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【米国株3/27~3/31まとめ】コアPCEが予想下振れ、インフレ鈍化。再びFedピボットの期待が高まる

こんにちは、Kojiです。

今週の3ポイント。
①銀行問題は落ち着き安心感、リスクオン
②コアPCEが予想下振れでインフレ鈍化
③再びFedピボット期待

SVB買収合意の報道もあって金融システム不安は緩和。リスクオン。
週末の月末リバランスのタイミングでコアPCE予想下振れが一層の上昇気流を起こしましたね。インフレ鈍化を示したことで、これ以上の利上げは不要との見方でFedピボットの期待が高まりました。

ニュースとチャートを振り返っていきたいと思います。

マーケットサマリ

3/27(月)

米国の地銀ファースト・シチズンズがSVB買収を合意。
この報道を受け、金融システム不安が緩和。
インフレ退治に集中できる観測から、10年金利が上昇しました。

ジェファーソンFRB理事
これまでの引き締めの効果を完全に把握しようとしているところだ
・利上げにより、インフレ率はFRBの目標2%に向かって「低下する見込みだ

3/28(火)

在庫は予想上振れ。在庫積み上がり。
消費減退を感じさせた?

銀行問題の影響もなく(?)、予想を上振れ。

3/29(水)

バーFRB副議長
・資産規模1,000億ドル以上の銀行に対しては、より強力な資本および流動性規制が必要である。

3/30(木)

GDPはほぼ予想通りだが、個人消費が下振れ。
減速感。

インフレ退治の意見が多いが、翌日のPCEの結果で景色が変わるか。

3/31(金)

PCEは予想下振れ。
市場予想よりインフレ鈍化。
インフレ鈍化により再びFedピボット期待が高まります。

パウエルが重視する「家賃を除くコアPCE前月比」は、22年7月以来で最低値。低下トレンド。

コリンズ総裁
・PCEのインフレ率に関するデータは、良いニュース
・インフレ対策が不十分であるリスクと、過剰であるリスクのバランスを取る必要がある。
・政策立案者の意識に大きな影響なし

クックFRB理事
・インフレ率上昇の兆しと、このところの銀行部門の混乱による潜在的な景気への向かい風の双方を検討する
データで経済の継続的な強さとディスインフレの鈍化が示されれば、FRBは一段の措置を実施しなくてはならない可能性がある

ウィリアムズ総裁
・政策決定はデータと、最大限の雇用と物価の安定という責務の達成度合いに左右される
・銀行システムの一部にあるストレスは、信用状況の引き締まりにつながる可能性が高い

クック理事
・資金調達条件の引き締まりが景気を抑制する場合、政策金利の妥当な軌道は、そうでない場合よりも低くなる可能性がある

FF金利予想は4.75%を6月➡7月まで維持に変化

銀行問題は終わったと見て、金利維持をもう1か月延長する予想へ。9月から利下げする予想。今はまだパウエルが年内利下げしないと言明している。負再びFedピボット期待が高まるが、パウエルやFed高官から年内利下げのメッセージは今後出てくるのだろうか?

10年金利は3.6%近くまで上がるが、コアPCE下振れで再び金利低下3.4%台へ

銀行問題の落ち着きで前半は利上げ・金利維持を織り込み10年金利は上昇した。しかし金曜のコアPCE予想下振れで、インフレ鈍化の観測から金利は低下に向かった。
3.25%を下回るかどうか引き続き注視。

実質金利は期待インフレ率上昇により1.16%に着地

最新の3/31数値は1.16(チャートは1~2日遅れ)
10年金利は週末低下、期待インフレ率は上昇により差分の実質金利は前週末と同じ1.16%に着地。

ドルインデックスは下落継続

下落トレンドは継続。

ドル円は先週までは三尊の右肩を形成中だったが、ドル高に反発したことで右肩形成をストップ。

S&P500(週+3.48%)

週足

2週連続で高値切り上げ・安値切り上げの陽線。出来高は減少している。
節目の4,000をブチ抜き、9月高値に接近するほどの上昇だった。

2月高値から3月安値までフィボナッチを引くと、すでに78.6%まで回復している。十分戻したとも見えるが、さらに上がるなら上値の目処は、目先4,200が次の節目でテストポイント。ここまで上がれるかどうか。

