りこちゃんと魔法の傘 4
傘を手に入れることができなくて、がっかりした りこちゃん、
帰宅して、こざる達に そのことを話しました。
「僕たち、うんうんって聴いていたんだけど、ちょっとしょんぼりした りこちゃんを見ていたら、
なんとか 上手く 傘を入手できたらいいなぁって思ったんだ。」
いつも けろっと すぐに忘れてしまう りこちゃんにしては よっぽど残念だったのか
傘のことを 熱心に話しました。
でも 手に入らないと 人間は 急に すごく欲しくなったりするものです。
お店から、次の入荷の連絡が来ることになっていましたが、
翌日になって、次の入荷は未定と 申し訳なさそうに電話がかかってきました。
「お店の人は、他のお店の在庫もあたってくれたんだけど、どこにもなかったんだ。」
今だったら、もしかしたらネットで探して見つかるかもしれませんが、
その当時は、ネットなどというものはありませんだした。
もしかしたら あったのかもしれませんが、一般の人が普通に使うものではなかったのです。
「りこちゃんは、その水色の傘をさして、魚と泳いでいる夢を その後も 何回か見たらしいんだ。」
りこちゃんは単純なので、思ったことが そのまま夢になるのです。
そして数日が過ぎて 夏至になり、再び お店から電話がかかってきました。
「ショウウィンドウに飾ってあった傘を取り置きしていたお客さんがキャンセルしましたって!」
りこちゃんと こざる達は、飛び上がって喜びました。
その時、りこちゃんは 今より もう少し若くて、まだ ギリギリおばあさんではなかったかな?という年代だったので、
飛び上がることも出来たのです。
話は続きます
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?