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【米国株3/13~3/17まとめ】クレディ・スイス経営危機も早急な救済の動き。リスクヘッジ的なメガテック買い

こんにちは、Kojiです。

今週の4ポイント。
①SVB経営破綻に続いて、クレディ・スイスが経営危機
②CPIは無難通過、PPI下振れでインフレ減速
③NY/フィリー製造業景況指数が大幅下振れでリセッション必至か
④リスクヘッジの債券買い・メガテック買い

ニュースとチャートを振り返っていきたいと思います。

マーケットサマリ

3/13(月)

財務省・FRB・FDICがSVB破綻について共同声明
預金者を完全に保護する方法で破綻処理を完了する措置を承認
・FRBが銀行の資金繰りを助ける「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」を導入する
 金融機関を対象に、米国債や住宅ローン担保証券を担保として、最長1年の融資をする。政府の基金から最大250億ドルを利用できるようにする。
・預金者が3月13日からすべての資金にアクセスできる
・株主と担保を持たない一部の債務者は保護されない

HSBCがSVB英国部門を買収。

SVBに続き、シグネチャーバンクが事業停止。

バーキン総裁
・(50bp利上げに戻すか否かについて)いかなる決定にもオープン
・自身としてはまだ判断を下していないとし、「何かしらの可能性を選択肢から排除することは決してない」
・前回は25bpの引き上げを選択した。1会合で25bp利上げしたというだけで、毎会合その利上げ幅にしなければならないということはない
・需要減速のシグナルはあまり得られなかったが、供給面の正常化に関するシグナルは強まった
・SVB破綻が金融政策に与え得る影響について、主として経済的需要に目を向けていると説明。
・金融の安定が「影響を及ぼすかどうかは分からない」

3/14(火)

CPIはほぼ予想通り。前月比がやや上振れ。
家賃が強く根強いインフレの印象。

3/15(水)

CS筆頭株主のSNBが追加投資しないと表明。指数株価は急落。

CDSが急騰

2000bpのスプレッド…

PPIは予想下振れ

NY連銀製造業は予想大幅下振れ
前回 -5.8 予想 -8.0 結果 -24.6

小売売上高は前月比が予想下振れ

CSがスイス中央銀行に支援要請との報道。
スイス当局は安定化策を協議しているそうで、CSは支援意思を公表するように要請しているそうだ。

市場はこちらを材料にテック中心に買い戻しでナスダック上昇。

3/16(木)

クレディ・スイスは、スイス国立銀行(中央銀行)から500億スイス・フラン(約7兆1500億円)の与信枠を確保。

NYに続きフィリーも下振れ
前回 -24.3 予想 -15.6 結果 -23.2

ECBは市場予想通り50bp利上げ

ラガルド総裁の会見
長期的なインフレ予測の大半は2%前後で推移しているが、最近のボラティリティを考慮し、引き続き監視する必要がある
・成長見通しに対するリスクは下方に傾いている
・金融市場の緊張は極限に達しています。
・長期的な市場の緊張は、インフレのリスクとなる。
レートパスを予測することは不可能である。

3/17(金)

SVB親会社のSVBフィナンシャルが連邦破産法11条の適用を申請した
SVBは破産法適用の対象にならずFDIC管理下に置かれている
親会社は、残余財産を保護し、債券保有者を含む債権者への返済に取り組むため、破産法の適用申請が可能。

銀行関連の報道が続きます。

この土日でUBSがクレディ・スイスを買収する協議が続いていますが、まだ結論が出ていません。この後、進捗の報道が出てくるでしょう。

3/19 22:05追記

UBSがCSを最大10億ドルで買収提案
・スイス当局は、株主投票を経る必要がないようにするため法律変更を計画
・CS株1株に対し0.25スイス・フラン相当のUBS株で支払う内容
・CDSがスプレッドが100bp以上跳ね上がった場合には取引を無効にする「MAC条項」も主張

➡CSはUBSの買収提案に反対しているそうです。

FF金利予想は3月FOMCで25bp利上げ後、6月から利下げに転じる

Fedピボット期待で次の25bpを最後に利上げ停止を織り込んでいくが、Fedの意向とどのくらい乖離があるかが次の焦点ではないだろうか。FOMCの会見や以降の高官発言ですり合わせとなるでしょう。

10年金利は3.7%台から3.4%台まで低下

Fedピボット期待により金利低下の波が止まりません。2月頭くらいの水準まで下がってきました。

実質金利も1.44%➡1.29%に低下継続

最新の3/17数値は1.29(チャートは1~2日遅れ)
金利も期待インフレ率も下がる傾向は変わらず、差分の実質金利も低下している。

ドルインデックスは金利低下により下落継続

金利低下が続いたので、ドル円も下落継続。

S&P500(週+1.43%)

週足

今週は出来高の大幅増加をともなって上昇。
しかし高値切り下げ・安値切り下げの陽線。
トレンドライン(赤直線)の上まで回復。

SVB経営破綻に続きCS経営危機でリスクオフになりかけたが、救済に向けた速い動きで、指数は大きく上昇。金融セクターは芳しくないが、Fedピボット期待でメガテック主導の反発となった。