今週安値の3,950付近はいい買い場だったと思うが、来週もサポートとなりやすい。とは言え、ここまで下がる材料は必要そうに見える。

日足

今週の振り返り
月曜にはSVB買収の報道があり、金融システム不安は緩和。火曜日を底に大きく上昇した週となった。水曜には、節目の4,000、上値の短期レジスタンスライン(赤色直線)を両方上抜けてリスクオン。

金曜日にはコアPCEが予想下振れでインフレ鈍化、かつこの日は四半期リバランスがあり、上昇に拍車がかかった。
結果として、2月高値から3月安値のフィボナッチ78.6%まで戻した形だ。

次週のシナリオ
①リスクオンが続く場合
さらに上値を追う場合は、次のレジスタンスライン4,140~4,150付近がテストポイント。そして、次は節目である2月高値付近の4,200がレジスタンスとなりやすい。

②反落する場合
4,000の節目、かつEMA200付近が第1サポートライン。
ちょうどフィボナッチ50%までの戻しとなる。意識されやすい想定。

今週安値の3,950が第2サポートラインとなりやすい。3,950は出来高が多い価格帯でもあるので値が止まりやすい可能性がある。

MA200より上にあるS&P500銘柄

先週末40%➡今週末54.87%(+14.87pt)

ナスダック100先物(週+3.12%)

週足

ナスダック100先物は、3週連続の高値切り上げ・安値切り上げの陽線。13,000前後のレジスタンスゾーンを上抜けて、8月高値~10月安値までで引いたフィボナッチの78.6%を超えた。

現状はトレンド通り上昇を続けて、上値のレジスタンスラインを目指す形となっている。次の節目である13,500が天井として意識されやすい。

日足

今週の振り返り
月曜から下げたが、SVB買収報道で銀行問題の不安緩和となって、火曜には下ヒゲを付けて反発。リスクオンとなっている。

木曜にはレジスタンスゾーンとしていた13,000前後を上抜けて力強さを見せた。

金曜は、コアPCEの予想下振れでインフレ鈍化を示唆したこと、かつ月末リバランスの影響もあってか、より一層の上昇となって週末引けとなった。

次週のシナリオ 
①上昇が継続する場合
すでに短期のフィボナッチは100%を超えているため、どこまで上値を追いかけられるか。
候補としては以下が目処だろうか。
(a)2月高値~3月安値フィボナッチ:141.4%
(b)3/22高値~3/28安値フィボナッチ:200%~227.2%
13,400~13,500が止まりやすいラインではないだろうか?

13,500を上抜ける場合は、(a)の161.8%=13,665付近が目処となる。8月高値まで上がるには強いエネルギーが必要に思う。

②反落する場合
まずはレジスタンスゾーンだった13,000前後がサポートになるかテスト。
そこを下抜ける場合は、12,500~12,600前後あたりがサポート目線

MA200より上にあるナスダック100銘柄

先週末59.4%➡68.31今週末%(+8.91pt)
高値付近まで上昇しています。

セクター

メガテックはGOOGLのみ負け。


各種指標

Fear&Greed Index

Fear→Neutralに回復(前週33➡今週49着地)
2週連続で改善傾向

きれいな反発を描いている

Put/Call Ratio(Equities)

今週も安定ゾーン。

機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index

前々週 41.92➡ 前週 53.21 ➡ 3月29日時点 65.15(+11.94pt)
2週連続で各10ポイント以上の上昇。

炭鉱のカナリア ハイイールド債HYG

銀行問題が落ち着いた今週は、HYGが窓を開けて3営業日連続で上昇。

個別株の決算発表

FUTU フートゥー

クリア

MU マイクロン

全ミス

SKLZ スキルズ

全ミス

決算発表予定

4/3週の予定

イベント

4月3日 ISM製造業
4月4日 JOLTS
4月5日 ISM非製造業、ADP雇用統計
4月7日 休場、雇用統計

アノマリー

  • 新月相場(3月22日~4月5日)

  • 満月相場(4月6日~4月19日)

おわりに

今週のリスクオンが月曜からまだ続くことを見届けたい。
ISMと雇用関連が反転させる材料になるかは注目。大きな動きがあるとすれば12日のCPI・FOMC付近だろうか?


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