がある。
さて肝心の金曜の指数は、パウエル議長の発言をきっかけに重い展開へ。売り圧力が強く、23時以降は引けまでヒゲを作ることなく下げ続けた。指数は3%を超える下落となった。
10年金利はやや低下したものの3%台をキープ。金利の動きと株価の動きが連動していない。債券のほうが正しいとするなら、今週の株価の動きに違和感があるが、上記の通り10年金利が上昇するかどうかが次週以降の持ち越し案件。
HYGは前日まで3日連続の陽線だったが、金曜は大陰線となって3日間の上昇をリセットした。
S&P500はSMA100を下回る(週▲4.04%)
前週にSMA200(赤色曲線)を天井に下落をはじめて、下落からスタートした今週。さくっとEMA200(水色曲線)を下回り、20週EMA(ピンク曲線)まで到達すると反発するが、EMA200をしっかりと上抜けすることはできず、窓を埋めるには至らなかった。
パウエル議長の発言をきっかけに下げ始めた金曜は、下ヒゲをつけることなく3.37%の下落で大陰線となった。引けの株価はSMA100(紫色曲線)で反発せず下回り、弱気目線を示唆。チャートでは先週目安として挙げてた6月2日高値4,177も下に突き抜けているので、売り圧力の強さと弱気目線を支持するように見える。
次週、下値の深さをさぐる動きをするならば、超短期では7月22日4,012.44(黄色水平線)と、フィボナッチ23.6%ラインの3,915.76がわかりやすい意識ラインとなりそう。フィボナッチ23.6%付近には、サポートライン(紫色直線)があるのも偶然だろうか…?
どこまで突き抜けるかで適宜判断すればいいだろう。
しかし、ジャクソンホール会議イベント通過と捉えた買い戻しの動きがあるかに注視したい。買い戻しによる上昇があるならば、8月19日と8月22日の間の窓をまずは埋めていくかがターゲット。
週明けすぐに起きるかは疑問だが、下値をさぐる展開でもサポートラインで反発して買い戻し上昇につながる可能性は残る。チャート的には一目均衡表の雲ねじれに差し掛かってるので転換点となりうる。
このまま9月5日のレイバー・デーを迎えて下落に進むのか?波をつくりながら上昇できるのか?おもしろくなってきましたね。
週足
週足は20月EMA(ピンク曲線)の下まで下落。ほかのEMA20・40が下向き変化で、形は前週よりも悪化。
MA200より上にあるSP500銘柄
43.33%➡33.99%に低下(▲9.34pt)。2週連続の低下。
ナスダック100も窓を開けて続落(週▲4.82%)
ナスのチャート解説は上記リンクに投稿したので参考にどうぞ。
週足
ナスはレジスタンスライン(上の紫色直線)の内側に戻ってきた。
ひと足早く一目均衡表のねじれが来て転換点となっているようだ。基準線をさくっと割って、ちょうど転換線(緑色線)の上あたり。次週、転換線がサポートになるか?弱めのチャートなので、このまま転換線を下抜ければサポートライン(下の紫色直線)をテストするだろうか。
MA200より上にあるナス100銘柄
34.31%→28.43%に低下(▲5.88pt)。30%台を切ってきた。
セクター
週間プラスはエネルギーのみ。
週間ベスト
1. エネルギー +4.3%
2. 素材 ▲1.3%
3. 公益 ▲2.6%
週間ワースト
1. テック ▲5.6%
2. 一般消費財 ▲4.7%
3. 通信 ▲4.4%
サイズ・タイプ
・ベスト:小型グロース ▲2.6%
・ワースト:大型グロース ▲4.9%
1週間のセクター値動きは以下投稿を参考にどうぞ。
各種指標
Fear&Greed Index
GREEDからFEARに逆戻り(前週51➡今週44着地)
機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index
前々週 71.59 ➡ 前週 64.44 ➡ 8月24日 54.86(前週差 ▲9.58pt)
機関投資家のセンチメントも頭が垂れる。
Bull/Bear Ratio
8/23時点では0付近から低下した模様。
ヒンデンブルグオーメンは無点灯
8/26時点では無点灯。
炭鉱のカナリア HYG ハイイールド債
3つの窓を開けて、1つ窓は埋めたが、金曜の下げで1週間の安値に下落。直近は下落の日のほうが出来高が多め。
ハイイールド債のスプレッドが反発・上昇中。週後半はやや低下しているが、次週どうなるか。
金利
金利はやや上昇
10年金利が一時3.1%まで上がるが3.0%着地。先物ショートが積み上がって金利上昇しているとの情報があったが、どこまで伸びるか。
長短金利差
縮小していた金利差は再度ひらいた形。10年-3か月の金利差はレンジ推移で、まだプラス圏。
個別株の決算発表
DLO ディーローカル
EPS一致
PANW パロアルトネットワークス
FY22売上ミス
ZM ズームビデオ
EPS以外ミス
INTU イントゥイート
ガイダンスEPSミス
SNOW スノーフレーク
EPSミス
NVDA エヌビディア
EPSミス・ガイダンス売上ミス
CRM セールスフォース
Q3/FY22ガイダンスミス
AFRM アファーム
ガイダンスミス
MRVL マーベル・テクノロジー
ガイダンスミス
決算発表予定
8/29週の予定
イベント
31日 ADP雇用統計
1日 ISM製造業景況感指数
2日 雇用統計
アノマリー
新月相場(8月27日~9月9日)
ブル:29日、31日
ベア:30日
おわりに
まだまだインフレ退治がんばるぜ!とパウエル議長の発言とともに売りの市場反応が明確でした。FRB高官は何度も言ってたんですがね。
ただインフレピークアウトは粛々と進んできています。
この状況を受け、次週以降どんな動きになるか?ISM製造業と雇用統計があるので結果気になりますね。
次の記事を書く励み、定期的に更新するモチベーションになっています。 サポートしていただけたら、投資・チャート分析のインプットに役立てたいです。