【米国株12/12~12/16まとめ】続くインフレ退治と、市場のリセッション警戒。市場テーマはインフレから業績へシフトか?
こんにちは、Kojiです。今週はCPI➡FOMC➡小売売上高➡ECBと反応がある発表が多い週でしたね。CPIを起点にレジスタンスに阻まれた指数は急落しました。
ニュースとチャートを振り返っていきたいと思います。
マーケットサマリ
12/12(月)
NY連銀調査では、1年後の期待インフレは5.2%に低下(2021年8月以来)
12/13(火)
CPIが予想下振れ。
金融引き締めのペースが減速する見方が強まるが、一方で政策金利の着地点が想定より高まるとの見方も。
12/14(水)
パウエルは「積極的な利上げは終了に近づいてはいない」との見解。
12月利上げ50bp
ターミナルレートは来年末に5.1%
利下げ検討なし
12/15(木)
NY連銀製造業景気指数は予想を大幅に下振れ
前回 4.5 予想 -1.0 結果 -11.2
フィラデルフィア連銀製造業景気指数も予想下振れ
前回 -19.4 予想 -10.0 結果 -13.8
小売売上高が予想下振れ
ECBが50bp利上げ
・大幅利上げ継続
・QTを3月から開始
欧州の利上げ継続で世界的なリセッションへの警戒?
12/16(金)
メジャーSQで、指数は続落
メスターはターミナルレートについてFOMC見通しよりタカ寄りな見方。
「私の見通しは中央値より若干高い」
「かなりの長期間、そこにとどまることが必要になると考える」
「インフレ率が一貫して下がるようになるまでは5%超の金利を維持する必要がある」
デイリーも牽制発言。
「道のりはまだ長い」
「当局の物価安定目標への到達はかなり先だ」
FF金利予想はターミナルレート4.75%
パウエルが5.1%と発言していたが、市場予想は4.75%と一段下。リセッション警戒を織り込む市場は、5.1%まで上がらないとの見方か。
10年金利は3.6%まで反発した後は再低下
3か月が頭打ち。2年・10年は低下基調。30年は横ばい。
株式は今週下がったが、2年金利の低下継続は(FOMCでパウエルが言ってた)ターミナルレート5.1%に到達しないという債券市場の解釈だろうか?
このまま金利上がらないと来年、ターミナルレートを上げる発言が出てこないかは心配。1月あたりがタイミング?
Fedのインフレ退治と債券市場の見通しがガチャついてると、株式市場も素直に上昇トレンドには向かいにくいだろうか。市場のテーマが、インフレから業績にフォーカスが移り変わる過渡期となるのかな。
実質金利は上昇
最新の12/16数値は1.35(チャートは1日遅れ)
反発上昇が続くと、株価にはネガティブ。
ドルインデックスは下落も週末はほぼ戻し
炭鉱のカナリア、ハイイールド債は9月高値超えも急落
前週、上記のように書いたが、今週はレジスタンス(点線)を上抜けて9月高値を一瞬超えました。しかしその後は急落していきレジスタンスラインの下に潜り込みました。
週末引けは、一目均衡表の基準線を下抜けているので良くない動き。さらに下回る可能性があるので注意。
S&P500は9月高値に再トライしたが、またも届かず力強い続落(▲2.09%)
週足
S&P500は、9月高値をもう一度目指したが、到達できず続落。出来高増加をともなう下落で、売り圧力が強くなった瞬間でした。
先週、「下抜けると一目均衡表の基準線で下値を試しにいく可能性がある」と書いたが、基準線も下抜けてしまった。
下に向かう場合は、37,00~3,800で止まるか、下落を勢いづけていくか。短期フィボナッチ(点線のほう)の61.8%ラインを下抜けてしまっているので、順当に行けば50%ラインで止まるか、38.2%ラインで止まるかを見ていく必要がある。
反発する場合は、まずは基準線の上を取り戻す必要がある。短期フィボナッチ(点線のほう)の78.6%ラインあたりが節目。
日足
日足は、13日火曜にCPI予想下振れで9月高値を試しに急上昇するが、4,100台が天井でストップ、急落の始点となりました。年始からのレジスタンスライン(黒色太線)がいまだ機能している証左ともなった。
翌日の水曜は、インフレ鈍化もなおインフレ退治にまい進するパウエルがターミナルレート5.1%と発言。市場は落胆し(?)より株価を下げることとなった。
11月11日から作った上昇レンジ(水色ボックス圏)を下抜けた。下落圧力が強くなっている。安値を探りにいく展開になりそうなチャート。
一目均衡表では
・転換線と基準線がデッドクロス
・遅行線もローソク足とデッドクロス
・雲はねじれ発生の位置で、トレンド転換を示唆か
➡この雲を下に抜けて3,800を下回るかは次のポイント。
短期フィボナッチ(点線)では、61.8%ラインを下抜けているので、次は50%ラインがテスト会場で、下落が止まるかどうか試される。
下抜ける場合は、どのラインまで下がるか安値探索がつづく。
MA200より上にあるS&P500銘柄
53.87%➡47.01%(▲6.86pt)
8/16高値と同水準まで急低下しました。
ナスダック100先物はレジスタンスラインに跳ね返され続落(週▲2.93%)
週足
ナス100先物の週足は、CPI発表のタイミングで再度上値のトライをしたが、12,200が天井となって長い上ヒゲをつけた。
ローソク足は安値切り下げで続落となっている。先週時点ですでにレンジの安値を切り下げていたが、今週は高値切り上げ・安値切り下げでボラティリティが大きくなった週と言えるでしょう。
一目均衡表では週足は転換線を下回って弱さを示した。6月安値に迫る勢い。遅行線はゴールデンクロスできずに下がった。
今年の傾向通りなら、まだ下げが続きそうなチャートだろう。下げ止まりがどこかを探る展開なら今は買うタイミングと言えず待ちだろうか。
日足
ナスの日足チャート解説は上記リンクに投稿したので参考にどうぞ。
MA200より上にあるナス100銘柄
47.05%➡41.17%(▲5.88pt)
11月中旬あたりと同水準。
セクター
続落し続けたエネルギーが反発。
週間ベスト
1. エネルギー +2.0%
2. 公益 ▲0.5%
3. 資本財 ▲1.0%
週間ワースト
1. 一般消費財 ▲4.0%
2. 通信 ▲2.8%
3. テクノロジー ▲2.6%
サイズ・タイプ
・ベスト:小型グロース ▲1.5%
・ワースト:小型バリュー ▲3.1%
1週間のセクター値動きは以下投稿を参考にどうぞ。
各種指標
Fear&Greed Index
Neutral➡Fearに低下(前週54➡今週42着地)
Put/Call Ratio(Equities)
直近の高値を超えてきている
機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index
前々週 64.36 ➡ 前週 55.69 ➡ 12月14日時点 71.6 (+15.9pt)
14日は下げ始めたタイミングなので、その後の下げは反映されていない。
Bull/Bear Ratio
12日時点では0付近。来週は下がってるか。
個別株の決算発表
ADBE アドビ
Q4/FY22売上・ガイダンス売上ミス
決算発表予定
12/19週の予定
イベント
21日 中古住宅販売件数
22日 GDP
23日 PCE、新築住宅販売件数
アノマリー
満月相場(12月8日~12月22日)
新月相場(12月23日~1月6日)
おわりに
次週はPCEでのインフレ確認ですね。年内の大きめなイベントはこちらが最後だろうか。
次の記事を書く励み、定期的に更新するモチベーションになっています。 サポートしていただけたら、投資・チャート分析のインプットに役立てたいです。