日足

今週の振り返り
月曜こそリスクオフで3,800近くまで一時的に落ちたが、SVB救済に向けたスピーディーな動きで、リスクオンの反騰となった。

CS経営危機の報道でまたもリスクオフになりかけたが、結局は速い対処のヘッドラインが報道され一服。

SVB救済の報道も出てきているので、そこを材料視して再びリスクオンでリバウンドする流れが想像できる。

前週note

先週はシナリオのひとつとして上記のように書いてたが、債券買い➡金利低下➡メガテック買い➡指数上昇となった。

金曜には、週末にヘッドラインが出るリスクから警戒売り・ポジション縮小により下落したのではないだろうかフィボナッチ38.2%ラインが出来高が多い価格帯でもあって、レジスタンスとして機能している可能性もある。

次週に持ち越しだが、FOMCがあるため、Fedピボット期待が剥落するのか、市場とFedの意思が合致するのか週後半には明らかになる。

次週のシナリオ
①上昇気流に乗る場合
CS危機の救済進捗も気になるが、他に金融関連の悪材料がでなければ過度な下目線になることはないだろう。
もう一つの材料がFOMC。利上げ予想は幅があるが、大人しく25bpに着地するかどうか。

3,960の出来高が多い価格帯で阻まれた週でしたが、この価格帯を上に抜けるなら、上の4,000が節目。EMA200も待ち構えているので、4,000のレジスタンスをしっかり上抜けるかがテストポイント。

②悪材料や利上げ意思強い等リスクオフになる場合
金融関連の悪材料が再び出てリスクオフになる場合は、手前では3,840付近、その次が引き続き12月22日の3,764がサポートとなるかがテストポイント。

執筆時点ではUBSのCS買収がどうなるかが一つの材料だろうか?買収できなかった時にはネガティブか?ファースト・リパブリック・バンクも残っている。

MA200より上にあるS&P500銘柄

先週末41.35%➡今週末37.37%(▲3.98pt)
銀行関連の問題もあるためSP500は回復ならず。

ナスダック100先物(週+5.56%)

週足

メガテック主導のリバウンドで恩恵を受けたナスダック。
2月以降の下げ幅をほぼ取り戻した形だ。

チャートでは、EMA12(黒色曲線)を大きく下回ることはなく崩れなかったとも言える。その後今週はレジスタンスライン(赤色直線)まで上がって跳ね返された形だ。

レジスタンスラインを超えられるかどうかがリスクオン継続かどうかのポイント。

日足

今週の振り返り
月曜は11,800を下回ってたが、SVB経営破綻の続報が合って反騰開始。十字線でのスタートとなった。

CS経営危機の報道があっても、月曜ほどの下げになることなくリスクオン継続。金利低下➡メガテック主導の株式買いでナスダックは急角度で上昇推移。リスクヘッジで避難先として買われたメガテックが、次週以降どうなるかは材料次第。

チャートでは、レジスタンスライン(赤色直線)まで上昇したが、金曜の警戒売りでちょうど跳ね返された形だ。週末のヘッドライン警戒でポジション縮小したのではないだろうか。
EMAは上向き、SMA200はやや下向きから平行に近い向きで、短期的には上を示している。

次週のシナリオ
①リスクオンが続く場合
再びフィボナッチ78.6%をしっかり上抜けることができるなら、9月高値の屋形越えを狙う可能性はあるかもしれない。ただし反落ポイントになりやすい点は注意。まずは前哨戦のレジスタンスラインでの勝負に勝てるかどうか。

そのためには金融関連のヘッドラインが安心感を醸成すること、FOMCが通過できることが条件となりそう。

②さらなる悪材料出現でリスクオフとなる場合
材料次第によって当然下げ幅は変わるが、フィボナッチ38.2%ライン≒EMA200付近が下げ止まりとなるかが最初のテストポイント。

テストポイントを下抜けるとSMA200~11,677を目指す可能性がある。勢いの強さで下値の幅感を観測するほかない。

MA200より上にあるナスダック100銘柄

先週末48.51%➡今週末57.42%(+8.9pt)
先週末から反発して回復傾向。テック中心に反騰しているようだ。

セクター

週間ではメガテックを避難先にした逃避買いによりテックが反発。
エネルギーは価格急落でセクターの凹みも大きい。
金融はまだ尾を引いている。

各種指標

Fear&Greed Index

Extreme Fear継続(前週24➡今週25着地)
株価は強かったですが、その他の指標はまだExtreme Fearが多い。

Put/Call Ratio(Equities)

先週末の急騰から落ち着きを取り戻し始めた週でした。

機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index

前々週 47.41 ➡ 前週 60.11 ➡ 3月15日時点  41.92(▲18.19pt)
水曜時点では悲観でポジション落とした傾向でしょうか。

炭鉱のカナリア ハイイールド債HYG

金融関連の報道から下げたが、今週は6/13安値付近を底に横ばい推移。
まだ本格的な反発ではないため注意。

個別株の決算発表

GTLB ギットラボ

ガイダンス売上ミス

S センチネルワン

FY24ガイダンス売上ミス

ADBE アドビ

クリア

決算発表予定

3/20週の予定

イベント

3月23日3時 FOMC 政策金利発表
3月23日 新築住宅販売件数
3月24日 PMI

アノマリー

  • 満月相場(3月7日~3月21日)

  • 新月相場(3月22日~4月5日)

おわりに

SVB・CSなどのヘッドラインによる金融不安で揺れ動いた2週間でした。CSやファースト・リパブリック・バンクの続報やFOMCが次週はあります。
Fedピボット期待に対してパウエルはどう出てくるのか、市場がどう捉えるのか?次週も値動きが激しそうですね。

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